今季ラスト、
リーグワンファイナルに
行ってきました。
今年は何度か会場に行きましたが、前半で大差がついたり大雨だったりと、
試合内容、観戦環境ともに悪すぎたのですが、
ファイナルの試合はわりと接戦になり、いいプレーも見られました。
結果はスピアーズが先制パンチを食らわせたもののの、
次第に攻撃力のあるスティーラーズペースに。
中でも、スティーラーズの李選手のキックが冴え渡りました。
2023年ワールドカップから続く、
日本代表10番として期待と成長を十分感じさせてくれました。
前半は同点で折り返し。
後半リードされたスピアーズは、
あとワントライ+コンバージョンで逆転のところまで迫るものの、
そこからミスが出て攻撃を進めることができずTOの連続。
勝負どころでのスティーラーズのスクラムの強さも光りました。
最後が李選手がダメ押しのペナルティゴールを決めて万事休す。
コベルコ神戸スティーラーズがリーグワン初制覇を決めました。
MVPはブロディ・レタリック。
今季FWとしてトライ王も獲得。
2m超えの突進力はこの日もずば抜けていました。
ベストHCに輝いたデイブ・レニーは今後オールブラックスHCに。
オールブラックスを顔でもあるこの人の存在も大きかった。

新人賞はもちろん上ノ坊選手。
今後の代表入り、そして矢崎選手とのFBポジション争いも楽しみ。
久しぶりの神戸製鋼の復権で終わったリーグワン。
これからポストシーズンに向かいますが、
今、話題というか問題になっているのが
来季の選手登録のカテゴリー変更です。
今まで日本の大学などに留学したり代表として活躍した帰化選手が
出場制限される可能性があります。
来季実施予定の以下の規定です。
➀所属協会主義に基づく制度を維持する中で、
➁国籍に関わらず、次のいずれかに該当する選手を追加カテゴリ(A-1)として設定する
ⅰ)日本の義務教育期間(9年間)のうち、6年以上日本に在住した者
ⅱ)日本出生
ⅲ)両親・祖父母のうち1名が日本出生
➂上記以外で、他協会の代表歴がなく、日本協会における48カ月以上の継続登録がある選手等を、カテゴリA-2とする(カテゴリAの内、A-1以外の選手)。
なお、A-2の要件を満たす選手のうち、日本代表キャップを30以上持つ選手は、A-1に分類する
④現在のカテゴリ制度の中で、カテゴリA-1に、試合エントリー14名以上、同時出場8名以上の枠を課す
ONE TEAMの主力だったレメキやティモシー・ラファエロなど、
日本代表として勝利に貢献した選手らがA-1からA-2に該当し、
帰化しても日本人と別の区分になることから声明を打ち出しています。

※
ラファエレ・ティモシー選手のXより
ここで問題なのは、
ラグビーは60か月(5年)の在籍によって
国籍に関係なく、活動している国の代表選出が可能になります。
ところが義務教育期間の在住期間をルール化すると、
高校から留学する選手は外れてしまいます。
日本代表のスケジュールは
春に2〜3試合、秋に壮行試合1試合、プラス海外で2〜3試合。
リーグは秋の代表活動以降の12月開幕で5月終わり。
パシフィックネーションズやテストマッチでは
本代表ではないXV(若手主体)として戦う場合も多く、

年間7試合程度しか行わない中での代表CAP数30試合となると、
ほぼ伝説の選手ぐらいしかいなくなります。
今回のカテゴリーの変更理由は、
ホームグロウン制度としてチームの下部組織で日本人選手を育成し、
彼らの出場機会を増やし、競技人口を増やす目的ですが、
15人必要な競技で競技人口も少なくプレーヤーは減る一方で、
選手層を考えるのと、チーム競技として成り立つのかが先に立ちます。
ホームグロウン制度はヨーロッパサッカークラブから始まった制度ですが、
もともと選手を育てて売って設けるというビジネスが根本にあります。
だからサッカーは小学生でも有名クラブと契約できる社会です。
それよりも、Jリーグはジュニア世代は8人制を採用して、
スペースを広く使いながら、
個人がボールを持ってドリブル等のテクニックや創造性などを
高める環境を作っています。
一方で、ボディコンタクトのあるスポーツは
高校卒業後の大学の4年間の間に
プロとしての体とスキルを身に着けたものがプロの道が開かれます。
例えばNBAだと高卒でドラフトされた選手は10人いません。
その内の一人がレブロン・ジェームスですが、
彼の場合、高校から自分も知ってるくらい有名でした(笑)
身長が2mあってこんな動きができる高校生は世界的にも…。
小学生でもプロとして契約できるサッカーに対し、
アメリカのスポーツは義務教育を経た上で
大学なりでプロへの選択肢が開かれる世界。
日本もそれに近い形で学校教育の中でスポーツが育ってきました。
ちなみに野球の場合は、マイナー(2軍や育成)がプロ組織として
しっかりしているので、高卒でも活躍できる場合がありますが、
MLBでも高卒選手は稀です。
昔、ヤクルト・スワローズに入団した故ボブ・ホーナーが
高卒でドラフト全体1位指名されたことで有名でしたが、

野球でも高校生と大学生、プロ選手では体の作りがまったく違い、

20歳前後の体づくりと、プロへのスキル、テクニックなどを
身につけてからが勝負となります。
日本のラグビーは早慶明の大学ブランド人気の上に発展した経緯があり、
今でもそれを重要視している節があります。
ラグビー部がある高校が少なく部活動そのものが衰退している中、
プロクラブのユースクラブに対して既存の高校や大学の部活を
どういう位置づけにしたいのかも不明。
プロに徹しきれないリーグが出場規定を変えたところで…。
プロ、アマチュアを含めた今後の制度設計を示せない時点で、
日本のラグビー業界に対して疑問符をつけざるを得ません。
そもそも協会とか連盟はお役所みたいなところで、
企業&学閥、クラブ閥、縦割り、天下り、出向社員…。
新しいことができない上に、リーグワンが協会内の組織で
リーグとして独立性がなく発展性を考える組織ではないということ。
リーグワンのクラブを見ても、

12クラブの内、ホンダヒートは来季から宇都宮が本拠地移転します。
関東以外は、神戸、静岡、トヨタ(豊田)だけで、
この中で企業名を外したチーム名で活動しているのは静岡と浦安のみ。
D2,D3まで含めると、26チーム中、15チームが関東。
大阪2、広島2,福岡2、愛知2。
さらにこれから始まるプレーオフはすべて東京開催。

各クラブの努力もあって観客の方は少しずつ増えてはいますが、
リーグとしての可能性は極めて厳しいと言わざるを得ないです。
また、バスケ界隈が先陣を切って国策となったアリーナ・スタジアム改革。

かつての昭和の体育館・運動場・競技場の施設設備では
今の時代に合った快適な観戦環境を提供するのは絶対に無理です。
ちなみにジュビスタ。見やすさを考えて上の方を取ったのですが、
座ると前に滑り落ちていくような椅子(笑)。

音響設備も未だこんな感じ。この日は風が強くて言葉も聞き取れず。
アリーナは複合施設としてコンサートやイベントにも利用されていますが、
Jリーグでさえスタジアム改革が進まない中、
ラグビーはそれすら口にできない状況です。
芝生の管理の問題もあり、サッカーとの共有もしづらい状況。
秩父宮ラグビー場はまもなく建て替えに入りますが、
2035年のラグビーワールドカップ招致で
そこでスタジアム整備をと考えているのかもしれません。
とはいえ、自分でさえ冬の雨の屋根なしスタジアムの観戦は、
チケットを持っていてもわざわざ行く必要なしと思えます。
興行的側面に加え、クラブ運営面でも
ラグビーは今後かなり厳しいと言わざるを得ず、
それを象徴するかのようにワールドカップで活躍したスターが
来季はごそっと日本からいなくなります。
今後、ラグビー界はどうしていきたいのか!?
そのビジョンを示すことなくここまで来てしまいました。
選手登録のカテゴリー変更だけでは悪手の一手で、
それにともなうサラリーキャップやユースクラブ、
大学の改革などすべてにおいての制度設計のやり直しがないと、
ただ選手のプレー環境を奪うだけのものになってしまいそうです。
この先リーグワンに将来性があるかといえば、ないと思います。
Jリーグ以前のサッカー、Bリーグ以前のバスケが
協会、企業、人材、体質… どんな状況だったかもわかりますし(笑)
あくまで個人的な意見ですが、
一旦、全チームを社会人地域リーグにして夏シーズンに戦う。
大学卒の肩書、就職先としては優良企業。
選手寿命やケガの保証という面でもラグビーには有利に働き、
競技人口を再び増やすには向いている気がします。
とはいえ安定した環境でサラリーマン選手だけでは、
日本のラグビーの将来はないので、
社会人チームから選抜した選手で構成した6チーム程度で冬シーズン戦う。
そのぐらいの大改革をしないと、
選手の意識も、代表強化も中途半端になっていきそうな感じです。
通常のスポーツではそんな考えはまったく起きませんが、
ことラグビーという競技の特殊性もあります。
アマチュアリズムの強かったことがあり、
代表活動がリーグよりも優先されており、
中でも欧州5カ国、南半球の3カ国の力が突出。
基本はイギリス圏のみにプラスしてスポーツ大国のフランスです。
あとはオセアニアのトンガ、フィジーなど。
アジアでは元イギリス圏の香港ではセブンズがさかんですが、
すべての競技でライバルとなる韓国ですら競技人口1200人程度。
バスケやサッカーでは韓国だけでなく、中国、タイなど
アジアの選手がBやJにきていますが、
ラグビーではアジアからの選手の供給自体が難しい環境です。
逆に具選手は韓国からレベルアップを目指して日本で活躍。
桜のジャージを着ている選手もいるぐらい。
現状の少子化を考えると、学校のラグビー部の存在がなくなり、
高校ラグビー大会が成立しないレベルまで来そうです。
もう1点、
15人制よりも7人制の方が日本人には適正があり、
オリンピック競技として男女ともに普及が見込めるので
そちらから競技人口を増やして
フィジーのようなパスワーク、突破力、タックルなど
個々の能力をセブンズを通して根本から底上げをすべきとも思います。
試合時間も短く、多くの試合が2日間のトーナメントで完結します。
社会人や大学混成で賞金オープントーナメントの開催もできます。
バスケの3✕3に近いビジネスモデルが確立できる可能性があります。
すでに女子の方は着実にセブンズの力が伸びてきていて、
大会でディビジョン1残留を決めました。
北九州で行われた女子セブンズ大会は2度とも行きましたが、
オリンピックを経るごとに女子選手の層の厚み、
強化が進んでいると感じます。
一方でサイズの大きいFW人材をどう育てるか!?
それこそ、アメフトや相撲、レスリング、バスケ、バレー、ハンドボール
など他競技とコラボしたりスカウトしながら増やしていく。
そのぐらいしないと、この先、アメフトにも抜かれる可能性があります。

NBA選手がそうであるように、
NFL選手のサラリーの大きさは桁違いですから。
トップリーグからリーグワンになって5年。
プロリーグとして明確なビジョンも方向性も定まらず。
それでも、クラブが地域密着を打ち出しながら
有料入場のファンが増えてきたのは救いです。
そういう中で、選手登録のカテゴリー変更。
かつてバスケもオンザコートワンなど日本人が出られるように、
いろいろ工夫してきましたが、それで世界で戦えたかといえば…(笑)。
ちなみに
来季のBリーグは
オンザコートフリーとなります。
外国籍やアジア枠・帰化枠が主軸になる中で、
日本人選手はより厳しい環境になると思いますが、
逆に存在感を高めることもできます。
優勝には日本人選手がどうゲームを作りまとめていくかがなければ、
チームはただバラバラになっていくだけです。
スポーツの世界では勘違いの日本人ファーストは国を強くするどころか
世界の舞台に出て使えない人間ばかりを生み出すのが常。
多くの外国人選手を受け入れて、ONE TEAMで戦ってきた日本のラグビー、
今の代表HCの決め方などを見ても、組織としての後退感は否めません。