最近、女子のプロレスラーがすごい!
最近というより
ずっとかもしれないけれど…。
ASUKA、

IYO、KAIRI

の3人は世界レベルで人気を博している。
仙台女子の里村明衣子はレジェンド級で、
それに続くべくジュリアがこの夏、NXTへ。
グラビアアイドルから
プロレス好きが講じてレスラーになった白川未奈は
AEWに進出するとメキメキ頭角を表して売り出し中。
東京女子の荒井優希は現役のSKE48。
バイトAKB出身の上谷沙弥はスターダムの看板選手。
今の日本の女子プロレスは、
乱立する団体から様々なスターが育っていて、
世界のマット界をリードする存在といっても過言ではない。
「極悪女王」は、ゆりやんレトリィバァ演じる松本香が
いかにダンプ松本になっていったか?を軸に、
日本の女子プロレスが変革を迎える時代の裏表を
すべて詰め込んだような作品で、
父親に虐待されてド貧乏だった少女時代。
ビューティーペアに憧れて、
苦しい生活から逃れるべくプロレスラーになることを決意。
「巨人の星」や「あしたのジョー」、
あるいは「タイガーマスク」の梶原一騎にも通ずる世界観に、
ダンプ松本の同期でありライバルでもある
長与千種、ライオネス飛鳥、大森ゆかり…。
彼女たちの本物になっていくまでの過程を
青春群像劇として描いている。
このドラマをより魅力的にさせているのが配役。
ゆりやんのダンプ松本の憑依ぶりが話題だけれど、
個人的にはリアルダンプさんがとてもいい人と
知っているので、ダンプ松本になる前のゆりやんの
乙女な心を残しているところがとてもいい。
そこからジョーカーのように豹変していて、
もはや誰も止められないダンプの暴走っぷり。
とてもスピード感があっていい。
長与千種を演じる唐田えりかと、

ライオネス飛鳥を演じる剛力彩芽が素晴らしい。
ともに女優として実力があるものの、
それ意外のことで評判を落としてしまい、
今回の役でどん底から這い上がろうとする感じは、
輝きたいと願い続けるプロレスラーと共通。
体づくりから始まり、技の受けまで
その思いがすべて演技に現れている。
3人以外の女優さんもすべての演技が力が入っていて、
当時を知っていれば知っているほど感心するしかない。
他にも昭和世代なら懐かしさしかない家や街のディティール、
時代性にこだわった作り込みも見どころになっている。
それにしてもプロレス映画はあまりハズレがない。
とくに女子プロレスが題材となると、
「カリフォルニア・ドールズ」にはじまって、
ドキュメントの「ガイアガールズ」も良かった。
今年の作品では「家出レスラー」。
そしてこの「極悪女王」。
それにしても映画にしてもドキュメントにしても、
プロレスを題材にすると必ずといっていいほど傑作になる。
その理由を考えてみると、
プロレスほど情熱過多で表現力が求められるものはない。
勝敗は事前に決まっていても試合はすべてアドリブ。
死ぬ可能性がある技の受たり掛けたりギリギリの攻防を繰り広げながら、
一方でファンたちを楽しませなければいけない。
見ている人を本気にさせるだけの熱量には
想像を超えたドラマが存在している。
特に「極悪女王」は世代的にもドンピシャで、
クラッシュ・ギャルズも極悪同盟も、物語自体はだいたい知っている。
それでもなお心を震わされる瞬間が詰まっているドラマだった。
Posted at 2024/09/23 00:32:39 | |
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