再生音の「なんちゃって測定」＝お遊び

偶然見つけたフリーソフト「Wave Spectra」。所謂スペアナのフリーソフトである。
Waveファイルを読み込んで再生すると、そのファイルの周波数特性が見られると言うもの。

カーオーディオの「車内空間での音響特性の測定」をする場合、通常だとスペクトラム・アナライザー＝スペアナを使って測定する。
この測定法は、再生音がスピーカーから出力され、吸音＆反射を経て視聴位置（耳）に到達した時の特性をを測定する方法である。アナライザーと言う測定機に基準マイクと言われる、普段我々が録音現場で使っているマイクとは違い、周波数特性が非常にフラットになるように作られた特殊なマイクを接続して測定する。（録音現場で使っているマイクは、逆に、それぞれ特徴を持たせて作られているとも言える）
余談だが、この基準マイクは昔はB&Kと言うメーカーが作っていたのだが、DPAと言うメーカーに統合され、最近は沢山の機種が発売されている。（私の小遣いでは買えませ~ん）

そこでお遊びとして下の写真のような構成で測定してみた。

　　　
先ずは音を録音する機材。TASCAM 　DR100と言うリニアPCM録音再生機に、SONYの無指向性マイクECM-44と言うコンタクトマイクを繋げてSDカードにWAVEファイルで録音してみる。（一応プロの現場でも通用する機材です）
再生するソフトは、日本オーディオ協会が発売しているTEST CDである。

　　　　　

このCDの中から「ピンクノイズ」のトラックを再生しDR-100で録音する。果たしてどうなる事やら・・
録音されたSDカードをPCに入れて「WaveSpectra」に取り込んで再生。



ちょっと見にくいが、それなりに使えそうな波形が表示されている。
この波形で見る限りでは、2KHz～4.5KHz辺りが下がっているのが判る。
逆にLow成分がかなり上がっているのも判る。（スコーカーが無いのも弱点か？）
これを元にEQで補正してみるが、丁度良いポイントが見当たらない。取り敢えず2.6KHzがあったのでグイッと上げ、Low成分をかなり絞り気味に・・・・・
再測定すると、波形的には多少改善された感じ。
聴き慣れたMy Reference CDを再生してみる。「ウ～ン！硬い！」

結局は自分の耳を信じて設定を元に戻す。やっぱりコッチの方が気持ちいい(*^_^*)　（好みは超重低音と爽やかなHighトーン）
コントロール・ルームの測定でも、基本的には同じようなやり方で測定している。しかし最終的には、今回と同じようにReference CDを再生し、集まった音屋みんなで、喧々諤々言い合って、吸音材を詰めたり剥がしたり、はたまた反射物をどけたりしながら決めているのだ。

今回のお遊びで、一番気になるのがマイクの選定だと思う。（最初から分かっていたことだが・・）当方が保有しているマイクの中で、「フラットに近く無指向性のマイク」はこれだけだったから・・・
他にC-38やヴォーカルマイクとして有名なSM-58等もあるのだが、結構癖のあるマイクだし、指向性が結構あるので測定用には難しいのだ。

結論！　自分の耳と感性を信じてチューニングするのが一番！！