
ディーラー車検からクルマを引き上げて来て、仕事柄
部品交換や整備の手が入った所が気になってしまい
どうしても自分で確認したくなる。…なるんデス!w
昨年、A/Tオーバーホールの作業依頼をした際にも、
誠に不本意ながら残念な作業跡が幾つかあったので
念の為のつもりで目視出来る範囲でざっと見回したら
ん゛~、またしても残念な痕跡を見付けてしまった。
頼むよ、苦労して30諭吉も捻出したんだから…orz
残念その① ヒーターホース車体側のクランプ向きが違う
(上側クランプのネジ先が下側ホースに当たりそうですがな…)
これ、車検前の状態はこうだった。 これが正解。 下側ホースはネジ位置が左側。
じゃないとM/Tのクラッチオペシリが付けられないよね?(これはA/Tで盲蓋だけど)
残念その② ヒーターホースENG側もクランプ向きが違う
ENG後方にネジ部を持って来ているので、後ろのダッシュパネルと隙間が狭い。
車検前はこの状態。 クランプのネジ部はENG側で横向きにあるのが正解。
ネジをENG後方にしちゃうから、ダッシュパネルとの隙間がほら…
指一本チョイしか有りません。15~20mmってところかな?
ENG縦置きFRなので、P/SFTが突っ張ってENGの前後移動量は小さいハズだけど
このままだと急ブレーキでキャビンが前方に動いた時に干渉する可能性あるかも。
余程の事が無ければ干渉しないと思うので、これは後で向きを直して貰おう。
残念その③ スロチャン~インマニ間の温水ホースの取付が逆
エアレギュレーターの手前、ブローバイホース、ハーネス、温水ホースが妙だ。
こんな窮屈にハーネスが配索されてなかったし、温水ホースもいびつな形に…
青矢印が温水ホース。こんなに車両外側に膨らんでたっけ?
あと、EGRソレノイドに行くハーネス(赤矢印)が、赤丸部分でホースと一緒くたに
固定されていた。そんな無理しなくても、一番下にハーネス用のC固定があるョ。
後で気付いたけど、この下の写真に出て来る樹脂製4連Cクリップが壊れてる…
劣化してたからホースを脱着する時に割れちゃったんでしょうね、きっと。
ハイ、車検前の正解はコチラ… 4連Cクランプで上手く纏まってるじゃん!
ブローバイ、温水、負圧のホース×3とハーネスを固定する特製C-C-C-Cクリップ。
EGRソレノイドハーネスは、EGRバルブ下に写っているロッカーカバーに取付の
3連樹脂Cクランプに、上から温水ホース、EGR負圧ホース、ハーネスの順に固定。
それと、温水ホースは完全に逆付け!(スロチャン側とインマニ側を間違え)
だからせっかくの成形ホースが周辺部品とマッチしない変な形になっている。
残念その④ EGRソレノイドハーネスとEGRチューブが干渉して溶損
上の写真の赤矢印で示したEGR負圧ホースは既に製廃となっており、高熱環境下
で表面に亀裂多数あり、本来は成形ホースだが直管ホースで代用交換してくれた。
それ自体は有難いのだが…成形ホースの形状はEGRチューブを逃げる為のもの
なのに、EGRソレノイドから出たホースが自然なRを描いてEGRチューブと干渉!
最初、何かの見間違いだと思って引きで見てみたが…やっぱり当たってる~!
本来はEGRソレノイドから出たホースは、成形U字形状でロッカーカバー上の
3連樹脂Cクリップに固定されてEGRチューブとは十分な隙間が確保される。
ただ、この樹脂クリップは前から割れていて残骸だけ残ってホースとハーネスを
抱き合わせる役目だけしており、成形ホースの時は例えクリップが壊れていても
ハーネスは自然とホースに追従してEGRチューブとの隙間は取れていた。
今回、親切心でEGR負圧ホースを直管ホースと交換してくれたのは良いのだが、
まさか壊れたクリップで固定してホース反力でEGRチューブに干渉させちゃうか…
ハーネスは被覆が溶けてしまい、中の芯線が出てました。マジか!
これも車検前の状態はコチラ… 下の方に成形負圧ホースとハーネスが見える。
残念その⑤ エアコンONにすると何故かアイドル回転が落ちる
普通はエアコンONにするとアイドル回転数はUpするハズなのに必ず落ちる…
Pレンジ エアコンOFF
Pレンジ エアコンON …100rpmほどENG回転数が落ちてる
Dレンジ エアコンOFF
Dレンジ エアコンON …ギリギリ500rpmくらい。バックする時ステアリング重い。
車検前はちゃんとアイドルUpしてたんだけど何故?って聞いても即答は流石に
無理なので、これまた原因究明に少しクルマを預け直すのか…と憂鬱になる。
10/中旬に届く残り2本のホース(ブローバイ、AACバルブ)は自分で交換しようと
思っていたけど、今回の事があったので再整備と併せて作業お願いしました。
新旧の写真をプリントアウトして、ディーラーで現物も見て貰い一旦帰宅。
とりあえず溶損したEGRソレノイドハーネスだけは処置しなければ…
あまり拡大して撮りたくない絵だが、こうなっちゃったんだから仕方ない…涙
ハーネス交換は無理だろうから。、布ガムテをグルグル巻いて養生しておきます。
ちゃんと正規の経路で配策し直し。(上から温水ホース、負圧ホース、ハーネス)
EGRチューブとの隙間を取る為に、暫定的にタイラップでロッカーカバーに固定。
(この部位の壊れて割れた3連樹脂クリップは新品を注文済。前後2ヶ所とも)
但し、エキマニの上ではとてもタイラップごときが耐えられる熱環境では無いので
早いうちに針金で固定し直そうと思ってます。
(これでタイラップが壊れたら、またハーネスがEGRチューブに当たって溶損…)
という訳で、今回の車検では整備作業上の残念な所を5ヶ所も見付けてしまい、
頼むから一般のお客様にはこんな事しないでねと、切に願うところであります。
ハーネス応急処置(たぶん恒久処置になるだろうなぁ)をしてひと段落した時に、
エアコンアイドル落ちの原因かも!ってひとつ閃いた。 ヒューズ切れ。
「ENG普通に掛かってたし、まさかね~」と思って該当しそうなヒューズを見たら
エンジンコントロール15Aが見事に切れてました。
これか!お前が原因か!
速やかにスペアのヒューズと交換です。
ああ…持つべきモノはスペアのヒューズ。。。
Pレンジ エアコンOFF
Pレンジ エアコンON …おおっ!ちゃんとアイドルUpしたぞ。

Dレンジ エアコンOFF
Dレンジ エアコンON …やっぱりアイドルUpするじゃん!
さすがにアイドルで500rpmは低過ぎだと思ったけど、ヒューズが切れてアイドル
制御系(エアレギュレーター、AACバルブ)が全く機能不全だった訳ですナ。
と、エアコンONでアイドル回転落ちの件については自己完結しちゃいました。
恐らく、EGRソレノイドハーネスがEGRチューブに干渉して被覆溶損した時に、
中の芯線がショートしてヒューズが切れたのではないかと推測しています。
<おまけ>
交換した点火プラグ(NGKイリジウムMAX)、掃除したらキレイになったョ。
メーカー交換推奨10万kmの半分も使ってないので、電極もまだイケそうです。
残念ネタ何気に書くの面倒なので、これでお終いにして。
(人間のする事なので自分を棚に上げて100%完璧な作業は望みませんが、
それでも品質面に於いてもう少し配慮が欲しいと思う今日この頃でした)
★昨年の残念な記録 ⇒ ① ② ③ ④+⑤
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今夜のお別れは、押尾コータロー の 『戦場のメリークリスマス』 です。(2015.9.25)