昨年秋にスタートしたBリーグが
シーズン大詰めを迎えています。
バスケに限らず、冬スポーツ(秋〜春)の本番は、
5月から6月にかけてが最高の見どころです。
どんなスポーツもそうですが、
開幕時よりはシーズン終盤の方が圧倒的におもしろい。
シーズン当初とシーズン終盤では、
チームの完成度、戦術の熟成度がまったく違うからです。
おもしろい試合を見たい!
なら、ポストシーズンに向かうチームの戦いを見ると、
よりスポーツの楽しさがわかります。
BリーグはB3、B2が終わり、B1もGWでレギュラーシーズン終了。
ここからのポストシーズンからが、ある意味戦いの本番です。
ちなみにB3は昇格をかけて、
福井ブローウィンズvs徳島ガンバロウズ、
香川ファイブアローズvs鹿児島レブナイズ
がこれから戦います。
今やB3でも3000人規模で集めるので、バスケ人気は本物です。
バスケはチームもリーグも新しいので、
昔から見ていた人がマウントを取るようなことはありません(笑)。
なんの知識がなくても、応援するチームがなくても、
行ってみれば地域の娯楽としてどれだけ優れているかわかります。
B3に続いて、
B2は
今年B2に昇格したばかりの、
ベルテックス静岡がプレーオフ進出!
チーム創設が2018年。
実業団からのスタートではなく、
まったくゼロに近い形で始まったクラブです。
サッカーですら過剰にクラブがある
静岡でバスケ、大丈夫なの?
3年後ぐらいには
資金がショートしてクラブがなくなったりしない?
プロスポーツにありがちなネガティブな予想もしつつ、
一挙手一投足を見続けてきました。
ベルテックス静岡が幸運だったのは、
Jリーグのクラブが複数あったおかげで、
地元のクラブを応援したい!
という熱意が他の地域に比べて高いのです。
シーズン最初からできたてホヤホヤのクラブにありがちな、
ぶっちぎりで最下位を独走ということはなく、
弱いなりにたまには勝ち、順位もそこそこ。
下手は下手なりにおもしろい試合ができたこと。
バスケの試合のおもしろさに加え、
ベルテックス静岡に対する理解度がどんどん広がり、
行政やメディアからも一目置かれるようになりました。
Jリーグのクラブ、ラグビーのブルーレヴズ、
バレーボールなど、静岡県の行政が
スポーツクラブ全体を盛り上げて、
観光や賑いにつなげたいという意識も強く、
競技の枠を超えた地域連携もできていきました。
ファンの獲得、スポンサーの協力に加え、
ベルテックスには独自の外国人補強ラインがあり、
現在のHCはアルゼンチン人。Bリーグでは唯一の南米出身のHCです。
しかし、シーズン前はこのHCで大丈夫?と思っていました。
ちょっとエキセントリックなところがあり、
よく文句を言って大事なところでテクニカルファウルを受けるタイプ。
さらに選手も不安しかありませんでした。
ガードが多すぎるのです。
ただでさえガードが多かったのに、
そこに2名の選手をさらに獲得。
それに加えてまったく未知数の外国人2人。
開幕前時点では、インサイドの穴が生まれず、
これはB3逆戻りのパータンかと。
もし、今B3に戻ったら間違いなく沼にハマります。
今季からB3に降格した2チームは3位と10位と、
戦力を維持しても、ダントツで勝ち抜けるほど甘くはありません。
しかし、シーズンが始まってみると、
ガードの多すぎ問題が自然に解決。
ゲームごとにそれぞれのガードの個性が補完し合うチームに。
さらに外国人の2人は大当たりでした。
その一人がジョン・ハーラー選手。
まだ若いPF、Cですが、
しっかりとディフェンス、リバウンド、速攻をこなし、
得点も安定感があります。なによりも性格がいい。
チームのために体を張って献身的なプレーができる。
セルフィッシュな外国人選手一人のせいで
チームが崩壊する例も多いのですが、
ジョン・ハーラー選手は将来的にジョッシュ・ホーキンソン選手のように、日本代表に入るかも? そんな期待を抱かせる選手です。
もうひとりの外国人選手、TBはムラッ気があるけれど、
精度の高いシュートを放ち、高い得点力をキープし続けました。
B3降格どころか、もしかしたら上位も?
という試合を何度も続けていきました。
特にシーズン後半は、上位チームを喰うレベルまで成長。
昇格1年めでプレーオフ出場はある意味快挙で、
シーズン前からすればまったくの予想外でした。
ちなみに今、2026年のBリーグ革命に合わせて
B3ですら勝ち抜きが厳しい状況になっています。
長崎ヴェルカのパータンで、
地元の大資本が付き最速でB1に上がり、
新スタジアムとアリーナを建設を担い、
街作りの中心にクラブが位置すること。
ベルテックス静岡は行政の後押しはあるものの、
今のBリーグは地場産業的がメインではなく、
県や国境も超えるボーダーレスな企業が主。
特にエンタメやITはクラブを軸にして、
老若男女の幅広いターゲット層に
アプローチできる体制を整えています。
その点、たくさんのチームがある静岡で後発のバスケチームは弱いです。
ホームアリーナの中央体育館は、
昭和の体育館そのものでエンタメ施設には不向きです。
今どき、スタジアムやアリーナは、
都市の観光産業の中心となり、
都市機能を兼ねた上で、
そこで雇用や需要を生むというのが常識です。
ベルテックス静岡は、
アリーナが具体化するまでB1昇格をぶちあげることなく、
来季のライセンス申請をB2という選択をしました。
クラブ自ら静岡のアリーナの必要性を結果を出して問うという、
強い意志の現れとも言えるでしょう。
ベルテックス静岡がB1にはいるためには、
まだまだ超えなければいけない壁がたくさんあります。
このプレーオフ進出はその一歩と言えるでしょう。
対戦相手はアルティーリ千葉。
ZOZOをバックに、千葉ジェッツを上回る勢いで、
チーム創設以来、人気を広めています。
本来なら長崎ヴェルカと同じレベルにいても
おかしくないのですが、
昨季B2プレーオフで敗れて、まだB2にいます。
今季の勝率は9割超え。
勝率5割にも満たないワイルドカード下位の
ベルテックス静岡からみたら、
勝ち目はほぼありません(笑)
が、やってみないとわからないのがスポーツ。
ベルテックス静岡は
昨季B2昇格をかけたプレーオフで、
昇格は無理と思っていたところ勝ち抜いてのB2昇格を果たしました。
来季のB1入りはありませんが、
ベルテックス静岡が勝ち抜くと、
B1からの降格組を阻止できるのです。
富山グラウジーズの降格ほぼ確定ですが、
もう1つの降格の可能性がある
茨城ロボッツと信州ブレイブウォリアーズ。
どちらも今年ホームで見ていて、どちらも落ちて欲しくないのです。
ベルテックス静岡がB2プレーオフで下剋上して2チームを救って欲しい!
B1からB2、B3まで、GWからが本当の戦いとなっていきます。
Posted at 2024/04/23 17:35:27 | |
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