今日、ふと思い立って表題の調査を行いました。
これだけでは他の方には何のことやら?かもしれないので
とりあえず画像を用意してみましたが、
300SEL6.3の時計の位置には以下に示す2種類があったのですよね。
上が古い方で下が新しい方でそれらが大まかに1970年の終わり頃に切り替わるのかな?
というのはなんとなく判っていたのですけれども、
実は具体的な分岐点を今まで判っていなかったのですよね。
んで、調査の方法としては例によって
アメリカの某オークションサイトに過去に出品された車輛54台を
片っ端から見て行く事にしたのですよね(笑)。
で、その範囲の調査での結果では
車体番号下6桁が005278の車輛が上のタイプで、005401の車輛が下のタイプでした。
ところがそれらの中に一台、時計が新しい方の位置になっている005064という車両があって、
これって一体どゆこと?って事になったのですよね。
その車両で、Bピラーが写っている画像でプレートは見切れているのに
(US仕様だとこの時期は運転席ドアを開いたBピラー上に細長いプレートが付くんですよね)
それのアップが無くて、その代わりに車体番号の打刻が写っているのですけど、、、
これ、確かに005064に見えるけど、見ようによっては005364にも見えなくもない…。
ただ、その車のシフトノブが球形のタイプなので、それがオリジナルだとすれば
005255以前の筈なんですよねぇ(謎)。
これじゃあどちらにしても資料としては使えないので、
新しい方の一番古い車として005401を採用したわけですが、
もう少し境界を詰めてみたいと思って、今度は他のサイトで探してみた所、
005364より更に005278に近い005324が新しい方の位置である事をを発見しました。
まぁ、50番以内で分岐点を見付けられれば、それが限界でしょうね。
って事で恐らく時期的には1970年の11月後半~12月の前半頃って感じなのでしょうね。
これ、ウッドパネル上の穴位置が違う筈なので
ホントはウッドパネルがこの違いで品番を変更していなくてはいけない筈なんですけど、
残念ながらパッド付きパッド無しのところでしか品番が違っていないんですよねぇ。
ってことからすると、当時、ウッドパネルは
スイッチや時計用の穴を空けていない状態で新品供給されていたのかもしれませんねぇ。
で、ここまで書いて、今、ふと思いついたんですが、
ひょっとしたらダッシュボードのベースパネルは品番が違うんじゃないかと思って
調べてみましたよ~。
ATじゃない220君のダッシュボードのベースパネルにも
ATインジケーター用の穴が開けられていたくらいですから、
きっと6.3の場合も時計の穴位は空けられているだろうと思ったのですよね。
そうしたらビンゴでそこに答えがありました。
分岐点は005328と005329らしいです。
そうなると、あれっ?005324は新しい方だったよね?って話になるのですが、
これはフットノートに例外が載っていまして、
新しい方は005329から、
但し、005253、005267、005274、005309~005312、005314~005327を含む、、、
とあり、
005324は見事に例外に当てはまっているので新しい方で正解なわけですな(笑)。
古い方の005278は例外に含まれていないのでこちらも問題なしです。
って事からすれば、逆にさっきの005064はやっぱり何かおかしいって事ですよね。
とにかくキッチリと分岐点が判明して良かったです(笑)。
こうしてEPCのデータで実際の所が判ってしまうと、
一見、上の調査が無駄だったようにも思えますが、
先にこれにぶつかった所で、
それが実際に時計の位置の変更にリンクしているか検証しなくてはいけないわけなので、
全然無駄にはなっていないのですよね(笑)。
それと、ふと、右ハンドルの場合もこの時計の位置の変更って行われているのだろうか?
と思って調べてみましたが、
やはり同様に変更が行われていました。
古い方
新しい方
やっぱり右ハンドルでも同様なんですね。
で、時計の位置を移す羽目になった理由なんですけど、
視認性の向上的な問題とかなのかなぁ、、、と考えたりしてみたものの、
どちらにしてもあんまり見やすい位置だとは思えなかった
(というより更に悪化している気が…)のですが、
ここにきて何となく理由が判ったような気がしました。
6.3はダッシュボードのウッドパネル上にセーフティパッドが付く時代から生産されていて、
それを前提にタコメーターによって所定の位置を追い出された時計を
出来るだけ見やすい位置に、、、という事で決定されたのが
古い方の位置だと思うのですよね。
で、他のモデルはウッドパネル上に時計が無いので、
パッド廃止後はライトスイッチをより操作のしやすい下の方へ移動したものの、
6.3だけは時計をこれ以上見辛い位置に移動するのがイヤだったので、
ライトスイッチをそのままの位置にしておいたのだと思います。
ところが後にライトスイッチが他のモデルと一緒に、
(恐らくフォグランプのインジケーターランプ内臓の)大型ノブの物に変更になる事になり、
そうなると流石にスペース的にライトスイッチの位置を変更せざるをえなくなって
仕方なく時計の位置を移動したって事なんじゃないかなって思うのですよね。
因みにそんな風に推理したのは
ライトスイッチとダッシュボードのベースパネルの変更時期が同じだったからなんですよね。
あと、今まで、ひょっとすると300SEL3.5って
オプションで6.3と同じタコメータとか選べたりしたんじゃないかな?
って思ったりしていたのですが、
300SEL6.3のタコメーターとダッシュボードのベースパネルが
調べてみるとそれ専用部品(!)だった事が判ったので、
そんなオプションはあり得ないという結論に達しました。
今回も私的にはなかなか面白い調査になり、
ある程度成果も出たのでやってみて好かったなァと思いました(笑)。