
とあるディーラー修理での残念シリーズ、ひとまずは
今回のシャレにならん④と、チョイチョイ的な⑤にて
終了となります。
ってか、修理に預けていた期間が約1ヶ月と長かった
のは別として、1回の入庫で合計5ヶの凡ミスってのは
ダットラ購入以来20年来の付き合いの中で初めて。
これまでの信頼・信用がガタ落ちしちゃうってばョ…
A/Tオーバーホールの為に車両からユニットを降ろすに際して一旦取り外された部品たち。
その中に、ATFをラジエーターまで循環させるA/Tオイルクーラーチューブ(赤矢印)があり、
・緑の矢先がA/T前側オイルポンプ吐出部のアイジョイント
・青の矢先がA/T後部の遊星ギア潤滑部に戻るアイジョイント
ENGリアクランクオイルシールを交換して、ENGとA/Tの合わせ面からのオイル漏れが
治ったのを確認しつつ、このA/Tオイルクーラーチューブがきちんと復元されてるかを確認
してたら、ENGとA/T合わせ部のチューブ固定用金属クリップが何だか変だぞ…
残念その④
ゲゲッ! ボルトが仮留めのままで完全に締まってないじゃん!!
慌てて他のENG側とA/T側の固定点を確認したら、一応セーフだった。。。
「マジかいや~、コレはシャレにならんぞ…」とブツブツ言いながらボルト締め付け。
ちゃんとボルトを締めてチューブを固定し直した。
これね、放っておいて振動でボルトが緩んで抜け落ち、チューブの固定点が無くなったら
かなりマズイ事に、というよりヤバイ事になる可能性があるですよ、奥さん。
金属チューブなので、固定点スパンによってチューブの振動共振周波数が決まる訳で、
A/T側からENG側まで何ヶ所かで固定しているのにも理由がある…らしいデス。(謎)
今回の固定点1ヶ所を失うと、チューブが固定されていないフリーな区間が長くなり、
チューブの共振周波数がグンと下がってしまい、仮にそれがENGの常用回転域内に
あったりすると金属チューブが共振現象を起こして疲労により亀裂や破断の可能性も…
仮にチューブが亀裂⇒破断に至り、一気にATFが流出したらどうなるか?
このテラノはFRの縦置きV6エンジンなので、A/Tオイルクーラーチューブが配索されている
ENG右バンクにもEXHフロントチューブがあります。
下の赤丸あたりが仮留めだったチューブ固定点、ここでATFが漏れると…EXHに飛散しる。
A/T前側下で右EXHフロントチューブが車両中央を左に横切って、その先で左側と合流。
後は、車両左側を触媒(キャタライザー)、メインマフラーと排気口まで続くシステム構成。
最も高温になる触媒が車両左側(A/Tオイルクーラーチューブと反対)なのは救いだとして、
触媒への直接ATF飛散という最悪ケースは防げたとしても、もしENG高負荷時(連続登坂や
高速走行)のEXHチューブに遮熱板が付いていても結構高温になる訳で、そこにATFが
飛散したら運が良くて発煙、もしEXH表面温度がATF発火点を超えていたら車両火災です。
他にはATFが盛大に漏れて循環しなくなる(A/Tに戻らなくなる)と、もしかしてA/T内部で
遊星ギアが潤滑不良で焼き付き⇒走行不能になるんじゃないかとか…かなり悲惨
もっとも、これは考えうる最悪ケースを想定しての話であって、実際にこれらの事象に至る
かどうかは分かりませんし、確率論で言えばかなり低いと思う。
が、たかがボルト固定点を1ヶ所を締め忘れただけで、車両火災や人的被害を起こしてしまう
可能性がある…単なる凡ミスであっても重大事象に発展する可能性はゼロでは無いのデス。
私はチューブが固定されていないのを見てマジで冷や汗が出ました。(経験的に…謎)
たまたま自分からクルマの下に潜りたがるモノ好きが気付いたから良かったものの、
こんな状態のクルマが一般のお客様の手に戻されてたかと思うとゾッとしました。
流石にこの一件は放置できないと思い、後日撮った写真を持って再度ディーラーを訪れ、
起こっていた事実と、整備作業の徹底・再発防止をお願いして来ました。
フロントさんは真摯に話に耳を傾けて下さり、現場への展開と徹底を約束してくれました。
(あ、別に私は怒り狂ってクレーマーもどきで乗り込んだ訳じゃないですョ…w
全くの他人事じゃないって事もありまして…謎)
また、こんな事があると、他のボルト締結ヶ所は大丈夫なのかと心配になりますよね?
特に今回はA/T+T/Fユニットを車両から降ろしているので、ENGとのドッキングボルトや、
プロペラシャフトの固定ボルトなど、他にも締結不良ヶ所があったらどうしようって。
たかがM6ボルト1本の締め忘れで、お客様からの信頼・信用は脆くもガタ落ちです。
それだけに、今回のケースを参考にして現場作業の品質について再考して貰いたい、
そう思って敢えてディーラーを再訪して苦言を述べさせて頂いた次第です。
残念その⑤
修理費の請求書を改めて良く見てみると、ワッシャーが8ヶとなっている。
このワッシャー(部番:21626 64U00)ってのは、上記残念④のA/Tオイルクーラーチューブの
アイジョイント部のシールワッシャーを指しています。銅板をドーナツ状に打ち抜いたもの。
A/Tユニット前側のオイルポンプからの吐出部と、
A/Tユニット後部の遊星ギア潤滑戻り部の2ヶ所。
アイジョイント1ヶ所につき両面2枚ずつ使用だから、2ヶ所で合計4枚ご使用なのでは?
それとも、まさか2枚重ねで使ったりしているとか…と、不審に思いフロントさんに確認。
結局、現場で使ったのは4枚と確認が取れ、単なる帳票記載ミスだと判明したものの、
これは一般のお客様じゃ気付けないんじゃないの?
あ゛、私はちょっとフツーのお客様じゃないので(謎)、その辺はパッと気付きますがw
半額返金して貰いましたけど、最後の最後まで残念感が残った入庫となりました。
お客様からお代を頂戴する以上は、プロとしての自覚を持って欲しい。
自分に対しても戒めの言葉となる所が辛いなぁ~www
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今夜のお別れは、「IKUZO MEGAMIX 農道最速伝説」で…