何時から売りに出ている車なのかは判りませんが、
ドイツの車屋さんで見掛けた220Sです。
通常の小型の丸いタイプではありませんが、サイドマーカーが付いている事から
何となく想像はされる所ですけれども、これはイタリア仕様らしいです。
お店の説明書きによると
元々はイタリアの海軍提督の公用車として運転手付きで使われていた車だったそうで
一番上の画像のように左フェンダー上のペナントスタッフ?には
イタリアの海軍旗が取り付けられるようになっているのですよね。
(海軍旗は商品に含まれているそうです)
ところでこのリア廻り画像、な~んかテールランプが変だな、、、と思ったら、
レンズが上下逆に付いているんですね(汗)。
なんでこんなことになっちゃっているのかしらん?
やっぱし、ポントンもユーロ眼がカワユスなぁ。
距離がタイトルの通り、64029kmとの事で、エンジンルームもそれ相応にまずまず綺麗。
距離は大して走っていなくても、年月の経過があるから新車のようにピカピカとはいきませんけど、
スッキリした状態ですよね。
トランクが広いなぁ。
うちの子も広いっちゃ~広いですけど、
この車のそれの場合は立ちもありますからねぇ。
ポントンについては私もオリジナルがよく判らんのですが、
トランク敷のカーペット地はオリジナルではない気がしますねぇ。
外から見たメーター廻り。
ステアリングは元画像を拡大しても大きなヒビの類いは見付けられなかったのですが、
そうした綺麗な状態のまま、艶が抜けてイイ雰囲気ですよね(笑)。
多分、磨けば綺麗になってしまうと思うので、
その辺りをどうするかは購入者のお好みで、、、という感じですね(笑)。
ウッドパネルは年代を考えればクリアの葺き替えをやっているだろうな、、、とは思うのですが、
もしそうなら、いかにもやりました、、、って感じのない、イイ仕上げになっているなぁ、、、
と思う所であります。
ヘッドライナー。
実は車屋さんではヘッドライナーの画像をこの二つを含めて全部で六つもアップしているので、
これもオリジナルで、こんなに綺麗なんですよ、、、と言いたいのだと思うのですが、
余りに綺麗過ぎて私的にはどうかなぁと思う感じですね。
一番気になるのはリアの室内灯の前辺りで縫製がやや乱れているように見受けられる所で、
果たして量産で作られたものでこんな風になるものかなぁと思うのですよね。
尤も室内灯を中心にして薄っすらカーブを描いている感じではあるので、
元々室内灯絡みでこうなっているだけで、これが正解なのかもしれませんが。
この車の売りはやっぱり内装のコンディションだと思う所で、
オリジナルと思しきシートの生地のそれもとてもいい感じです。
私自身がオリジナルと思われる内装を持つ車両として実際に実物を見たのは
2例の解体車と現在、銀星さんで売られている実働車の計3例に過ぎないですし、
海外物件を見ても、ポントンセダンの内装は張り替えられているように見受けられる物が多く、
ネットを漁って勉強する事が殆ど不可能な状態なので、
正直、ポントンのオリジナルを正確に理解出来ている自信はないのですが、
この車の内装は軽い使用感と時間の経過感が見られる自然な状態で
且つ不自然に思われる所もないので、
お店側の『恐らくオリジナル』という申告を
そのまま受け取って良いと思われる状態にあると思います。
運転席のクッションの中央部やバックレストのドア側の部分には
やや擦り減ったような形跡が見られますけれども、
状態を保持する為の手入れが不可能な布地張りのシートとしては
本当に綺麗に保たれていると思います。
ドア窓廻りのウッドパネルの状態も上述したダッシュ廻りのそれ同様に
本当に違和感のない状態で、当時の品の好い高級感を感じさせられる思いがしますよね。
んでね、ワタクシ、ドアの内張を見て気づいてしまったのですよ。
ポントン220Sって前期後期でドア内張りに違いがあるんですね!
いや、正確には今まで見たものの中でもそれが革かビニール張りのもので
縫製パターンに違いがある事にはなんとなく気がついてはいたのですが、
それが張り替えたものかそうでないかはよく判りませんし、
きっと前期型に当たるそれは適当な縫製パターンで張り替えただけだろう、、、
って思っていたのですよね。
しかし、これは一寸張り替えには見えないので、調べてみる事にしたわけでありました。
結果、車体番号で7509038以前がこのような縫製をされた内張りになっているのだと判りました。
EPCで変更時期を確認する前に海外物件を漁ってみていて、
その感じでは56年頃が境なのかなぁと思っていましたが、
その車体番号からすると57年の何処かで変更になっているようですね。
銀星さんの車両の画像をリンクさせて頂きますが、これが後期型の内張りです。
https://www.old-mercedes.net/wp-content/uploads/2023/03/s-IMG_7522.jpg
クロームのモールで区画を仕切って布張りとビニール張りをミックスさせていて
これもなかなか洒落たデザインで好いと思うのですが、
やっぱり古い方が重厚感があり、且つコストが掛かっている感じがしますよね。
この銀星さんの売り物の内張りでも雨染みのような物が見受けられますが、
なかなか布内装がここまで綺麗に保たれている車もレアだと思うので、
このお店の売り物は好い評価を与えてもイイ車だと思います。
さて、気になるこの車のお値段ですが、49800ユーロ、
今日のレートで780万円弱って感じのようですね。
漠然とセダンで800万近くすると聞くと、高いなぁって思いますけれども、
2007年にドイツに行った時に、
キンレにあった稀少なポントン220SEセダンが800万円していましたし、
(但し、記憶では1ユーロ=160円くらいしていた)
当時からそこそこポントンセダンは数が少なくなってきており、
そこから16年経っている事を考えれば、
これだけ程度が良くて当時の雰囲気を感じられる車ならば
その位の評価が与えられても良いのでは?と個人的には思ってしまうのですよね。