以前ONA2さんが実行していた「RCAケーブルをLANケーブルで!」を試してみた。
と言うのも、ネットでググってみたら、結構「都市伝説」っぽく語られている。
近所にLANケーブルを作っている会社があるので、廃材をいただきに行ってみた。
「この長さのケーブルならいくらでも持って行いっていいよ」と言われ、10本ほど頂いて来た。
ついでに、LANケーブルに関する技術的な事も聞いてみた。
①LANケーブルで音声信号を送ると、メチャ音がいいと言う都市伝説があるんだけど・・・
「そんな事ね~よ!高級オーディオケーブルの方がいい音するんじゃね~の!?」
「一回だけ、LANケーブルで作ってやった事あるよ!芯線だけ使って被覆の代わりに編組シールドスリーブ被せて作ったかな」
②Cateで分類されてるけど、ぶっちゃけ何が違うの?芯線の材料とか特性の違いは?
「基本的に、シールド特性が良くなるように工夫され、シールドが良くなれば、高周波伝送も良くなるって事。信号線の材質は同じだよ」
③芯線の種類が「単線」と「撚り線」があるけど、信号線としてはどっちがいいの?
「そりゃ~単線の方が、信号がストレートに流れるからいいに決まってるじゃん」
以上の事と、自分の知識を振り絞って仮製作してみる事にした。
いただいたLANケーブルの長さだと、Tweeter回線とSquawker回線しか作れない。
LANケーブルの大きな特徴として、一般的に販売されているのは「UTPケーブル」だ。
これは、シールド加工がされていない物。(柔らかくて扱いやすい)
もう一種は「STPケーブル」と言われる、シールド加工されたケーブル。
今回頂いたケーブルは、業者用の「STP-Cat5e」と言う奴だ。
自分的に、シールドはどうしても使いたいから、「STPケーブル使用」を前提に加工していく。
先ず、外被のカットから。通常「専用カッター」で剥いて行くのだが、そこは昔取った杵柄で、アルミシールドを傷つけないように、カッターで「縦」に切れ込みを入れます。カッターはOLFAを使いましょう(笑) 切れ味が全く違います。力加減が重要です!
普通は横にカッターを入れるのだが、被覆が薄いので力の入れ方を間違えると、アルミ箔や芯線を傷つけてしまうからカッターは縦の切れ込みを入れるだけにする。(ニッパーだけでやる方法もあるが・・・)
切れ込みを入れたら、切り始め部分をニッパーで横に切っていき外被をカットします。この時アルミ箔(シールド材)には、出来るだけ傷をつけないように「めくって外被に被せます」。
被せる部分を約1.5cm位残してカット! そこに熱収縮チューブを手前から入れ込んで、アルミ箔を1cm残して固定。これで端末は綺麗になりました。(写真下)
STP・LANケーブルは、「ペアーが4組8本」+「ドレン線と呼ばれる裸線1本」をアルミ箔や編組シールドスリーブで巻いたシールド構造です。ドレン線が、シールドのリード線になっています。
他に、メーカーによって、セロファンや布テープ、紙などの養生材で保護されている訳だが、これを綺麗に取り除くのが結構大変です。そこをなんとかやり終えて、やっと芯線が出てきます。
(チョット写真を撮り忘れたので、今日の写真から・・・・)
ペアー線は、2本の撚り線として4組あります。今回は1・2番線の青/青白を使います。
ネットで見ると色んなやり方が載っていますが、私の拘りは「単線1本で信号を送る」です。
なので、他の6本はカットしちゃいます。
この時、「使う芯線には絶対に傷をつけない事!」(青/青白 &ドレン線)
傷をつけると、単線なので、加工中に間違いなく断線します。
それらを含めて、外被を残し、プラグのアース端子にケーブルを固定する時、アルミシールド材が密着し、尚且つドレン線と青白をアース側(-)に半田付けする事によって、完全なシールドケーブルになるって寸法です。
という事は、青1本が+側に半田付けされるという事です。
尚、芯線の被覆は、普通のオーディオケーブルと違い、熱の弱く、半田ごてを近づける時に細心の注意を払わないと溶けてしまいます。
一応作り方を簡単に説明しました。(詳細な写真は、この後の今日の作業の写真で・・・)
これを4本作り、いよいよ結線です。
ところが、ケーブルの硬さが半端じゃありません。一応、物理的負荷のかかりそうな端子にはL型プラグを取り付けたのですが、それでも大変!
結局、PDX-F4の向きを変える事になりました。
上の写真の右側PDX-F4です。これを、反時計回りにして横位置に置くことにしました。
こんな感じです。仮設なので・・・・
いよいよ「試聴」!!
なんと言う事でしょう!予想以上の音質変化です。ノイズも全くありません。
音の分離度が違います。Gainも2dB程上がったようです。都市伝説は嘘じゃなかった?
イや、加工の仕方によって遥かに良い方向に行ってるかも・・・
ただし、まだ高域だけなので、本格的に全帯域をやってみないと何とも言えません。
と言う事で、1週間かけて部材の調達をし、昨夜と今日で、Low/Mid/High/S.Woferと全帯域分を製作した。やり方は、仮製作と同じですが、線材から変更なので結構大変でした。
メインのLANケーブルは、サンワサプライの「ギガビットイーサネット対応Cat5e STP/単線」です。
プラグは一応プロショップ「トモカ」のRCAプラグと、今まで使ってきたNakamichi?のプラグの混合。しかし、L型プラグは失敗でした。
+ - の間隔が狭すぎて、半田付けがほぼ無理に近い!なんとか絶縁処理をして解決した感じ。
熱収縮チューブは、ガス式の半田ごてに付随する「ヒートガン機能」(先端の穴)で施工。
普段はライターでやっちゃうのだが、今回は熱に弱い素材が多かったので慎重に。
以上で、長さの違う8本の「LANケーブルを使ったRCAケーブル」の完成です。
DSP側がトモカ製プラグ(昨夜製作)。反対側がNakamichi?製プラグ(今日製作)。一応方向性も考慮して作っています。
プラグの違いは、曲げた時の最小半径を考えた場合、これが限度と考えての選択です。
これでも厳しいかも知れません。
車への取り付けは、十分時間のある時にやりたいと思っております。大丈夫かなあ~~
仮設での変化に気をよくして、ホームのスピーカーケーブルも?いや車のスピーカーケーブルも?(ドアは無理!)等と色々考えが閃いてきて、とうとうLANケーブルを箱買いしちゃいました。
何考えているのか、自分でも判らなくなってきました (笑)
しかし、人によっては「インピーダンスが違うんだから使えないとか」ウンチクを述べる人もいるが、「音はやってみないと判らない部分」が沢山ありますから・・・。
今度は映像の75Ω同軸で試してみようかな?短いRCAケーブルなんて、何を使ったって大したインピーダンス変化なんてないと思うよ。 なんてね。