ここ暫く私の課題となっていたのは220SEb/W112 300SEに関する表題の事についての
存在の有無でありました。
アホでしょ~?
自分以外、誰も興味を持たないような事が気になって
都度都度調べているんですからねぇ(苦笑)。
今まで、ブレーキブースターがマスターシリンダーの奥に付くようになった、
デュアルサーキットブレーキシステムだと、右ハンドルの場合、
前期インマニではブレーキブースター的にスペースが厳しいと思ったので
デュアルサーキット化に合わせて左右ハンドルのどちらにでも対応出来るように
インマニの形状を変えてきたのだろうと思っていました。
無論、インマニの変更にそれが影響しているのは間違いないとは思うのですけれども、
ここにきてどうやら今まで存在しないと思っていた、
表題の組み合わせの車両が存在するのではないか?と思われるようになってきたのですよね。
というのは、先日、EPCを眺めていて、W112のインマニの変更が
189984/985エンジンと189986/987エンジンを境に行われているらしいという事が判り、
その変更時期が2枚扉、4枚扉を問わず、
車体番号下桁で005137までが前者、005138からが後者、、、
という事になっていたからなのですよね。
220SEbではインマニの変更時期が8月頃なのはほぼ間違いがないのですが
(ほぼ、というのはインマニの変更時期がエンジン番号管理なので断定が不可なんですよね)
W112の場合は計算上、005125までが1963年なので、
仮に車体番号の途中にいくらか欠番があったとしても1963年の末、
なかったとして1964年の1月にエンジン型式の変更と共にインマニ変更が行われた、、、
という事になるんですよね。
ブレーキのデュアルサーキット化は基本的にどのモデルでも
1963年の8月頃と思われる所だったので
これはおかしいぞ、、、という事になったわけであります。
調べてみると、W112のシングルサーキットはそれぞれ何台かの例外はあるのですが、
セダンが004648まで、ラングが004693まで、2枚扉が004653までという事になっていて、
計算上では8月からは遅れているけれど大体10月頃と思われる感じなので、
少なくとも2ヶ月一寸の間は表題のような組み合わせがあった事になってしまうのですよね。
という事で、実際のその仕様の車を探して見ようと思った訳ですが、
220SEbでの前期インマニのエンジン番号から計算した、その内の右ハンドルの割合を
W112に当てはめて計算した場合に、表題の仕様のそれは70台弱となるので、
その中でどんだけ生き残ってんだよ、、、って話でもあるし、
そうそう簡単に見つかる筈がありません(苦笑)。
なので、とりあえずそこで確認しておこうと思ったのが、探すのに、も少しハードルが低い、
左ハンドルのデュアルサーキットブレーキ車両で前期インマニが付いている車両、
の存在なんですよね。
これねぇ、意地でなんとか見付けましたよ(笑)。
前期インマニ+デュアルサーキットブレーキというくくりの時点でも444台(位)の中の一台、
更にその左ハンドルというとその-70台(位)ですから、結構レア車な筈なのですよ、コレが。
で、それはコチラの車両で御座います。
結構ボロいんで、レストア前提車両って感じでしょうね。
肝心な車体番号はコチラ。
004846なので確実にデュアルサーキット世代の車で御座います。
で、エンジンルームの方はどうかと言いますと、、、
おぉ~、確かに前期インマニのデュアルサーキット車両ですねぇ。
赤丸の所にブレーキブースターが居ますよね。
まぁ、エンジン換装も考えられなくはないので、本当はデータカードでも出なければ
間違いなくそれだと断言する事は出来ないんですけど、
限りなくそれっぽい感じはするのですよね。
こうしてエンジンルーム画像を見て ブレーキブースターを右側に(こちらから見て左側に)
水平移動する事を想像すると、
その場所に収めようと思えば収まりそうではあるのですけど、
マスター上のリザーブタンクへのアクセスが結構厳しいのではないかなぁと思うんですけどね。
ってなわけで実はその2ヶ月少々の範囲だけ右ハンドルの製造は止まっていたのでは?
と思って一生懸命調べてみたのですけれども、コレッという事実は出てきませんでした。
この部分に関しては今後、W112のこの辺りの年式の右ハンドル車を
注意深く見ていく事にしようと思います。
一寸話はズレるのですが、このW112の件で色々調べていた中で、
T50/26用のバキューム配管がエンジン番号の幾つまでに該当するかを調べてみた所、
189984のMT 000155まで
189984のAT 003717まで
189985のMT 000195まで
189985のAT 000701まで
という事になっていたのですよね。
W112ではATが標準でMTが減額オプションだったのでMT比率が低いのは当然かと思うのですが、
2枚扉(189985)は総数が少ないにも関わらずMTの台数が4枚扉よりも多い事からすると、
減額はさておいて、2枚扉の方は好みでMTを選んだ人が4枚扉よりも多かったのだろうなぁ、、、
という気がしますよね。
これでいくと、63年のラングのMTで右ハンドルでデュアルサーキットブレーキ、、、
なんて車が存在するのか判りませんけど、仮にあったとしたら1桁台の台数なんでしょうね。
あと、これらを合計すると4768になり、どこかに欠番がないとも限らないので
必ずしもシングルサーキット時代にそれだけの数のエンジンが作られた、
という事にはならないと思いますけれども、
比較的それに近い数が生産されたという事になると思われます。
その一方で4車種で車体番号上一番最初にデュアルサーキット化された300SEセダンで
004648までがシングルサーキット、
一番最後なのが2件の例外を除いてラングの004693なので、
その間の44台の消息はハッキリしないのですが
(仮にその44台の中に300SEセダンが入っている場合はデュアルサーキットなので)、
それに加えて先行してデュアルサーキット化された18台を無視したとしても、
シングルサーキットの車両は4693台を超えない筈なので、
それを上述のエンジンの総数と比べた時に、
その間に車両に搭載されなかった、もしくは欠番になっているエンジンの番号は
75機分ほど存在するようだという事が判りました。
一方220SEbの方はどうかと言いますと、
シングルサーキットブレーキ付きの車両(車体番号)
セダン 左H 049461まで(例外10台)
セダン 右H 049390まで(例外3台)
クーペ 049448まで(例外7台)
カブリオレ 049722まで(例外6台)
前期インマニ付きエンジン(エンジン番号)
セダン左H 034932まで(例外8機)
セダン右H 005623まで(例外4機)
2枚扉左H 007669まで(例外72機)
2枚扉右H 001892まで(例外4機)
というわけで、前期インマニ付きエンジンに欠番が無かったとしたならば、
50116-88=50028機。
シングルサーキットブレーキ車両の方は49722台から
例外分だけ確実に引くことが出来るのを示しているだけで
実際はもっとマイナスになる筈なのですが、
一応確実な分だけ引いて、49722-26=49696台
50028-49696で最低でも332機の差が生じるのですよね。
この差の分もまた、車両に搭載されなかった部品として造られたエンジンの分、
もしくは欠番になっているエンジンの番号の分かもしれないけれど、
ひょっとするとその中のいくらかに
前期インマニ+デュアルサーキットブレーキが存在した可能性をも
示すものなのかもしれないなぁ、、、とまで思ったのです、、、
がっ、そこまで調査をしておいて、W112の方の話を組み立てていくうちに、
先の、ブレーキブースター配管の件を思い立った所で、こちらでも確認してみる事に。
すると、、、
前期型インマニとブレーキブースター配管のエンジン番号での変更時期がピタリと適合。
故に220SEbの場合は前期型インマニとシングルサーキットブレーキの変更が
同時に行われていた事がハッキリしてしまいました(笑)。
話はW112の方に戻りますが、調べていた過程で一寸面白い事を発見。
W112の4枚扉およびそれらと同じ時期に生産されていた2枚扉のマフラーエンドには
1本出しと2本出しの2種類があるのですけれども、
(厳密に言うと、エンドだけでなくその前のエキゾーストパイプも1本2本の違いがあります)
今までエンジンの前期後期でその違いが出ていると思い込んでいたのですけど、
今回調べてみたら、そうじゃなかったんですよね。
W112の1本出しマフラーは4枚扉では004648まで、2枚扉では004653までだったのですよね。
つまり、前期型エンジンにも2本出しマフラーの車両が存在するという事になるわけであります。
因みに、上の画像の車両では車両から外されているものでしたが、
確かに2本出しマフラーの画像もアップされていたのですよね。
まぁ、それだけなら私の調査不足による間違った知識だったというだけで
終わってしまう話なのですけれども、面白いのはここから。
話はラングのみ除外しなくてはいけないのですけれども、
この1本出しの変更時期というのがなんと、
ブレーキサーキットがシングルからデュアルに変更される時期と、
全く同じになっているのですよね(謎)。
しかも変更時期以前の番号から除外される番号、
逆にそれ以降の時期の番号の中で含まれる番号まで全く同じなんですよね。
更に、クーペに関してはエンジンコンパートメントフラップが廃止になる時期まで
一緒なんですよねぇ。
但し、この場合は除外及び包含条項はないのですが。
因みにエンジンコンパートメントフラップの廃止と
デュアルサーキットブレーキのスタートの時期の関係については
220SEb2枚扉もW112クーペの場合と全く同じになっています。
たまたま同じ時期なのか、何らかの因果関係があるのか…。
そこの所は今の所一寸想像出来ませんが、
この辺りを前期後期の境と決めてしまっても良さそうには思えますよね。
そうそう、今まで何となく判っていたもののちゃんと調べてはいなかったのですが、
220SEbもW112もエンジンコンパートメントフラップの廃止時期が
4枚扉と2枚扉で違うみたいですね~。
220SEb
セダン 052505まで(除外される番号が8つアリ)
クーペ 049448まで
カブリオレ 049722まで
W112
セダン 005002まで
ラング 005011まで
クーペ 004653まで
カブリオレ 004727まで
どちらでも4枚扉の廃止時期が2枚扉よりも遅れているのは一体何故なんでしょうね。
実はこれを書き始めてから纏めるまでに5日位、
その前にデータを抽出するのにも数日かかっておりまして(苦笑)、ヤレヤレという感じなのですが、
色々と判った事があって面白い調査で御座いました。