海外物件を漁っていて、前に得た知識をひっくり返すモノを見付けてしまいました(苦笑)。
以前ワタクシが挙げた
このブログで1954年式のW187の220クーペを紹介しているのですが、
その車のプレートの型式欄に187012とあったので、
その時は220クーペは台数が少ないから、カブリオレAと同じ型式を用いているのね、、、
と結論付けていたのですよね。
ところがっ。
今回ベルリンの車屋さんで見付けたこの1955年式の220クーペ、、、
なのですが、これにもプレート画像がありまして、
それを見てみますと、、、
おぉいっ!ちょっと待てや~。
187023になっとるやんけ~。
これってどゆこと???
んで、更にボディナンバーのプレートもあるのですが、、、
やっぱしこっちも187023になってるやん。
前のブログの際にはEPCを参照してW187の5種類の型式を表記しましたが、
今回ふと思い立って、テクニカルデータブックを見てみたところ、
W187の7種のボディ形態が載っていたのですけど、それにも、、、
187011 セダン
187014 サンルーフ付きセダン
187012 カブリオレA
187013 カブリオレB
187019 アンビュランス(5シート)
187018 ポリスパトロールカー
187017A ポリスラジオカー
とあるのみで、やはりクーペの項目が無いんですよね。
しかし、今回の車輛のプレートの187023はとりあえずこれらとは被っていませんし、
私から見てそのプレートの打刻自体に疑わしい所は無いように見受けられるので、
187023が、クーペの型式として存在しているのは間違い無さそうだな、と思いました。
これを受けて他のクーペを探してみましたが、
去年の12月のBonhamsのオークションに出品された車両の車体番号が
1870234500375だったらしいので、
その考えは正しいとみて良いのでしょうね。
という事はひょっとして、、、
上のリンクで紹介した車両ってカブリオレAベースの偽物クーペって可能性があるのかも(滝汗)?
と思ってしまいました。
ところが、、、
一昨年の11月にRM Sotheby'sのオークションに出品された220クーペの車体番号は
1870124500304だったというのですよねぇ。
以前紹介した車が1870124500173って事からすると、
1954年の00304から00375の間で187012から187023に切り替わったと考えれば
辻褄があってしまうので、これ、よく判りませんねぇ(苦笑)。
ただ、220のオフナートゥーレンヴァーゲンポリツァイが41台と言われているのが
187018の事なのか187017Aの事なのか、それともそれらの合算なのかが判りませんが、
仮にどちらかの事だったにせよ、それよりは数の多かったクーペに
当初から単独の型式が与えられていないというのは少々不自然な気はするんですけどねぇ。
という感じでよく判らない部分が残ってしまっては居りますが、
とりあえずW187のクーペとカブリオレAの型式は
少なくとも年式の新しい物には違いがあり、古い物では一緒になっている可能性もある、、、
という結論に訂正させて頂こうと思います。
最後に一寸脱線しますけど、今回見つけた車両の面白いのは
車体番号とボディ番号のそれぞれの下7桁の番号でした。
それによると、シャシーが製造されたのが1955年で
ボディが製造されたのが1954年という事になるのですよね。
なんか、イメージからするとシャシーの方が先に出来ていそうな気がするものですけど、
こういうものなんでしょうかね?
今まであまり意識した事が無かったので、
今後、一寸気にしてみる事にしましょう(笑)。
恐らくとしか言いようがありませんが、下5桁の製造番号に関しては
車体番号の方では2枚扉用として1955年に作られた34台目のシャシー、
ボディナンバーの方は製造年が関わっているかどうかはともかくとして、
クーペとして製造された50台目のボディという意味なんじゃないかと思います。
(確証はありませんが、ひょっとすると1955年製のボディ番号は
車体番号と同様に1からカウントされているかもしれません。)
1954年にはカブリオレBがラインナップ落ちしているため、
その年の220の2枚扉の生産台数259台は
カブリオレAとクーペのみの物である筈なのですけれども、
ボディナンバーの製造番号をそれらの合算された数だと考えてしまうと、
50番目というのはその年の前半も前半の製造ということになってしまうので、
車体番号プレートにある車自体の製造年が1955年である事を考えると
それはあり得ない感じがするし、
逆に車体番号の34番はボディとシャシーの製造年が跨いでいる車両である事を考えた時に、
クーペ単独管理の数と考えるにはちと数字が大き過ぎますからね。
ってな具合に今回見付けた車両は色々と考えさせられる1台でありました。