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見る前の期待どおり、
邦画では今年のNo.1映画だった。






ずっと見たかったけれどタイミングが合わず、
レンタル化されてようやく見られた
「アルプススタンドのはしの方」。




映画の舞台は、高校野球夏の予選が行われている地方球場。
応援スタンドのはしの方にいる、
無名の公立高校で、演劇部２人、成績はいいけど人見知りの帰宅部、
挫折した元野球部…、高校生活でなかなか光が当たらない４人。
そしてもう一人、応援席の真ん中で、吹部のエースにして、
野球のエースと付き合っている女子。
そんな５人が織りなす青春群像劇だ。

元野球部の男の子と吹部の子以外は、
野球に興味もなければルールすら知らない。
学校の義務で応援に参加しているだけで、
甲子園の常連校との対戦に
「応援してもしょうがない」と
いう気持ちでそこにいる。


高校のスポーツなんて、無駄に気持ちだけが熱い上、
夏の高校野球の応援スタンドなんて殺人的に暑い！
そこで自分に対して関係のない他人のための応援なんて…
そんな風に思っている人も実際は多いだろう。
　
でも、スタンドのはしの方にいる子たちは、
試合が進むにつれて、いつのまにか懸命に応援し始める。
決して野球の試合が盛り上がってというわけではない。
この映画に実は野球のプレーシーンが一切ない。　
それでも５人が我を忘れて熱くのめり込んでしまう理由。
それぞれにある青春物語が懐かしくも愛おしい。

ここ最近、バスケのBリーグやウインターカップで、
残り数秒で逆転というような、本当にいい試合を見る機会が多い。


そんな試合を見たときは、勝ち負けよりも、
ほんといい試合を見たな！という喜びの方が先に立つ。
「アルプススタンドのはしの方」を見終わった後、
それとまったく同じ気持ちになった。