人生初の入院生活。
11月の中ほどから、鳩尾辺りに強烈な痛みが発症し30分ほどで治まる。それが10日おき位に2回、3回と繰り返してきたので、「胃カメラ」、「エコー」、「CT」と色んな検査を経て来たのだが原因が判らない。と言うのも、病院に行く時は正常な時だから血液検査の値も正常な訳だ。7回ほど症状が出て(ほとんどが夜)、いよいよ1月30日の夜、夕食後の20時頃、鳩尾辺りに激痛が襲ってきた!いつものように30分ぐらいで治まるだろうと思って我慢していたが、1時間、2時間、3時間、5時間経っても一向に治まらない。「仕方がない明日から3日間休みに入るから明日病院へ行こう!」という事で一睡もせず、「来週最後の検査、造影CT」を予約してある病院の救急外来に自力で行った。
取り合えず受付カウンターで這いつくばりながら事情説明。即治療室に通され、早速「造影CT」の撮影。動脈?に造影剤を注射しながらCT撮影。造影剤を注入したとたん体中が物凄く熱くなる。約15分くらいで終了。
今まで色んな検査を担当してくれた医師が来て、CTの結果を見ながら・・・「急性膵炎です!即入院です!」と言われ、何も言う機会がないまま手首にIDストラップ(手錠)を嵌められ、やった事もない点滴の挿入!「急性膵炎」と決まった時点で「絶食」「絶飲」「絶対安静」の長期入院確定なのだ!
その後初めて、「入院って何日くらいですか?」「上手くいって2週間!最悪2か月かな!」と言われた。
ここで初めてデスクに連絡。取り合えず3週間の休業を伝える。
その後、すぐにHCU(高度治療室)に移された。
点滴は「たんぱく分解酵素阻害薬」をメインに「抗菌薬」「 抗生物質」「鎮痛剤」「栄養剤」など6種類にも及んだ。特に阻害薬が重要で、大量に投与しないといけないという事で股間の静脈にカテーテル(約30cm)を挿入して行われる。カテーテルは部分麻酔をして挿入するのだが、その前にアソコの毛を剃る事から始める。看護師さんが「どれくらい剃りますか?」と聞くので、「普通どれくらい剃るんですか?」と聞いたら、「全部剃る方が殆どです。でも半分、カテーテルを入れる方だけでもいいですよ」と言うので「では半分で!」。すると大笑いされたので、「記念ですから!」と言っておいた。温泉に入る時なんか恥ずかしいかもしれないが・・・。セガレを私が押さえて、看護師さんが、電気カミソリで剃っていく。手慣れたもんだ。
このHCUで4泊5日過ごす。24時間体制で管理され入れ代わり立ち代わり点滴の補充&交換に来る。3台の輸液ポンプのアラームが何度も鳴る。点滴液の残量管理、振動感知、光量管理、閉塞管理など、沢山の情報をこのポンプで管理しているらしい。
この「点滴のチューブ」が股間から延び、その他に「心電図の電極」、「膀胱から直接排尿するためのチューブ」がセガレに刺さっている。そして、胃の膨張感を取り除き減圧を行う「鼻から胃の中にチューブ」を通す。更に、「血糖値の監視」を常時するための電極も取り付けられ、酸素吸入用のホースが鼻穴に刺さっている。身動きが取れない状態がしばらく続いた。
ちょうど5日目辺りで痛みは殆ど無くなってきた。ここで一般病棟へ引っ越しです。
最初は、病棟側の都合で個室が与えられました。ここで2泊3日。治療的には全く変わりません。ただ、HCUのように手厚い看護はありません。アラームが鳴るたびにナースコールで呼ばなければなりません。
この個室が、この病院では一番良い部屋らしく景色も最高でした。
2月7日(入院8日目)で、一般病棟の大部屋に引っ越すことになった。大部屋と言っても4人部屋です。一人分のスペースも目測で4畳半くらいあります。他の方々との会話を楽しみにしていたのだが・・・・・
個室からベッド毎運ばれます。 最初は行ったときには誰も居ないだだっ広い部屋でしたが、1時間ほどすると次から次へと患者さんが運ばれてきました。「こんな時、ご近所さんへの挨拶はしておくべきだろうか?」という事で、まずは向かいの方へ、カーテン越しに「○○と申します。宜しくお願いします」と言ったら、「あ!こちらこそよろしく!」と言う軽快な挨拶が返ってきた。しかし後のお二方は無言でした。(ちょっと高齢のお爺ちゃん)
これから退屈な、長~い治療が始まるのです。私の他のベッドは、長い方で10日くらい、短い方は1日で退院していきました。
入院8日目。体中にアレルギー反応が現れる。所謂「薬疹」と言われる反応だそうで、どの点適液が拒絶反応を起こしているか検討しないといけない。
結果論、一番重要な「阻害薬」だったのだが、皮膚科の判断で阻害薬を中止する事になった。「阻害薬」を別の種類に変更しつつ量を減らした。
するとその日の夜突然「痛みのぶり返し」が来たのだ。一般病棟に移った頃から「鎮痛剤」の点滴は止めていたのだが、この夜だけは追加してもらい、数時間で治まる。
入院11日目辺りから、鼻からのチューブを入れている所が痛くなり、つばも飲み込めない状況に。そこで、別の内科医を呼んでみてもらったら、「もう抜いていいんじゃないの?」と言って、その場で抜いてくれた。
入院13日目で、やっと峠を越したという状態。ここでまたデスクに連絡して2週間休みを延ばしてもらう。
入院14日目。やっと膀胱からのバルーンチューブを外す。これで静脈カテーテル以外全て外れました。このころから、口からの水分(水&お茶)摂取はOKになりました。水ってこんなに美味しいもんだとは・・・
入院20日目。ここから、いよいよ口から栄養ドリンクの摂取です。ここまでは全て点滴でした。
最初の2日間は各食事1本。その後2日間は2本になる。一本200KClです。看護師さんも他の患者さんも皆さん「不味い!飲めない!」と言う人が多いらしいが、個人的には今まで味のあるものを20日以上口に入れてなかったので結構おいしく頂いてしまった。それを看護師さんに言ったらびっくりしていた。しかし、3日くらい飲んでいたら、いきなり不味く感じられるようになり、やっとの思いで飲んでいた。
入院21日目、結果的に半分経過した頃、担当医から「血液検査の値も良くなってきている。今日もう一度造影CTをやってみたいがどうですか?」と言われ、「是非!」と言う事で午後からCT室へ。
ここで大問題が・・・・・造影剤を注入するために動脈注射を打つのだが、その注射針が逸れて造影剤が皮下に漏れてしまったのです。造影剤は物凄い圧力で(ポンプで)注入するので大変。腕がポパイのように晴れてしまい途中で中止!その後病室に帰ってきてから、皮膚科の診断(あのような腫れも皮膚科の担当らしい)やら、画像診断部の医師が来たり、平謝りだった。そもそも担当医の注射の打ち方が悪かったのだが・・・・
結局は、皮膚科の指示で一晩アイシングする事になった。「今晩が山ですから・・」。と言うのも、最悪神経を圧迫して、しびれや腕の麻痺がおこる危険があるというのです。
結局何事もなく、朝には腫れも引いていました。
23日目、今日担当医から途中経過の説明があり、「基本的な数値はかなり良い方向になってきているが、白血球の中のアレルギー反応が上がってきているので、今日から阻害薬の点滴はすべてやめて飲み薬にします」と言う事だった。
いよいよ30日目、1ヵ月経ちました。ここでカテーテルの撤収です。と言っても、まだ点滴はあるので腕からい1種類だけうちます。そして、いよいよ食事のリハビリが始まります。この時点であと2週間は必要!
写真上は撤収したカテーテル。
そこでまたまたデスクに連絡。再度休みの延長です。
先ずは「重湯」(流動食)からはじまり、「三分粥」(ハーフ)~「五分粥」(ハーフ)~「全粥」(ハーフ)~一般食(ご飯150g)と、それぞれ2日間ずつ。最後の一般食だけ4日間行われた。と言うのも土日が入った為(基本的に土日の診察は無いので、医師の判断が出来ない)、4日間になってしまった感じです。
3月8日。今日は「栄養士の指導」がありました。今後の食事指導です。かなりのショック!今までの好物が殆ど拒否されました。
そして3月12日、めでたく退院の運びとなりました。
42日振りのシャバの空気は最高です!ちょっと足の筋力は落ちていますが、その日のうちに職場への挨拶と番組収録スタジオでの引継ぎを終わらせクタクタの一日に・・・・
「急性膵炎」は、本来「大酒飲み」に多い病気らしいが、一滴も飲めない私の原因は??
「ケーキ大好き」「ラーメン大好き」「結構大食い」が原因のようだ。普段は結構食事に気を付けているし、暴飲暴食も時々程度だったのだが、長年の蓄積でこうなったんだろうと思います。
最近吉本の芸人さんの間でも流行っているらしく、結構増えているんだそうです。兎に角「脂っぽい食事」や「アルコールの摂りすぎ」「暴飲暴食」は厳禁です!兎に角、痛みは半端じゃない!「胃袋を鷲掴みされている」ような感じです。