サーキットに来る電気自動車なんて数少ない。イベントも年に数度しかない。
そんな状況で急速充電機をサーキット側で用意すると言うのはとても割に合わないね。
充電器をイベント主催者が手配するにしても受電設備はサーキットで持たなきゃならない。
何処か特定のサーキットを電気自動車最優先使用と決めて運用するとかしなきゃ駄目なんじゃないかな。
ディーゼル発電機はレンタルがあるから使い易いだろうけど、それって開催意図に思いっきり反するよね。
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クリーンテック最前線 モータースポーツにも電動化の波
http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E0E18DE2E3E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E3E2E7E0E2E3E2E0E0E2E7
モータースポーツに車両電動化の波が押し寄せている。千葉県や茨城県、静岡県などのサーキットでは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)といった電動車両による様々なレース関連イベントが繰り広げられる予定だ(表1)。
エコカーによるレースが盛り上がりつつある理由は主に2つある。第1に、レース参加者やファン層の多くが環境に優しいエコカーを受け入れ始めたことだ。街中ではHVが珍しくなくなり、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)といった電動車両を見かける機会も増えている。認知の広がりによって、アマチュアレーサーが気軽にエコカーでレースに参加するといったケースも多くなっているようだ。
第2は、自動車メーカーの姿勢の変化である。大手自動車メーカーの多くは、2010年ころまでEVの市場投入には慎重な姿勢を崩さなかった。その状況がここ1~2年の間に大きく変わり、各社がこぞってEVやPHVの市場投入に力を注いでいる。当然、電動車両の市場で企業イメージをアップし、自社製品の拡販を狙うためにマーケティングの一環としてエコカー関連イベントに参加することも増えている。
さらに、レースには技術開発を進展させる格好の場という意味もある。こうした複数の要因から、EVによるモータースポーツ関連イベントでは、日産自動車やトヨタ自動車などの存在感が急速に高まっている。
図1 全日本電気自動車グランプリシリーズ第4戦(2011年10月)で活躍していたディーゼル発電機。後方に見えるのは出走のために充電中の「リーフ」
■EVレース会場は現実社会の縮図
EVが抱えている現在の課題は、充電インフラの整備や、充電1回あたりの航続距離の伸長である。これらはモータースポーツの場合でも例外ではない。
一般的なサーキットでは、燃料補給のために敷地内にガソリンスタンドが併設されているが、EV用の充電インフラが整備されているようなサーキットはまだほとんどない。例えば日本電気自動車レース協会(JEVRA)が2011年に主催した「電気自動車グランプリシリーズ」では、10数台もの出走車両がピットで一斉に行う充電のためにディーゼル発電機を設置し、フル稼働で充電に対応していた(図1)。出走するEVの充電ニーズに対処するために化石燃料を燃やして発電するという、少々残念な状況になってしまっている。
現状ではやむを得ないものの、これではせっかくのEVによるレースの価値が半減してしまう。理想的には、サーキット近辺にバイオマス発電所や太陽光発電所、風力発電所などを設置し、それら電源からのクリーンな電力をサーキットでの充電に使えるようにしたいところだろう。
図2 全日本電気自動車グランプリシリーズ第4戦(2011年10月)で使用された菊水電子工業の急速充電器
航続距離が従来車に比べて短いという課題も、サーキットを周回するときの走行時間に大きく影響する。ガソリンなどを燃やして走る従来車なら、急加速や急減速を何度繰り返しても燃費が悪化する程度で、燃料が底をつく前に給油すればよいだけである。ところがEVの場合、いったん電池パックの電気を使い切ってしまうと、満充電に戻すために何時間も充電しなければならない。
このため、JEVRAの電気自動車グランプリシリーズ第4戦では、スポンサーとなっていた菊水電子工業が可搬型の急速充電器を提供、出走車両が交代で30分ずつ急速充電を行えるようにしていた(図2)。走行時にも空気抵抗を減らして効率良く走行したり、減速時の回生ブレーキをうまく使用したりすることで、電池パックの電力消費量を最低限に抑えつつ確実に周回を重ねることが必要となる。
■存在感を増す自動車大手メーカー
EVやPHVの市場投入を始めた大手自動車メーカーは、前述のように電動車両によるモータースポーツのイベントに積極的に参加し始めている。例えば、日産自動車は2011年11月の「日本EVフェスティバル」に「リーフNISMO RC」を持ち込み、デモ走行や車両展示などを行っていた(図3)。
リーフNISMO RCは、日産の乗用EVである「リーフ」の駆動用電池パックやモーター、インバータを流用して開発されたレース専用のEVである(図4)。同社が2012年2月24日に発表した「2012年 日産グローバルモータースポーツ活動計画」では、「電気自動車でのレースの可能性を追求すべく、リーフNISMO RCのデモ走行を全世界で継続して実施する」としている。
図3 日本EVフェスティバル2011でデモ走行を行なった、ニスモ(日産自動車の100%子会社でレース車の開発などを手がける)のレース用EV「リーフNISMO RC」
図4 「リーフ NISMO RC」のフロントビュー
また、トヨタ技術会は、「TES-ERA-EV」(テセラEV)をJEVRAの「全日本 袖ケ浦 EV50kmレース大会」とEVフェスティバルの両方に参加させデモ走行を行った(図5)。テセラEVは、トヨタが1990年に発売した3ドア・クーペ「セラ」をベース車両としてトヨタ技術会有志が開発したコンバージョンEV(改造電気自動車)である。
図5 トヨタ技術会が開発した「TES-ERA-EV」
セラの外観上の大きな特徴であったガルウィングドアはテセラEVにも受け継がれている。一方で、テセラEVは高級ハイブリッド車「レクサスRX450h」の高出力モーター(167馬力)、米Tesla Motors社のEVと同様に民生用の「18650型」リチウムイオン電池セル数千個で構成した電池パック、回生ブレーキによる電気エネルギーを素早く充電し加速時に一気に放電するためのキャパシタ、ハンドルに装備した操作用タブレット端末など、技術的にも特徴を数多く持ったEVとなっている(図6)。
図6 TES-ERA-EVの車両内部 前方の左側下部に装備されているのがキャパシタ、ハンドルについているのがタブレット端末である。
■日本企業はEVでF1に返り咲くか
車両の電動化は、日本の自動車メーカーがモータースポーツに返り咲くきっかけとなる可能性がある。
かつて、自動車メーカーはブランディング戦略の一環としてモータースポーツに積極的に取り組んでいた。世界を転戦する自動車レースの最高峰「フォーミュラ1(F1)」にも、ホンダやトヨタが参戦、中嶋悟氏など日本人レーサーの活躍も話題となっていた。
ところが日本の自動車メーカーの多くは、この分野から相次いで撤退してしまった。F1などのモータースポーツには莫大な費用がかかる一方、バブル崩壊以降の景気後退や円高によって業績が悪化したことが主な原因である。国際的なモータースポーツにおいて、日本の存在感はほとんどないのが現状だ。
そんな中、早ければ2013年からF1でもEVによるレースが開催されるという計画が明らかにされた。欧州とF1の主催組織である国際自動車連盟(FIA)がEVを欧州に普及させたいという意向を持っているからだ。日産自動車や三菱自動車など、EVによるモータースポーツへの参戦に少なからぬ興味を示している企業もある。EVによるF1が実現すれば、日本の自動車メーカーが国際モータースポーツの表舞台に再び堂々と立つことになるかもしれない。
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電気自動車のレースってスプリントしか出来ないから、セミ耐久の様なF1なみのレースは当面無理だなー。
電動フォーミュラになれば軽量化されて電池の持ちはかなり良くなるだろうけど、それでもまる1時間全開なんて出来ないよ。
Posted at 2012/03/05 23:14:28 | |
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電気自動車 | 日記