8月15、16日にアメリカのモントレーで行われるRM Sotheby'sのオークションに
表題の車輛が出品されるのですが、これがメッチャイイ(笑)。
オープン姿。
クローズド姿。
カラーデータが示されておらず、恐らくうちの220君とは違う色だろうとは思いますが、
近いイメージの色で塗られた300S系も好いなぁと思わされました。
外観で注目なのはリアスクリーン。
これは幌の張替えでどうにでもなってしまうので、
正直、どれがオリジナルか判らないのですけれども、
ロードスターの場合は一般的にはこんな風に、、、
と言ってもこの2例に関しても、
リアスクリーンの大きさが違ったりと微妙な差があるのですが(汗)、
そのスクリーン部が実用的な大きさを持っているのに対し、
この車両の場合はスクリーン部が
材質的にはポリカのようなものなのかガラスなのかは判りませんけれども、
カブリオレAのように小さなものになっているのですよね。
カブリオレAに近い小窓を持っているという事で本当はこっちの方がオリジナルなのでは?
と思う反面、
最近見付けた300Scロードスターでの同様な一例、、、
以外ではこの小窓のタイプを見た事が無いのでう~ん、、、と思っちゃうのですよね。
ただ、この個体の幌の場合、
恐らくスクリーンのあるピースが独立して降ろせるようになっているのだろうと思われる所で、
その上部からの雨漏れ避けだと思われるピースがベース側に縫い付けられているのですけれども、
MBのオープンモデルのスクリーン上部でよく使われる、
位置決めの?クロームのモールがないので、
この部分に関してはオリジナルではなさそうだなぁと思っています。
よくよく見ると、小窓の形状も2台で微妙に違う気がしますよね。
と言っても一方はS、もう一方はScなので
その点に関しては時期の違いせいである可能性もあるかな、、、と思いますけどね。
でね、私がやられてしまったのがこの画像なんですな。
かなりお疲れな様子はあるのですが、内装革は恐らくオリジナルで、
しかも色がこれは高い確率で220君のそれと同じであろうラストレッド。
加えて、ウッドパネルがオリジナルでは無地が多い中、
これも恐らくオリジナルだろうと思われる縞杢のマカッサルエボニー。
それにクリーム系の外装色を持つ300Sカブリオレの向こうに海が見えるというシチュエーションが
個人的にはたまらんのですよねぇ(笑)。
イイナァ。
それで上の画像でもよく見ると判るけど、こっちの方が判るかなぁ。
これ、フロアマニュアルなんですよね。
300SLクーペでも最初期モデル(4500055まで)では
この昔のトラックみたいな長~いシフトレバーのダイレクト式のフロアマニュアルなので、
1953年式であるこの車のこれもオリジナルっぽい気がするのですけど、
説明文のこれに付いての書き方も微妙な感じだし、
EPCを見ても300SLの方にはちゃんとこの形のシフトレバーが載っているけれど、
300Sロードスターの方にはコラムシフトしか出てこないから、
少なくとも普通に装備出来た物ではない気がするのですよね。
で、シフトノブを見ると、
結構年季が入っている感じなので、オリジナルかどうかは判らないけれど、
少なくともここ2~30年程度の範疇で
こんな風にコンバートした物ではなさそうな感じはしますよね。
実はGOODING AND COMPANYのペブルビーチでのオークションの方でも
300Scのロードスターが出品されるらしく、
それもフロアマニュアルになっているんですが、
これだとシフトノブの位置が低くて、いかにも別の車から持ってきましたっ!
という感じがしてしまうのに対して
この300Sロードスターのそれは私的に違和感が全くないのですよね。
因みにこの300Scのはノブの選定も×で、
見た目的にはこちらも使い込んでる感はあるのですけれども、
時代的にはこのような球形のタイプではなく、小さいタイプのキノコ型じゃないと、、、
って思ってしまうのですよね。
やっぱりね、こういう車のこの手の改造ってのは、ある程度判っている人に見せて、
ひょっとしたらこんなのもあったのかも?と思わせる事が出来たら
最高に恰好イイと思うのですけどね(笑)。
改めて内装の画像をば。
フロントシートは解れはあっても破けと言う破けもないけれど、
結構な危険水域にある感じがしますね(汗)。
シートを前後に動かそうとレバーに掛けようとした手が滑って、
オリジナル革のクッションの前側側面に大穴を開けた事があるワタクシとしては
このクッションの側面の状態を見て、
この車を実用に使うとして、これを損傷させずに使える自信がないレベルですね(苦笑)。
でも、これは是非とも張り替えずにこのままいかねば勿体ない状態だとも思います。
ドア内張りと使っていないであろうリアのスペアシートは状態が良さそうですしね。
メーターパネル。
スピードはキロだし、水温は摂氏だし、油圧はkg/㎠だし、
まず間違いなくヨーロッパ仕様でしょうね。
水温計が100度まででそこがレッドゾーンという事は
300Sの冷却系は加圧式じゃないって事なんでしょうねぇ。
実は以前から、300Sってオイルフィラーキャップみたいなラジエターキャップが付いているよな、、、
と思っていて、
EPCを見てみると300Sと300Scで明らかにキャップの絵と品番が違うのを発見。
もしかして、、、と300S系の画像コレクション(笑)を漁ってみた所、
300Scでは水温計のフルスケールが120度、レッドゾーンが115度位になっていたのですよね。
確認した中で55年のごく初期のScで1台だけフルスケール100度が居ましたが、
この時代、過渡期ではそういう事もあるのかもと思う所で、
そう言う例外を除いてはSとScでこのような違いが発見出来たのは収穫で御座いました(笑)。
憧れのベッカーニュルブルク。
これ、デーンと大きくて本当に格好良いですね。
いかにも当時の高級装備品という感じで大きくスペースを占有し
大いに存在を主張している所がイイと思います。
300Sbから初期のW111にも装備された古いタイプのメキシコになってしまうんですけど、
Scの方が好きな私としてはこれがScに付かないのが残念に思うのですよね。
本体にではなく、下のウッドパネル上にBecker Nürburgと入っているのが
また好いのですよねぇ。
因みにこのラジオの新品当時の値段を調べてみたのですが、
1952年当時で865ドイツマルクだったそうです。
1951年式のビートルが5450ドイツマルクだった事を考えると、
結構な高級品だったのでしょうね。
グローブボックス。
一寸意外なのは蓋の裏側のウッドが無地なんですよね。
(縦に木目が入っているようにも見えますが、多分違うと思うのですよね)
うちの220君の蓋はちゃんと表と同じように縞杢になっているので、
220君の方が勝っている部分もあるんだ、、、と一寸だけ嬉しくなったりしました(笑)。
でもヒンジとか、ストッパーとかロックの入る部分の仕上げなど、
他の部分の出来では足元にも及ばないですけどね(大苦笑)。
しかも、私のはボックス内は総革張りですけど、
これは底板に関しては革っぽいけれど、その他の部分は起毛した布生地張りのようで、
遥かに凝った造りになっている所は流石だなと思う所ですね。
(底板は起毛が死んじゃって革のように見えているだけだったりして…笑)
トランクルーム。
定番のカールバイッシュのスーツケースセットがセットされていますね。
スペアもちゃんと2本積んでいる所がポイント高しですね(笑)。
エンジンルーム。
変にピカピカさせず、程好い仕上がりになっていますよね。
説明文によると今の所有者は2022年の初めからこの車を持っているらしいのですが、
その方が大規模なメカニカルサービスと外観の改修をやらせているそうで、
エンジンも一度降ろして手を入れているらしいので、安心して乗れそうですよね。
なんか流れ的に何時もの順序とは違ってしまっていますが、
外見の方もいってみましょう。
例によっていつものグリル上部の画像。
ホント、このグリルの折れ目がキツイ所が好いんですよねぇ。
枠上の月桂樹付きエンブレムはお星さまに損傷がありますが、
オリジナルの好い雰囲気は他には変えられない好さがありますよねぇ。
やっぱりこの書体の細いのが恰好良いんだよなぁ。
ウインカー。
300SのこれはScよりもレンズが小さくて上品なんですよね。
多分、Scでは視認性の向上の意味で大型化したのだろうと思います。
まぁ、大きい方は大きい方で私は好きだったりしますが。
フォグランプは左右共クローズアップ画像があったのですが、、、
実は左右で物が違うという…(笑)。
角度が違うので枠まで違うかどうかは判らないですけど、
左はレンズ中央に小さなボッシュマークにBoschの文字、
右は同じく中央にボッシュマークのみで、レンズの上方が少し出っ張っているのですよね。
アウトサイドミラー。
これ、恐らくオリジナルだろうとは思うのですが、
運転席からまともに見えるんだろうか?という気もしますよね(笑)。
まぁ、ロードスターなら幌を降ろしていれば、
後方は振り返るのが一番早いと思いますけどね(笑)。
因みにEPC上で300Sではアウトサイドミラーを見付けられず、
300Scで見たのですが、左右の別が書いていなくて数量が1なので
恐らく左用しか存在しないという事なのでしょうね。
尤もこれが右に付いていたら、左以上に運転席から見えないでしょうしね(笑)。
ホイール。
Scのクロームホイール+キャップの方が好きではあるのですが、
こうして綺麗にしてあると、これはこれで好いですよね。
250時代のボディ色ホイール+2ピースキャップはこれを再現したものだと思うのですけれども、
これの場合、外枠のクロームの外側にホイールの縁が見えているという、
凝った事をしているのですよね。
リアバンパーのオーバーライダー。
これがまた凄い存在感で滅茶苦茶エラそうなのが好いのですよねぇ。
因みにこれ、左右で物が違うようですが、
前後では(左右は入れ替わるけれど)同じ部品を使用しているようです。
んで、300Scのそれと300Sのそれとは別部品になっているらしいです(汗)。
きっと、バンパー本体のラバーモールディングの有無の差なんでしょうね。
さてさて気になるestimateのほうなのですが、35万~40万ドル
今のレートで5100万チョイから5900万弱という感じのようです。
私にとっては天文学的金額ではあるのですけれども、
同じオークションで1991年のワイドボディの560 SEC 6.0が65万~85万ドル、
日本車は全く判らないんですけど、
1997年のSkyline GT-R NISMO 400Rってのが90万ドルから110万ドルって
見積もりが出ているのを見ると、
300Sロードスター、安っ!と思わず錯覚してしまいそうになります(滝汗)。
欲しいなぁ、コレ。