オリンピック・パラリンピックが
終わりました。
パラリンピック会場で金メダルをかけた戦いの後、
High Hopesが流れていました。
スタジアムソングの定番になっていますが、
パラリアスリートたちを讃えるには、より歌詞がマッチします。
東京2020オリンピック・パラリンピックは、
招致から考えると10年近い月日をかけて行われた大会でした。
残念ながらコロナ禍の影響で、
オリンピック・パラリンピックを通して伝えるべきメッセージが、
パラリンピックの閉会式だけに集約されちゃった感がありました。
国の政策としては、両大会を通して、都市のユニバーサルデザイン化、
心のバリアフリー化は、もっとも大きなものでした。
例えば、大会開催地となった駅でもこんな風に改修されています。

今大会で行われたユニバーサルデザインがモデルとなって全国へ波及していく。
パラリンピックは福祉の大会ではありませんが、
両大会は社会変革のきっかけであり、
しょうがい者や高齢者に優しい街づくりを
進めるための一歩ではあったわけです。
こうした取り組みのために、
縦割り官僚、民間企業が枠を超えて一緒に動く貴重な機会でした。
組織委員会は、官公庁・企業側も次世代を担うような出向組が多いですから、
こうした経験が交通の連携や物資の輸送など災害時などに大きく生きてきます。
もちろんオリンピック・パラリンピックがいい面ばかりとは思っていませんが…。
そんなことはともかく、
両大会とも10年以上強化された日本人選手たちの
パフォーマンスには目を見張るものがありました。
選手強化にはいくつかの側面がありますが、
1つめは各スポーツ団体が早い段階で英才教育に着手。
アカデミーなどの設立や海外試合の経験を積ませるなど、
若い内から世界で戦うメンタリティと技術を持っています。
また
TOTOのお金が各競技団体の強化・大会費用など
利用されています。

文科省参加からスポーツ庁として格上げされたことも大きいですね。
協会・連盟の体質の変化もあります。
いままでは企業の天下りみたいな人が多くて、
名誉職的な意味合いも多く、既存体制の維持が目的化していました。
それではダメだと、いろいろな人材が加わって来ています。
例えば日本フェンシング協会の会長は、百獣の王、
武井壮さんです。

日本バスケットボール協会会長は、元バレーボールの
三屋裕子さん。

他分野からの著名な人材登用によって、
お金が集めやすくなったり、違った選手強化のノウハウも入りやすくなります。
そしてJISSの存在。
JISSは国立科学スポーツセンターのこと。

世界大会前の身体検査や合宿、
本番同様の練習場やリハビリなど最新の設備、
またあらゆる側面からの科学研究と研究が
そのままフィードバックされていきます。
スポーツ科学は今後の社会に欠かせないもので、
単純に選手強化だけでなく、
脳科学・メンタリティ・栄養学・リハビリ等の検証結果が
あらゆる面で役に立っていきます。
パラリンピック・アスリートの驚くべき能力を見ても、
どれだけ可能性に満ちているかがわかります。
東京2020の大会のレガシーは人の想いの中に生きて、

それが何年かのちに発揮されます。
今回、無観客ではありましたが、
2019年ラグビーワールドカップ、
今大会を経て、また数年後に引き継がれていきます。
各競技での国際大会が各地で予定されていますが、
最大のものは2026年
愛知・名古屋アジア大会です。
日本でのアジア大会開催は1994年の広島大会以来。
2028年ロスオリンピック予選とは言わないまでも、
日本代表候補、メダリスト候補がある程度見えてくる大会です。
今大会話題になったスケボー、サーフィン、スポーツクライミング、
またパリ2024で採用されるブレイキンダンス、
その他、アジア大会はボウリング、
スカッシュ、セパタクロー、カバティもあります。
日本ではアジア大会を軽視しがちですが、
規模的にはオリンピックに次ぐ大会です。
2002年釜山のアジア大会で会場を回ったことがあるのですが、
今の釜山、中でもHQのあったベクスコ周辺の海南台を見ると、
その発展ぶりに衝撃を受けました。
スポーツの大会は都市計画とセットで企画されるのですが、
それにしても、最近、いろいろと話題の名古屋・愛知。
かつて名古屋はオリンピック招致でもやらかしてます…。
とはいえ愛知は日本でも有数のスポーツ県で、
会場やホスピタリティの環境は整っています。
使用会場を見ても、ほぼオリンピックレベル。
愛知だけでなく、静岡・岐阜なども入っています。
コロナ後の世界で、愛知・名古屋を
どう世界(アジア)にアピールするかの機会になります。
2022杭州 2026愛知・名古屋共同PR動画、なかなかよくできています。
愛知には国際空港もあるし、幻の名古屋オリンピックのリベンジなるか?
かなり注目しています。
その頃には県知事も市長もどうなっているかわかりませんが(笑)。
愛知・名古屋アジア大会は、
選手もホスピタリティ人材も中心となるのは今の10代から20代。
こうした大会は、スポーツだけではなく、
音楽やアート、パフォーマンスといった才能にとっても、
飛躍の場として機能していきます。
今回のオリンピック・パラリンピックであったように、
いい大人が次世代の足を引っ張り続けるのは勘弁して欲しい。
そう願うばかりです。
Posted at 2021/09/07 20:50:12 | |
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