先日、カービューのニュースだったと思うのですが、
Auto cultというドイツの模型メーカーが紹介されていたので、
HPに飛んで行って色々覗いて居ったのですが、
他の模型メーカーが扱わないような車種を(恐らく最初から数を限定して)製作している、
面白い会社だという事が判りました。
以前、
新商品というブログで紹介した模型も、実はこの会社が製作した物だったらしいです。
そういうジャンルに特化しているという事もあり、
すでに製造終了しているラインナップを含めて見ていくと、
実車を知らない車種を色々と教えられました。
先ずはこれね。
1969年のMERCEDES-BENZ C101だそうです。
ワタクシ、C111のⅡ型が好きなんですけど、
実はC111のⅠ型の前にC101という、プロトタイプのプロトタイプが存在していたらしく、
これはそれをモデル化した物という事のようです。
プジョーが保持していた3桁の数字表記の真ん中をゼロにする命名法の権利に依って
ポルシェが泣く泣く901を911にしたのは有名な話ですが、
実はこの車もそれに引っ掛かり、一連のこのプロトタイプはC111と名乗る事になったのだそうです。
なのでC111のシャシー型式は実は101なのだそうです。
全然知らんかった。
そんなわけでこのC101はたった1台しか作られなかったようですが、
この車両にはC111のⅠ型にも載った、3ローターのM950-Ⅰ型エンジンが載っていたらしいです。
(因みにC111-Ⅱに載ったロータリーエンジンはM950-Ⅱ型で4ローターでした)
本物の画像はコチラになります。
お次はコレ。
1948年のMERCEDES-BENZ 1.2ℓプロトタイプだそうです。
ところがこれ、ネット上を色々探しても画像も含めて何にも情報が出て来ないのですよね。
1948年式と銘打っていながら、Auto cultの説明文の最後には
『1948年にエンジニアのヨーゼフ・ミュラーが描いた図面によると、この車の全長はわずか3.7メートルだった。』
という書き方をしていますし、プロトタイプという事にはされていますけれども、
実際には実寸のクレイモデルも作られなかったような車なんじゃないのかな?と思っています。
お次はコレ。
1934年のMERCEDES-BENZ 200 JARAYだそうです。
んで本物の画像がコチラ。
これはMBの正規モデルではなくて、
ポール・ジャレイという、自動車の空力設計家が
恐らくW21の200のシャシーに空力ボディを架装した物なのだろうと思われます。
どうやらポール・ジャレイはこのMBの200だけではなく、
色んな有名自動車メーカーのシャシーに空力ボディを架装していたらしいです。
要は自分のアイディアを自動車メーカーに買って欲しかったという事のようですが、
残念ながらどこからも引き合いがなかったらしいです。
まぁ、MBは古くはトロプフェン・ヴァーゲンに始まって、
同じ1930年代には数は少なくとも
シュトロームリニエンヴァーゲンやアウトバーンクリエールなど、
空力を意識したボディの車を市販していた位ですから、
空力研究は先端をいっていた筈ですし、
わざわざ他からの力を頼る必要も無かったろうと思うのですよね。
この実車の方は戦争を無傷で切り抜ける事には成功したようですが、
1940年代の終わりにエンジンがダメになって、その終りを迎えたそうです。
お次はコチラ。
1956年のWARTBURG-MERCEDES 170 V だそうです。
実車はコチラで御座います。
説明文をどう解釈してよいやら、、、という感じではありましたが、
東ドイツ内でMBを所有してステータスを誇示したいという人たちの欲求を満たすべく、
シュヴァルツェ社という会社が戦後東ドイツ内に残された170V(つまり中古車)と
ヴァルトブルク311を組み合わせて造った車という事のようです。
画像で見る限り、スカットルから後ろはほぼヴァルトブルク311のようなので、
外見上はそれに170Vのグリルを組み合わせたって感じのようで
後はエンジンをヴァルトブルク311の2ストロークの3気筒900㏄エンジンから、
170Vの物に換装してあるようです。
諸説あるようですが、20~36台程度造られたらしいです。
お次はコチラ。
1957年?のMaybach SW42だそうです。
?を付けつつ、1957年と書いたのはAuto cultが1957年としているからなのですが、
実際には1937年式のSW42にリボディを施した物という事のようです。
どうやら、創始者ヴィルヘルム・マイバッハの息子のカール・マイバッハが
1952年、73歳で引退し、どういういきさつかよく判らないのですが、
1956年頃にマイバッハ社に残っていたSW42に乗ろうと思い立ったようで、
昔からマイバッハが利用していたコーチビルダーのスポーンにリボディを依頼し、
出来上がったのがこの車だったらしいです。
本物の画像はコチラ。
フロントは威風堂々という感じがしますが、
リアはポントンのテールランプを使っている事もあって、
マイバッハというよりはKönigspontonってな雰囲気ですね(笑)。
お次はコチラ。
1969年のBMW 1600ti Coupe Paul Bracqだそうです。
最後に付く名前の通り、本物のポールブラック師匠がデザインした車両で御座います。
本物(クレイモデル?)の画像はコチラ。
MB300SLクーペやBMW507の市販化にも大きな影響を及ぼしたマックス・ホフマンの提案で
イギリスのライトウェイトスポーツカーの対抗馬として企画された車だったらしいです。
ただ、当時BMWサイドにはこれを作るだけの余剰生産能力が無かった為、
ブリッソーノー&ロッツというコーチビルダーに製造させる積りだったようなのですが、
1969年にそのコーチビルダーがルノーに買収され、
ルノーがその製造を認めなかった事から、世に出る事無く終わった悲運の車らしいです。
そして最後はコチラ。
これは結構最近(2013年?)に作られた、、、というか合体させられた(笑)車らしいのですが、
Brandpowderという会社の911 DSという車だそうです。
これもハッキリ意味を取りえないのですが、
どうやらコンピュータ・アニメーション?で制作された車という事のようです。
調べてみると、実物を作る気もありそうなのですけれども、
正直よく判りません(苦笑)。
その画像がコチラ。
『多くのファンの夢かもしれない--ドイツのスポーツカーの名車ポルシェ911ターボとフランスのシトロエンDSのミックス』
ってな事が書いてあったけれども、これ、イケてるのかなぁ?
しかし、この模型会社、どのようにして車種選定をしているかはわかりませんが、
なかなか面白い商売をしていますよね。
最後は何かよく判らないゲテモノで終わってしまいましたが、
世の中には知らない車が無限に転がっているんだなァと思わされました。