
全米フィギュア女子シングルで、
ブラディー・テネル選手が優勝。
2位に両親が日本人の長洲未来選手、
3位はカレン・チェン選手。
そして4位には世界的な実績のある
アシュリー・ワグナー選手が入りました。
テネル選手は、これまでそれほど大きな実績はなく、
年齢的にも19歳と、競技年齢から言えば決して若いとは言えません。
今大会で全米女子王座、オリンピック出場の2つを手にし、
シンデレラ・ストーリーの主役に躍り出ました。
それにしてもテネル選手の優勝は、1年前なら考えられなかったこと。
これは日本の坂本花織選手の全日本2位も同様です。
もっと言えば、史上最高レベルの女王である
ロシアのメドベージェフ選手がケガをしたことによって、
さらに若いザキトワ選手が、
こんなに早くGPファイナル&ロシア女王の座に付くことも予想外でした。
ザキトワ選手や坂本選手のように、
10代中盤の若いアスリートが一気に勢力図を塗り替える一方で、
辛抱強く戦い続ける選手もいます。
テネル選手もその一人ですが、
同じ年齢で4年間全日本王者を守り続けた宮原知子選手。
練習さえままならないままケガからの復帰シーズン。
なんとか優勝で乗り切りました。
彼女にとっては初のオリンピック出場です。
8年前のバンクーバーオリンピック以降、
低迷気味だった長洲選手は、
トリプルアクセルに挑戦し続け、
トリプルアクセルとともに復活しました。
2人のがんばりは素晴らしいものがありますね。
残念ながら、アメリカ女子フィギュアの顔だったワグナー選手は、
平昌オリンピックは難しそうですが、今大会もまた力強い滑りを見せてくれました。
全米とは関係ありませんが、この選手のことを書かないわけにはいきません。
イタリアのカロリーナ・コストナー選手。

10代の頃のひ弱でボロボロになった演技を思い出すと、
すぐに引退してもおかしくないとさえ思っていましたが、
30歳となり、世界トップレベルの美しさを魅せるまでに成長。
今なお輝き続けています。
オリンピックからオリンピックまでの4年間。
女子のアスリートが勝負の世界に身を続けるのはとても困難なことです。
一般人で考えると、大学や高校を卒業してすぐ、
もう1度受験勉強から始めて卒業するくらいまでの時間です。
ただし、アスリートの世界は、大学院と違って就職先の保証もなく、
金メダルどころか、オリンピックに出る保証などどこにもありません。
ケガをして選手生命が断たれる可能性すらあります。
15歳くらから大学卒業ぐらいまでの間の4年間、
女子アスリートは男子以上にいろいろな問題に直面します。
体の変化、食事のコントロール、
恋愛や結婚のこと、将来のこと、もちろんお金もかかります。
様々な不安を抱えながら、見えないゴールを目指す。
そのモチベーションを持続させることが難しいんです。
優勝経験もあり、平昌代表候補の本命と見られていたグレイシー・ゴールド選手。
メンタルの問題で今大会に出場しませんでした。

ジュニア時代から注目されていたポリーナ・エドモンズ選手、
はSPは7位に付けながらフリーを棄権。
2〜3年ぐらい前は、この2人が平昌で活躍すると思っていた人も多いはずです。
改めて今回の全米フィギュア女子の結果を見ると、
4年という時間の重みを感じさせるものでした。
Posted at 2018/01/07 09:44:46 | |
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