HKエンジニアリングに入荷した2台の1962年車のご紹介で御座います。
先ずは220SEbカブリオレから。
ブルーグレイという色がなかなか好ましい220SEbのカブリオレであります。
このホワイトリボンは恐らくBFグッドリッチのシルバータウンでしょうね~。
一寸黄色味が入ってきて好い感じになっていますね(笑)。
専門家から言わせて頂きますと(笑)、
サイドミラーの位置がこれ↑だと前過ぎですね。
恐らく見易さを重視した結果だろうと思いますが、
オリジナル位置でも個人的には不便は感じていません。
斜め後ろから。
幌姿もございます。
後ろ姿の画像のナンバー灯で判りますが、この車はアメリカ仕様ですね。
という事はフロントの丸型4灯ランプもハロゲンではなく、
シールドビームなのだろうと思われます。
釣鐘型ウインカーは埋めちゃったんでしょうね。
で、勿論、色で取り上げる事にしたわけではなくて、
この車、4座バケットシートを装備しているのでした。
無論革表皮は張替えですが、我が220君で再現出来なかった、
バックレストセンター部の中央からやや上の緩い谷もきちんと再現されており、
一寸悔しい(笑)。
縫製もなかなか形が整っていて綺麗だと思います。
2トーン革にしているのも◎ですね!
幌カバーも恐らくこの濃い方の色の革を使用しているのでしょうね。
で、この車がイイのがマニュアル車なんですな。
4座バケットの車両ってアメリカ仕様が多い、、、というより殆どなので
そもそも4座バケットが希少な中で、AT率が高いので、
これはそういう意味でも貴重だと思うのですよね。
説明文によると4座バケットを装備した220SEbカブリオレが
1962年半ばから1963年の半ばまでの1年間に合計21台しか作られなかった、、、
って書いてあるんですけど本当かなぁ?
確かに記憶を辿ると、今まで見たのは、全部とは断言出来ないけれども
殆ど前期型だった感じがするし、
少なくとも国内で私が知っているそれを装備している2台はその期間に属する車ですし、
通常のシートのシートセンターが5分割だったのが4分割になったのが1962年の途中で
私のみたいにフロントだけバケットだった場合のリアとのバランスを考えると
バケットシート自体の設定がその位のタイミングからというのも頷ける所ではあるんですが、
21台しかないにしては売り物を見掛け過ぎている気がするので
この辺りは一寸眉唾臭いかな?という気がしないでもないです(笑)。
仮にマニュアルミッションの4座バケットシートのカブリオレが21台で
この期間にしか作られなかった、、、と言われれば納得ですが。
因みに250SEクーペにも、フロントのみ、または4座のバケットシートの設定があるのですが、
今回の件で一寸EPCを見直してみたところ、
面白い事に250SEカブリオレではそのどちらも設定がなかったみたいです。
どういう理由でそういうことになったのかは判りませんが、
そこからすると、台数はともかくとして(笑)、
220SEbのカブリオレが1年しか4座バケットの設定されなかった可能性自体は
あるのかもなぁ、、、と思ったりするところです。
メーター。
ヨーロッパに来ているアメリカ仕様なのでひょっとしてメーター換えてる?
と思ったら、やっぱりキロになっていたんですけれども、
もう2つ上の画像の時点で判っちゃってましたが、これ、220キロスケールなので
250時代以降の物なんですよね~。
うちの子になるならば210キロスケールのメーターは持っているので、
交換してあげられるんだけどなぁ(爆)。
これ、出来れば水温計と油圧計も変えたいところですね~。
私なら、それプラス流線形レンズのヘッドランプ化と
ナンバー灯ユーロ化を行いたいところですね(笑)。
ラジオはブラオプンクトでした。
こうしてみると案外、
ベッカーじゃなくてブラオプンクトを装備している車って多いですよね。
気になるお値段は199000ユーロ。
今日のレートで2650万円強ですね。
220SEbカブリオレとしてはトップクラスの金額ではありますが、
希少な4座バケット+マニュアルミッションなら十分納得のお値段かと思います。
お金があったら欲しい(笑)。
でも、仕様でいくと、以前こちらで紹介したことがある、
ボディ色が緑でフランス仕様で4座バケット+マニュアルだった車両の方が
状態は別として(笑)、良かったなぁ、、、と思います。
あれは本当に欲しかった…。
予定外にここまででずいぶん長くなってしまいましたが、
続いては300SEで御座います。
こちらは先に情報が出て、画像が出るのを待っていたのですが、
比較的低走行なのが売りの車両で御座います。
折角いい状態の車両なのにタイヤ&ホイールが14インチ化されているのが
走行性的には好ましいのでしょうが、個人的にはとても残念であります。
これ、オリジナルのフィッシュテイル型マフラーカッターまでついていますからねぇ。
ただケチを付けるならば、年式的にはアウトサイドミラーも
オリジナルとは位置が違うのですよね。
外装も綺麗ですが、内装もメッチャ綺麗。
ウッドパネルはクリアの葺き替え位はやっているかもしれませんが、
ダッシュボードにも割れがなさそうですし、
オリジナルの綺麗な状態が保たれていると思います。
注目は前半分がゴム素材で出来ている、運転席のフロアマットがまともに生きている所ですね。
こればっかりはどう頑張っても再生出来ませんから、
どんなレストア車も太刀打ちしようがありません(笑)。
まぁ、総ベロア地の方が高級感はあるんですけどね(大笑)。
走行距離は72617キロ。
私がコペンさんを買った時の距離と変わりませんが(笑)、
年式を考えれば本当に少ない走行距離ですよね。
かといって、勿体なくて乗れないという距離でもない所がイイナァと思います(笑)。
しかし、どうしたらこんなに好い状態を保てるんだという革シートのコンディションです。
この↑フロントシートバックの網がいかにも当時物、、、という感じがして好いですね。
いやぁ、本当に好い雰囲気だなぁ。
それでね、こんなに状態の良い車なのに、、、
サンルーフまで付いているのは本当に反則だと思います(笑)。
因みにこのウインドウデフレクターは多分、純正ではないだろうと思われます。
ヘッドライナーは、、、
この画像だとハッキリ断言は出来ませんが、ファブリック製のように見え、
1962年の5月生産らしいので時期的にはそうだと思うのですが、
これが仮にオリジナルの生地だとすれば、本当に異常な綺麗さだと思います。
コチラのお値段は59900ユーロ。
今日のレートでほぼ800万円というところですね。
エアサスという部分をネックに考える人が多いので、
日本で売るのはなかなか難しいと思いますけれども、
状態を考えればこれも妥当な所だろうと私は思います。
これもいいナァ。
お金があれば欲しい車は一杯あるのですけれども、
それどころか、現実は今の2台で手一杯で、
しかもその1台があんな理由で乗れなくなってしまっているのが
悲しい所で御座います。
あっ、そうそう、悪だくみの方の途中経過ですけれども、
どうやら期待出来そうな展開になってまいりました(笑)。
今はそれがせめてもの、、、という感じであります(苦笑)。