パリオリンピックが終わりました。
日本勢は過去最多の金メダル数。
馬術や飛び込みなど、
メダルなど予想しえなかった競技での躍進。
とても素晴らしいことでした。
今回の日本勢の躍進の理由をいくつか考えてみると、
1つには東京2020が2021年に開催されたことがあります。
たった1年ですが、地元開催により資金像による強化の流れを切らず、
世代交代がとてもうまく行ったというのが実感です。
スポーツ選手の育成というのは約10年かかります。
メダリストの誕生→強化→次世代まで多少のライムラグがあります。
フィギュアスケートが典型で
1992年伊藤みどりさんがまさかの金メダルで、
幼少からの世界経験を積ませるための野辺山合宿開始。
第一期生の荒川静香さんや本田武史さんが
1998年長野五輪出場。
2006年トリノ五輪金メダル。
以降、女子、男子ともにメダリストを輩出。
20〜30年のスパンで考えないとダメですね。
他の理由は、スポーツくじの導入とJISSです。
スポーツくじの資金によって大会等にお金が行くようになり、

マイナーと言われていた競技でも、
試合経験を積む機会が増えたのは大きいです。
もともとスポーツは文科省の管轄でしたが、
スポーツ庁ができ、教育から独立して動けるようになりました。
国が胴元となってお金を集めるわけですから、
堂々とお金を使えるようになったのは大きいです。
「税金使ってくるくせに」などと
すぐに批判を言いたがる人いますから(笑)
そして、JISS(日本スポーツ科学センター)&NTCの存在です。
オリンピックと同じ仕様の設備で練習することが可能です。
設備1つとっても、本番と同じものを利用しないで練習したところで…

というのはありますから、いかに練習環境が重要かわかると思います。
以前は各協会や各連盟がそれぞれ合宿手配などをしていましたが、
NTCの機能も持ち、すべての五輪に関わる競技の練習環境に加えて、

映像機器や

トレーニングルーム
リハビリに関わる設備、ケガに関する知見もあります。
国際大会での試合経験、練習と強化の環境と施設、
それを可能にするお金があれば、ある程度、強くなっていける。
その成果が近年の日本のスポーツの向上の理由だと思っています。
ただ、チーム球技は身体能力の問題もあり、
すぐには強くはならないですけど、
バスケ、ハンドボールなど強豪国に対しても
ある程度やれるところまで来ています。
一方で結果を出せなかった競技もあります。
その代表が水泳。
なぜダメなのか?
某スイミングクラブの強化合宿所に行ったことがあるのですが、
そもそも水泳は、スイミングクラブ閥に加え、
クラブのコーチごとの指導体系もマチマチです。
また、2023年の世界水泳時にコーチ陣のもめごとがありましたし、
組織として行き詰まっているのかなと思います。
水泳選手自体、海外でも行かない限り、
プロの出口が極めて少ない上、
コーチはスイミングクラブや学校所属での
サラリーマンコーチが基本。
しかも、コーチが「選手は俺が作った」意識が強い上、
競技も4つの泳法と短中長距離とリレーがあり、
種目ごとの専門性に乏しいのでは? そ
水泳の動きやスキルばかり教えられても
世界で戦うためのィジカルやフィットネスなど
データやトレーニング、リカバリーなど
他のスポーツでは当たり前の仕組みがコーチごとに共有されていない。
コーチの言葉や意識の中にそれを見てしまいます。
日本はなぜ弱いのか!?
と問われたら、
組織が旧態依然で人が育たない。
スポーツはそれが会社以上によく出ます。
いろいろとあったパリオリンピックは終わりましたが、
東京2020が特殊すぎる大会だったがゆえ、
いい面も悪い面も含めて、オリンピックがどういう大会なのか?
改めて多くの人が見るきっかけにはなったと思います。

次はロス2028です。
閉会式のフラッグ引き継ぎを見ても、エンタメ商業主義満載で最高(笑)
そもそもスポーツの大きな変革は1984年のロス五輪から。
その商業主義が今のスポーツの進化の源流になっていますから、
そこからどう展開するのかちょっと見ものです。
その前に2年後に愛知でアジア大会があります。
もともと西欧からスタートしたオリンピック競技。
アジアには不利な競技ばかりと思っていましたが、
今やどの競技でもアジアンアスリートの存在感が高まっています。
アジア大会はロスに出場するための指標となる1つの大会で、
まずはここで優勝することがロスへの出場権の第一歩です。
そもそもアジアで勝ち抜けない人が世界で勝てるわけもなく。
2026年アジア大会は愛知・名古屋を中心に
静岡や岐阜、東京でも行われます。
Posted at 2024/08/13 10:29:09 | |
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