某所で
直前の転載記事のオリジナルを探していた際に
同時に見つけてしまったので、これも転載しておこうかと(微笑)。
タイトル「
いくらの付加価値を計上できるか?」の末尾、
> 因みに「わたしは中古だからもっと安く上げている」とかいう反論は
> 以前に別の記事で比較したように、
> アルト新車を15年に勝つのは難しいよ。
に関する部分で、元々は
■
10万円以下の「激安中古車」は買っても大丈夫か?
(日刊SPA! - 10月14日 09:02)
の記事に対して自分のテリトリでブツブツ呟いた独り言記事ね(笑)。
---本文部---
そりゃあ、何を買っても大丈夫だろうさ(嘲)。
大丈夫か大丈夫じゃないかというと、何をやっても大丈夫で、
連続的で原則的には区切りの設定できない損得勘定の差がそこにあるだけ(笑)。
で、その「損得勘定」に於いて損にならないんだよという議論をしたいのだろうが、
何を以って「損」だというのかの基準が全く示されず
「大丈夫か」
というお題目を置かれてしまったら、基準がない以上
何をやっても「大丈夫」であり「大丈夫じゃない」ことになってしまうのである。
バカじゃねーか?コイツ。
主張をする際には客観的にその位置が計れるような裏付けを示せよ。
さてさて、どうしようもないクズ記事だが、
「どうしても中古車でないとじんましんが出る」
的な、何か中古車でないといけない理由でもあれば話は別だが、
この記事の趣旨は何も中古車には限らないだろう。
本質的な命題である「損得勘定」を正しく見据えれば、
結局、新車と大差はないのではないか?という話。
■
10万円以下の「激安中古車」は買っても大丈夫か?
(日刊SPA! - 10月14日 09:02)
http://nikkan-spa.jp/937639
このうち、
> 10万円以内、安さ優先の目玉商品
> 15年以上前の軽自動車やコンパクトカー
> 次の車検まで乗りつぶすつもりで買い
について。
軽四輪乗用を前提とする。
まず、「次の車検まで乗りつぶす」わけだから、
常識的に考えて購入者は最低車検残1年はある車を選ぶだろう。
しかし、
2年まるまる検残車(検受け渡し、みたいなやつ)で
10万しない商品はそうそうない。
検受け渡しの場合検査代だけで10万程になるので、
業オクや下取りなどで取る前のオーナーが検受けして
すぐに売却した場合に限られる。
とすると、検査残は平均を長く見積もって1.5年程度が関の山だと考えられる。
挿絵にあるような9万円ってのが車輌代金の代表として
これを10台乗り継げば15年で90万円かかる。
次に諸費用について。
> いずれも諸費用が10万円前後かかる
とあるが、多少なりとも中古車有利のために細かく考察。
新車の場合、個人でメーカーの工場出し書類で登録すると多少面倒で、
中古の譲渡登録(個人でやっても足を運ぶ手間がかかるくらいで内容は簡単だが)も
新車となるだけ同じ消費者手間条件を前提にする必要から
「手間類は手数料を払って販売店に委託するもの」
とする。
登録委託で1万円程度+納車整備とかで1万円ほどで、計2万円程度は取るだろう。
前のオーナーにリサイクル料を払い戻している可能性があるからそこで1万円ほど。
名変手続きの印紙代2000円ほど。
重量税は検査を切っていない(車検残)以上は新たには不要だが、
自賠は残期間分は車両本体ではなく「諸費用」として請求されるのが普通。
但し、新車の場合も結局ほぼ同じだけかかるので双方で控除することでここでは不問。
前の車の処分代はかかる場合も多かろう。
前車の名変や登録抹消の手数料と併せて検査残無し車(乗りつぶし前提)となれば
2~3万円要求されるだろうから
中をとって25000円程度。
都市部の場合、軽でも車庫証明要で代行1万円+証紙代2500円ほど。
田舎だと車庫証明が不要の代わりに概ね納車費用などで高めになるので
結局同じ程度になるだろう。
安くても7万円程度が10台の買い替え時に毎回かかるので70万円。
新車1台15年と15年超中古車10台乗り継ぎで
> 中古車で最も壊れやすいのはエアコン
とあるように、当然故障リクスは差があるので、なんとも言えないが
壊れたら修理せずにその時点で捨てるとして、
車両代金9万円+登録手数料7万円をもう一回余分に計上して16万円。
平均燃費が15年前軽で12km/l、新車を悪目に見て18km/lで
1.5倍の費用がかかる。
年間10000km、レギュラーで変動を見越しリッター150円として、
年42000円ほど余計にかかる。
15年で63万円の差。この差額だけ考慮(新車の方は燃料代を加算しない)。
更に自動車税は乗り換え時にはかからないが、
毎年必ず4/1時点で某かの13年超車を所有しているので
20%の割増分2100円の13年分(14,15年目は新車購入の場合も割増になるので13年分)の
27300円を加算。面倒なので3万で。
90万+70万+16万+63万+3万=242万円
一方、新車。
価格最優先の条件なので車種にこだわらないとする
アルトやミラの最廉価グレードの新車で。
わたしのアルトの場合、最低グレードだが四駆で総支払額90万円半ば。
普通にFFだと更に10万円安いので80万円台で諸費用込みで買える。
この90万円半ばには前車15年落ちのsmartの下取りも含むので
丁度この過程条件にマッチする。
しかし
取得税、初回重量税免税は新車選択の当然のメリットとして計算に入れていいとして
値引きは時期や個人の交渉能力の差があることから
そのままではインチキだという反論も考え、
数万円ほど条件緩和してキリのいいところで100万円で。
また、
本当は新車時の価格からも上で控除した自賠分を引かなければいけないのだが
そこもあえて中古側に有利なように、
上の数万円上乗せに加え合計10万円程の払いをわたしの実例に加算して、
諸経費込み新車購入総支払い額を100万円とする。
車検が3, 5, 7, 9, 11, 13年目に。
それぞれ2年有効で
自賠責24ヶ月27000円ほどだが、上述のように相殺で不計上。
重量税24ヶ月5000円(取得時に免税の車種の場合)
印紙代2000円
車検整備工賃に25000円程度
代行手数料1万円
安く見て42000円、6回分で252000円。面倒なので26万円。
中古は乗り捨てなのでオイル交換は一切しないとするが、
こちらの新車はその個体を維持する前提なので計上する。
年間走行10000kmで年に2回のオイル交換と1回のフィルター交換、
オイルが3000円、フィルター1000円、工賃2000円として
3000×2+1000+2000×2=11000円
15年で165000円。
タイヤも5年に1度交換するとする。145SR13の国産エコタイヤ1本4000円程度、
バランスなど工賃2000円で18000×2回(5年目、10年目)=36000円
バッテリも同じタイミングで替える。8000円×2=16000円
この3点で165000+36000+16000=217000円。面倒なので22万円で。
他にATオイルの交換とか挙げているとまだ無くはないが、
中古車の方も1年半入れっぱのオイルとフィルタで済ますとしても
シリンダ摩耗などで起こるオイルの減り対策の
継ぎ足し分などもあるだろうし、一部相殺ということで。
それでも、新車の方はまだブレーキパッドとかその他油脂類、ベルト類など含め
車検時に消耗品交換を行う費用として、22万の倍を見込んでおいて44万円とする。
1回平均37000円加え、
実際の自賠責も入れての車検代額で11万円程度を想定することになるが、
その面からも増加分37000×6回の車検で約22万円計上は妥当な線だと思う。
自動車税、燃料代は前述の通り、相殺して控除済み。
100万+26万+44万=170万円。
この仮定で15年経費(一部相殺で双方で未計上だが)、
中古車242万円に対し新車170万円。
新車の安いのを買ったほうが全然得じゃん(嘲)。
勿論、不確定要素はある。
燃料費を単価150円としているが、
最近の120円前後が延々と続けば差額が50万円程度まで圧縮されるので
242万円が229万円程度まで減る。
逆に、故障リクスを16万円加算しているが、こんなことで済むかというと謎。
任意保険でレッカー代が出る距離範囲を越えて故障したとかいう場合
牽引して最寄りの修理工場に入れた場合に費用はかかる。
一方新車は最低限の走行機能に関しては10年10万キロリスクゼロで保証修理。
各地にある新車ディーラーが一時預かりなどでも機転を効かせてくれるし、
積車を出してくれるディーラーも期待できるなどのプライスレス価値もある。
中古車の車輌を9万としたが、そこも0~10万の中をとって5万円とすれば
229万円から更に40万円引いて189万円。
ここまでしてやっと新車に近づいたなあって程度である。
(まだ約20万円ほど中古車乗り継ぎのほうが高い)
てか、平均5万円車の故障リスクは仮算定の16万円では済まないのではないか?
結局トラブル代償はもっと払うことになるような気がする。
10~20万円程度の幅では誤差変動は十分に予測できるが、
誤差幅に新車の圧倒的優位の差をひっくりかえす程の期待値はないのではないか?
なんか計上し忘れている要素があれば指摘して戴ければいいが、
「あくまでも総経費で損得勘定を行えば」
10万円までの中古車を乗りつぶして代替してゆく方法が
「大丈夫」
などとはまず言うことなんて出来ない。
この記者は、そういう「得だ」という具体的な算定根拠を示しもせずに
「大丈夫」だとかいう主義の披露をしているに過ぎない
なんの参考にもならんクズ記事作者でしかない。
わたしの付け焼き刃的な仮算定にも穴はあるだろうし、
「大丈夫」が絶対に嘘だとまで断定するものではないが、
要は
「まずは客観的な根拠を示せ」
ということだ。
#20万円、30万円の例にまで指摘を書いていられないので
#残りはこの記事の対象外。10万円車の件にのみ限定する。
因みに、100万円する中古車を選ぶのには
この記者が語るようなものとは全く別次元の意味がある。
その車種でないといけない、という好みがあれば、
その好みの車種はその時価の価格帯でしか買えないからね。
その車種でないといけない場合は、
その車種が絶版であれば新車との比較も成り立たない。
だから、車種や装備に価値を見出すなら、
この高野の記事でもわたしの反論でもない領域の話になる。
10万円以内の車にも同様の条件は成り立つ。
15年で乗り捨てで10台も乗り継げば、望む車種かどうかはさておき
最大で10種類の違う車を楽しめる。
検査を受けて乗り続けると、ここまでのバリエーションは無理。
そこが主たる価値だということがしっかり抑えられていればokだが、
その場合は損得ではなく車種そのものの選択肢や選択方法の
実情説明にならなければ記事の実用価値がない。
この記事では、あくまでも「損得」における内容にしかなっていない。
だから結局、
コスト評価が第一に挙がるこの記事のカバーする範囲の話となるので、
わたしの反論を最初から発生させないだけの根拠の提示が
全く与えられていないこのような記事は
妄想に過ぎない、ということだよ(嗤)。
こんなのに原稿料払っている(のだろう)SPA!はなんてお人よしなんだ(笑)。
---オフラインでの反意コメントに対して付けた自己フォロー部---
えー、
「なんで15年で比較すんねん!
もっと短期間なら買い替えのほうが得になるや無いか!」
という反論。
苦笑レベルですな。
なんでまだ10年では実質残価の高いままの新車を
10年で捨てる前提にして比較せんとあかんねん?(嘲)
一般化するためには継続の中での15年区間を切り出したものであるのが
自然で、15年で比較した理由は次の5つ。
1)単純に残り車検1.5年設定で比較するときに10倍して15年だと比較しやすいから。
あまり本質的な理由ではないが、計算の便宜を図ったという面もまずは認めておく。
2)元記事筆者が書いているように
イマドキの車は15年落ちで中古市場を形成できるということは
新車を15年乗り続けることに否定的な理由が全くみつからないため。
ていうか、本来はもう1.5年に新旧同じ価値評価で揃う期間を乗り続けたとして
比較してもいいくらいである。
3)新車に新車を選択する優位性を見いだせるのは
比較する相手の連続代替車両群と比べて平均車齢で若い必要があるため。
つまり、元記事で概ね15年を越えた車を10万円市場の車と前提しているので、
新車を15年まで乗るのは平均的に10万円中古車より故障リスクでは上回っていると
言えるため。
4)税制などの認める老朽車の枠組みは13年超であり、
13年を境に前時代的価値を分離していると考えられる。
この点だけを見れば2)の理由とは逆に短く厳密には13年で区切るのが好ましいが
13年試算でも15年試算でも新車の優位性が言えてしまうため
上記3理由を踏まえてこの点も15年の中に織り込んで考えた。
5)総走行距離の面からも年間1万キロ走行を前提として
15万キロは車のトラブルのバスタブ曲線が尻上がってくるギリの辺りと考えるから。
これは根拠的には薄い。客観資料はないので強い理由にはならないが
ネットや雑誌の中古車情報を見て、現在の市場でも15~20万キロが
上限のように感じられるため、その辺が故障頻発の限界ではないかと類推。
新車に担わせる使用期間として15年15万キロは妥当ではないかと考えたため。
#あと、この新車は15年後の次の新車買い換えの際に
「使い捨て市場」に1回まわされて16~17万キロ走って壊れて寿命を終える、的な。
例えば10年で比較した場合に、
一旦10万円の車の使い捨て方式を始めると、10年経過した後には
車を所有することがないのなら10年で比較すればいい。
つまり、新車を必ず10年で放棄しなければいけない条件でもあれば
10年で比較する必要がある。
しかし、上述のことから、継続して乗り続ける比較では
新車を15年乗り続けることを全く否定できる理由もなく、
比較である以上は乗り続けと代替という両方の端的な典型同士を比べるのは
極めて自然な比較の条件設定である。