そういえば、歌やアルバムは知ってても、
ボブ・ディランの半生というか、
60年代の頃の彼をぜんぜん知らなかった。
世代の違いもありますが、
ビートルズは若い頃の映像を見てよく知っているの対し、
ポートレート以外での若い頃のディランを映像で見た記憶がありません。
来日して見たのもこのときだけです。
映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」
デビューする直前から65年の追憶のハイウェイまで

をドキュメント風に描いた作品。
ディランを演じるのはティモシー・シャラメ。
似てるかって言われれば、全然似てない。

ですが、映画を見ると歌も含めてディランなのです。
ティモシーの目線が、
ディランはこうだったんじゃないかというぐらいリアリティがあります。
ティモシー以外の俳優も素晴らしく、
Hollywood俳優の凄さだけでも見る価値があります。
もちろん映画自体も今年見るべき作品の1つです。
ディランの小難しいところを省いて、
歌が生まれる背景にスポットを当て、
ディランがディランになっていくまでの青春映画として
かなりの傑作です。
特におもしろいのは、
ウディ・ガスリー、
ピート・シーガー、
ジョニー・キャッシュ
といったフォークシンガーとディランとの交流。
歌は知っていますが交流があったことさえまったく知りませんでした。
ディランは、
フォークソングを生んだいわば伝説のアーティストたちから認められ、
そこからフォークというジャンルを壊していきます。
フォークからロックへ アコギからエレキへ
時代の転換期の瞬間や空気感が見事に描かれています。
もう1つ注目点が映画に出てくる車が魅力的なのです。
監督のジェームズ・マンゴールド はフォードvsフェラーリを撮った人。
車と当時のNYの街並の描写も見るべき点の1つでしょう。
ディランを知ってても知らなくても、
音楽好きであってもなくても、
ディランがウディ・ガスリーを超えて、
フォークの神様と言われるようになった由縁を
2025年の今、確認することができます。
ちなみに雪予報のこの日、レイトショーの客は自分だけだったので、
最初に流れるピート・シーガーが歌うThis land is your landから
エンディングの3曲まで、大声で歌いまくりながら映画を見ました(笑)
Posted at 2025/03/05 02:35:45 | |
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