FB起稿記事の転載。
元記事は昨日のもの(=だから内容ネタも昨日のこと)。
あ、元記事には書かなかったけど
「MTだから」はわたしより上の世代が臨んでいる
ヨボヨボ運転者の誤走行操作の抑制価値はあるよね。
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二代目N-ONEのMT試乗車に乗ってみた。
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実は初代はあまり良く知らない。
初代が出たばかりで
ホンダが「走りの…」みたいなイメージを打ち出していた頃に
試乗したことがあるのと、
鈴鹿サーキットでワンメイク出場ドライバの体験ドライブで
横乗りしたくらいで、
それ以外は縁のない車種だった。
てのはその最初の試乗で
ダメ車種印象を得てしまったからである。
当時、ほとんどの販社が用意していた試乗車が
NAエンジン車だったのだが、
他社ハイトワゴン系(スーパーハイトではないワゴンRクラス)と
大差のない鈍いフットワーク。
メーカーがTVCMでしきりに「走り」と吹聴している割に?
※しかもシートはベンチシートで肩だけでもなく腰も左右にブレる。
実際に販社の営業に
「え?こんなので『走り』とか言ってるの?」
と言うと、それはターボ車に乗らないと、と言う。
ならなんでこぞってNAだけで
ターボ車の試乗車を用意せんのか?
メーカーもウリならメーカー負担のデモ車を出せば?
で、あちこち探して
ターボ車を試乗にだしている販売店を探して出向いたが、
スピンアップこそ早いけど逆にすぐに頭打ちするタービンが
変なトルク偏り特性を出していて超使いづらいエンジンに
(低中域こそ盛ってるけど高域で急峻に下がる、
ターボ車こそ「走り」というより「市中走行生活実用性」重視)
がっくりしたことを覚えている。
他にドアの開きが90度で使いやすいとかのウリもあったり
それはそれで便利だとは思うのだが、
逆にメーカーが意気揚々と「走り」を謳うのとのギャップが
異様に感じさせられる焦点のボケた車種だと思ったなあ。
メーカーもまもなくムリに気づいたのだろう、
初代は嘘のように「走り」を口にしなくなって
「高級感」や「中庸性」をウリにする方向に転換していった。
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新型も「高級」路線なんだろうなあ。

正直、わたしが普段乗っているHA36Sアルトと比べて
格段に静かだと思う。
防音材などに凝ったものを奢っているだけでなく
音源となる各駆動部が
元々メカニカルノイズを出しにくい設計もあるような気もする。
ターボエンジンも旧型のように
中低域だけで高域がストンと落ちるような感覚はなく、
フラット感満点であった。
もはや過給器つきとかで区別する必要がないよね。
インパネから生やしたMTスティックの設置位置に関して

担当してくれた営業さんに依ると
やはり不満点に挙げる客が多いらしいが
わたし的には操作性的にも悪くないと思う。
もう少しだけ台座の位置が下がったら、
或いはもう少しだけ台座の角度が水平側に寝たら
(つまりシフトスティックがもうすこしだけ直立に近づいたら)
横から握るタイプの掴み方をする場合には良かろうな、
とは思うが、
「不満」という程でもない。
やはり「思い込み」で
センターコンソールから生えているシフトスティックを
夢見る層が多いからなんだろうけどな。
概ね「優等生」な仕様に仕上がっているのではないか?
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ただね、やはり「『優等生』なだけ」で
「MTだから」が本当にウリ/推しになるのかな?って疑問がね。
上述のように
谷間も急峻なカットオフもない使いやすいエンジンだが
これは「それならCVTでもいいじゃん?」って範疇。
特に気になったと言うか違和感に残ったのは
クラッチも間に電線伝達が噛んでいるんじゃないのか?ってこと。
例えば故意に「カッツン」とつないでもあまりそうならない、
なんらかのソフトウェアで緩衝制御が入っていないか?と、
僅かではあってもビミョーに気持ち悪いクラッチなんだ。
反発力は重くもないし、逆に軽過ぎもない
やはり普段使い用も含めていい感じなんだけど。
まあ、ヘタクソな運転でも上手くなった気分には浸れそう?
あ?ホンダ的には66のアジャイルハンドルと同じ発想か(嗤)。
ドライバの技能向上なんて二の次で
黙ってホンダの理想に従っておけばいいんだ、的な
「釈迦の手のひらの孫悟空」関係の一環かもね。
昨今の低フリクションエンジンだから
エンブレも想像しているほど効かないし、
そういう根本的な面でも
「MTらしい反応」というか手応えに欠けるし、
これでは流体継手のロスやベルトスリップ、
オイルポンプロスなど噛んでいても大差ないんじゃ?と。
逆に今回はCVT車の試乗車には乗っていないのでナントモなんだが
車重の重さやトルクやパワーの限界から
ホット性を期待するような車ではないのなら
むしろ、MTにこそ4WDを持ってきて
幅のある走りが出来たらいいのに、と思うのだが、
よりにもよってRSのMTはFFしか選べない。
この素で199万円もの値付けがされているお高い軽で
何を狙っているんだかよく分からんなあ、という感じがした。
まあわたしがわからんだけで
そういうニッチユーザ層が居るんだ、と
ホンダは自信をもってるんだろうかね。
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細かいところでは、
やはりアップ時の3速と5速の間違いが起こりやすかったこと
(ダウン時の4速と2速で間違うことはないから深刻じゃないけど)、
あまりにもタコメーターの視認性が悪くて
あれではついてる意味がないなあと思うことなどもあった。
※旧型もメーターはとかく見づらかった(苦笑)。
MT車であることとは無関係だが
相変わらず軽四にはどうして
喩え手動でもルームミラーに防眩機能を装備しないのか?も
高級志向のパッケージングとお値段であるから故に
「なんでこういうところは?」
という違和感。
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試乗コースが幹線道はおろか地域内主要道部分も少ない
市道/府道からなるものだったので
足回りとかは論じられる程の元がなくて
基本的には手に触る部分の操作や
路面環境にはあまり影響されない
エンジンフィールとかだけに留まるので、
これを以てどうこう断ずるものではないのだけど、
「MTです」
ってのが先走りしている感じが正直否めなかった。
何が悪いってところがあるわけじゃないんだけど…
アルトワークスのMTの5速が
「うわ!なんでここだけやたら燃費稼ぎのようなことするん?」
ってその1速だけちょいレンジの上に飛んだ
環境媚売りのような目立って変なところこそないのだが、
ワークスは5速にさえ目を瞑れば軽さも相まって
明らかに他と違う得意ドメインが伝わるところがある。
皮肉に見ればまさに
66用に作ったMTケースの開発費や金型代をペイしたいから
N-VANにつづきN-ONEにも載せました、的な感じ。
似たような値段なら(RSに差額23100円を加えて)
RSでなくてプレミアムツアラーの4WD(CVT車)の方が
色々面白く走れるんじゃないかな?ってのが
今のところのわたしの想像。