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2022年07月20日

1964 230SL PININFARINA SPECIALE

8月20、21日に行われる、GOODING&COMPANYのペブルビーチオークションに
表題のワンオフモデルが出品されるらしいです。

こちらの車両で御座います。





先日6.3をクーペ化した、ピニンファリーナのワンオフモデルが売りに出されましたが、
こちらも模型化までされている有名なモデルですよね。

あちらはフロント廻りの処理に少々好き嫌いが出そうな感じですが、
こちらは113から派生した車両である事を主張しつつ、
いかにもピニンファリーナというデザイン構成でまとめ上げられた
とても美しいモデルですよね。

サイドビュー



リアのオーバーハングの長さは通常の113と変わらないように見えますが、
フロントのそれは延長されているようですね。

これでクーペらしいのびやかさを得ることには成功しているような気がしますが、
113よりやや直線的なデザインを採る事で
ヘッドライトへの連続性という部分においては
少々違和感を感じさせるものになってしまっている気がしないでもありません。

特に一番上の画像のように斜め前からの見え方では
確実にオリジナルの113の方がバランスが良いと思います。

フロント正面から。



こうして正面から見ると普通の113っぽいですよね(笑)。

ワンオフモデルだからということなのか、
ヘッドライトの上のフェンダーの見え方が左右で違うのが面白いですね。

昔のフェラーリとかも左右対称に出来てなくて、
且つそれを左右対称に修正すると逆に不自然になってしまうような話を聞いた事があるので、
コーチビルダーによる少量生産モデルというのはこういうものなのかもですね。

鼻先。



私の勘違いかも知れませんが、グリルの逆スラントは
通常の113よりもキツくなっているような気がするのですよね。

ひょっとしてグリル自体も同じように見えて実はワンオフなのかしら?

リア正面。



フロントに比べて大幅な変更が成されているのに
上手い具合に113っぽい雰囲気が残されている所が素晴らしいですね。

バックパネル上のフューエルフィラーネックが無くなっていますが、
これはトランク内に移されているそうです。

二玄社のSLの本によるとこのテールランプはフェラーリの275GTS用の物を
少変更して転用したものなのだそうです。

上方にスリーポインテッドスター移動させ、
その下にネームプレートを配置させたところがクラシックな感じで好いですね~。

フロント廻りは前述の通り、私の中で少々消化しきれていない部分があるのですけれども、
リア廻りのデザインは結構好きですね~。

ピニンファリーナの証。



室内に目を移すと、ダッシュボード廻りは6.3クーペ同様、殆ど手付かず。



空調レバー及びラジオ廻りもそのまま。



流石にスペシャルモデルには最上級クラスのメキシコを奢っていますね(笑)。

この車、一旦黒に塗り替えられた経緯を知っているので、
なんだ、ダッシュボードはその時の黒のままなのかよ、、、と一瞬思ったのですが、
よくよく見てみましたらば、ここはオリジナルの113のように塗装仕上げではなくて、
何らかの生地(恐らく革なんでしょうね)を張られているみたいです。

ただ、ダッシュボード上下の革とシボの感じが違うので、
これがピニンファリーナを出てきた時からこの仕様だったのかどうかは一寸判りません。

これまたこないだの6.3クーペ同様にダッシュボードから後ろの部分は
大変更が行われています。



ウッドパネルの類いは全くありませんが、
クロームと2色の革を上手く使い分けて豪華な雰囲気に仕上がっていると思います。

ウッドパネルで思い出しましたけど、
フロントウインドウの周囲やシート間のトレイは革張りに変更されていて、
且つ、ダッシュボードのスピーカーグリルもハッキリ見える画像はないのですが、
チラッと見切れている範囲ではそれも黒色化されているみたいです。

エンジンルームはいつもの風景。



滅茶苦茶綺麗に仕上げられていますね~。
徹底して仕上げた物としては私的に好きな仕上げになっていると思います。

この車、エンジンは一旦250SL用の物に換装されていたらしいのですが、
今回画像を見てみると、230SL用のそれが載っているんですよね。

エンジンナンバーの打刻もプレートも127981になっています。



127981-10-000694とあるようですね。

ん?-10-???

この車、ATじゃなかったっけ?と思って改めて見てみると、



やっぱし、ATですわよね。

因みに車体番号の方は、、、



113042-10-001336となっていますから、元々はMT車だった筈なのですよね。

230SLの最初のAT車は000600だったとありますし、
ピニンファリーナへのこの車の作成の依頼主がATにしたければ
後から換装するような七面倒くさい事をしない筈ですから、
こりゃ、後のオーナーが換装しちゃったものなんでしょうねぇ。

000694とはずいぶん古いエンジンが載っているので、
250SLのエンジンには換装されたものの、
オリジナルエンジンもそのまま保管されていたのかしら?と一瞬思ったのですが、
車体番号で最初のAT車が000600だった事を考えれば
そこからそれが001336に達するまでに95台しかMT車が作られていないというのは
一寸考えられない気がするので、
出来るだけ古いエンジンを捜してきて仕上げて載せたという感じなのかなぁと思っています。

尤も、このAT自体は1961年から他車種には装備出来たものなので
本来はメーカーの準備さえできていれば230SLの最初期の頃からAT車が存在しても
いいだろうと思うところを、
600番からって事はそれまでにバックオーダーが多量に入っていた事は
想像できなくもない話なので、
それ以降の時期に1:5の割合でAT車が多く作られたって可能性自体は
ないとは言い切れないのでこの考えが正しいかどうかは微妙な話で、
厳密なところはヴィークルデータカードで
エンジン番号がどうなっているか確認するしかない話なんですけどね。

そうそう、因みに表題で年式を1964年としたのは
GOODING&COMPANYがそう表記していたからなのですが、
車体番号末尾001336って事はどうやら1963年の12月製造らしいのですよね。

そこからピニンファリーナの工房が手を入れて1964年中に完成させたので
それを年式という事にしたのかもなァと思っています。

車体番号の打刻。



これで話をしたいのは打刻自体ではなくてその周りの色の話。

いったん黒に塗り替えられた後、赤に塗り替えられて、
現在は元色に戻ったということらしいのですけど、
ここが黒って事はこれに関しては最初の黒のままにしちゃってあるって事なんでしょうかね?

まさかピニンファリーナがエンジンルーム内の色彩に拘ることはなかろうという気がするので、
この部分はお手軽に済ましちゃったのかなという気がしないでもないです(笑)。

最後にトランクルーム。



この部分の画像はこれしかないので全体が実際にそうなっているかの確認が出来ないのですが、
こういうスペシャルモデルであれば、
これで見える範囲以外もカーペット張りになっているのでしょうね。

工具袋もジャッキも完全未使用って感じで綺麗なものですね~。

工具袋に関してはいまだに年代ごとのオリジナルがよく判らんのですが、
これはこの車のオリジナルなのでしょうかねぇ。

チョイと一つ余談なんですが、二玄社のSLの本によると、
この車、ドイツの実業家からピニンファリーナにオーダーが入って
造られた物だと書かれているのですが、
あるサイトを覗いて見ましたらば、
それが真実かどうかわからないんですけど、そうではなかったという説があるみたいです。

それによるとピニンファリーナ自身がMBに
このデザインを売り込む為に造られた物だったとの事でした。

で、結果としてそれにゴーサインが出ず、解体される前に
それをドイツのプレス王が買い取ったって話になっていました。

果たして本当なんでしょうかね?

デザインの完成度からするとあってもおかしくない話だとは思いますが、
(よい意味で)ケチなDB社がわざわざ社外のデザインを買う訳はないと思うし、
DB社は多分自社のデザインには自信を持っていたと思うのと、
本格的にボディの安全性に取り組み始めた時期に
他社デザインを受け入れる余地は無かったろうと思うので、
もし本当の話なのだとすれば、ピニンファリーナも随分無謀な事をやったものだと思います(笑)。


んで、いつもながら気になるのはお値段の方なのですけれども、
残念ながらまだ詳細が出ていなくてESTIMATEも出ていない状況なんですよね。

こないだの6.3クーペ同様に私にもさっぱり予想が付きません。
屋根が開くモデルなら1億円超えちゃってもおかしくないと思うんですけど、
クーペだとどうなのかなって感じ。

ただ、私が知る限り5種5台しかないMBのピニンファリーナワンオフモデルの1つですから、
超えてくる可能性もあるのかなとは思うのですけどね。

さて、どうなるでしょうか。
私には縁のない世界ですけど、一寸だけ楽しみです(笑)。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2022/07/20 20:12:40

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この記事へのコメント

2022年7月20日 20:57
今晩は。

二玄社の、あの本の後ろの方に載っているクーペモデルですね。
デザインは好き好きありそうですが、貴重なクーペですよね。

内装ラジオ廻りは113そのものですが、ナローサイズのベッカーに装着されたスモールノブ、同じくそのノブで統一されたブロアスイッチとシガーライターに透明の空調レバー、VDOのアナログ時計、正に目指す姿です。
コメントへの返答
2022年7月21日 6:18
おはようございます~。

そうです、あの車です。

あの時点では
赤で終わりになっていますが、
現在はこのように元色に戻っているようです。

何のベースもない一からの状態で
ピニンファリーナがデザインすれば
きっと最高の物が出来上がるだろうと思うのですが、
(時々嘘でしょって失敗作もあるけど)
このようなコンセプトで造られた場合には
やっぱりオリジナルデザインには敵わないと思うのですよね。

丸ノブは大型の方が扱いやすいとは思いますが、
美しさでは断然小型の方ですよね。

因みにブロアスイッチのそれは
この車の物もセンターのパイロットランプの透明のプラスチックが紛失しているみたいです。

透明の空調レバーはきっと夜目に美しいのでしょうねぇ。

W111の場合はそこの照明が素っ気なくて、
時計の左端に明り取り用の窓があって
時計の照明で空調レバー側を照らす設計になっています。

、、、設計にはなっていますが、
実際にはほぼ照らせていません(苦笑)。

プロフィール

「一寸情報が古かった(大苦笑)。」
何シテル?   04/08 22:55
1962年式の220SEbクーペに乗っています。 物心ついた頃からMBファンである私が (何度も買い替え出来るご身分ではないので) 最初で最後のMBに...
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