2020年12月11日
他所で他者記事につけたコメントの再編転載。
水素燃料電池車に関する話。
二酸化炭素排出量なのだが、、、
推進派は将来を前提にしているので
現状を引き合いに出しても
「開発途上技術」
であることを理由に言い逃れられるのだが、
現状では1ノルマル立法メートルの水素(分子)を生成するに
炭化水素改質系のプロセスでは1kg前後のCO2が出る。
旧型ミライ(トヨタ)の場合、水素1kgの燃費が120km前後で、
ノルマル条件ではないのだが
常温常圧の場合、水素の比重約0.09g/Lから
1kgは11〜12立法メートルになることを加えて考えれば、
1立法メートルあたりで10km程の走行が可能と見られる。
ガソリンが1Lで2.3kgのCO2排出で約20km走るとすると…
2立法メートルの水素で同程度として
それを生成する際には2kg程のCO2が排出される…
というのが現状だと思われ。
ガソリン(軽質ナフサ)の生成時に
更にどれだけCO2を出しているのかの手持ちデータがないが、
燃焼時だけを見て2.3kgに対して2kg…
確かに減ってはいるんだけど…
…まあ頑張ってくれって感じね(大笑)。
因みに生成コストも似たりよったりで
水素1立法メートル約40円ほど
(同上で炭化水素改質系のプロセスの場合)。
2立法メートルなら80円で
ナフサには燃料税込みで現状130円程だから…
…まあ頑張ってくれって感じね(再笑)。
一応、推進派がよく使うビジョンでは
再生可能エネ(風力や太陽光)で
電気分解系のプロセスを挙げてくるのだが、
CO2排出量こそほぼ0
(発電施設建設のCO2とかは言い出さないで)
に出来ても、
生成コストは倍以上(2立法メートルで160円とか200円とか)に
跳ね上がる。
-*-
検討や開発を「やるな」と言っているわけではないぞ。
水素を理想の中心に掲げた絵を描くことも
行動の一手段としては使えるものであることも否定しない。
現状の課題に解決をもたらして
理想を実現しようと志向することは必要で重要なことだし、
遺伝的アルゴリズムの観点から試行の多様は寧ろ歓迎だ。
ただ、それが失敗枝でもありえる前提から
都合よく目を逸らすことがバカなわけね。
やればいいけど、「それ有りき」で語る脳が出てくるから
物事が本末転倒に走るわけ。
立場、プライド、自己保身って要素が主従逆転を果たし、
「(その枝が)正しかった」といい続けたいがため
手段が目的に代わる。
-*-
トヨタとかその他推進派がインチキだと思うのは
燃費を語る際には重量(kg)で語って、
一般に製造プロセス系で用いられる
ノルマル立法メートルや常温常圧体積で語らない、
或いは換算値を添えないことね。
単位を違えてしまえば大衆には直感性を与えずに済む、的な?
その辺「汚いなあ」と常日頃感じるわ。
--- 自己フォローコメント ---
ん?CCS?
個々の車に回収装置を搭載するには障壁が高いが
プラントで集中的に運用するならって?
まずな、CCSって正直、実用になってないやん。
排出ガス内のCO2の回収率の頭打ちもさることながら、
集中回収を企むからこそ
量が膨大になることが重篤な問題になるわけで
一時的にでも貯めておく方法に困ってるやん。
辛うじてビジネスに組み込まれているのは
資源国・産油国だったりするわけで、
とりあえず圧縮して体積を抑えた高圧CO2を
掘削などで地中に圧力をかける媒質に沢山使ってくれる
そういう特殊用途がある土地柄の場合、くらい?
正直、これって何の処理にも解決にもなってなくて
臭いものを隠すだけの「問題の先送り」に過ぎない。
出るもんは出るんやって、
原材料に炭素が含まれている限りは。
CO2を炭素と酸素に分解して(から別の有機化合物として固定する)
、、、という光合成のようなプロセスを経ない限り
結局は二酸化炭素を「見えないように隠」してるだけ。
或いは主記事に書いたように
そもそも炭素を含まない原材料(主記事では水)から
水素を作る(主記事では電気分解)プロセスが
コストリーズナブルにならん限りは、ね。
Posted at 2020/12/11 20:59:15 | |
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