♪君はロックなんか聴かない
と歌っていたのは、あいみょんだ。
ロック好きが、
♪君はロックなんか聴かないと思いながら…
と、好きな子にロックを聴かせて思いを伝えようとする曲。
どんどんマイナー化、クラシック化(高齢化)しているロックの現状。
女性がこんな風に歌うところに時代の進化を感じる(笑)。
とは言いつつ、
ロックで育った世代としては、
いまだロックの生みだす物語を追い求めて、
そしてまた誰かにそれを伝えたくなるわけで…。
映画「リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ」は、

古き悪しき最後のロックンローラーとして、
伝説を残し続けるリアム・ギャラガーのドキュメンタリー。
リアムとノエルのギャラガー兄弟が2009年のフランス公演直前に仲違いし、
そのままオアシスを解散してからのリアムの軌跡を追ったものだ。
もともとリアムのクズっぷりというか、
70年代あたりのロックスター的振る舞いは有名ではあったけれど、
いまやビートルズ解散時期のジョンとポールなんてものじゃないほど、
2人の不仲は行き着くところまで行っている。
映画は、曲のほぼすべてを書いていたノエルとの別れによって、
リアムはドスランプに陥る。
歌う歌もなく、離婚、ドラッグ、アルコール…。
さらにロックスター的ふるまいがメディアの集中砲火を浴びる。
昔のロックミュージシャンではよくある話ではあるけれど、
落ちるところまで落ちたリアムが、
やがて再生されていく様はとてもおもしろい。
リアムの復活を支えたのは新しい妻でありマネージャーも務める。
また、前妻との子どもたちもまたリアムの理解者となる。
ノエルではない兄。そして母。家族たちの支えがリアムの礎に。
ギターを片手に自分で曲を作るようになり、
再びトップアーティストとして最前線に戻ってくるまでを描く。
過去映像とインタビューをつなぎ合わせたスタイルで、
前半はとくに画面の切り替えが速く、
そのスピード感がリアムの生き様そのものとなっている。
後半はインタビューが中心で、
ようやくステージという本当の居場所を見つけたリアムの姿を映し出す。
このリアムの復活の物語はとても良く出来ていて、
一人の男の成長物語、家族愛の物語にもなっている。
だが、残念ながらこの映画を撮っている最中に、
ノエルとリアムが顔を合わせることはなく、仲違いは現在進行形だ。
映画の最後は、リアムのノエルに対する思いを見せて終わる。
とはいえ、誰もが願うのは2人が一緒にやることだろう。
オアシスの代表曲 LIVE FOREVERのサビにある
Maybe you're the same as me
We see things they'll never see
You and I are gonna live forever
You と I は、誰もがノエルとリアムのことだと思っている。
おそらく映画を撮ってる方も、
いつかオアシスの復活を期待して撮影をしていたように思う。
そりゃ誰だって2人が一緒にやる姿を再び見たいに決まってる。
武道館の天井に頭が付きそうな南2階スタンドの最後列の最悪な席でも、
十分すぎるほど歌が届いたオアシスはマジですごかった!
オアシスことビートルズの正統伝承者だ!
今でもそう思うぐらいだから。
「リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ」
Posted at 2020/11/24 02:51:40 | |
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