
CS22Sアルトワークスを購入したので今回はスズキF6Aエンジンつながりで、今でもお世話になっている横浜市都筑区の緑整備センターさんでの90年代のエピソードです。
私は若い頃からチューニングショップさんやレーシングコンストラクターさんからパーツの設計製作の仕事を受けていました。
ことの発端は雑誌optionの企画でまだ発売されたばかりのカプチーノ(EA11R)で谷田部テストコースで最高速アタックしようということから始まりました。
最初は私は主に足回りのパーツ数点をお手伝いしただけでしたが、最初の谷田部アタックでは2番シリンダーのピストンが溶けてしまいエンジンブローという結果になりました。
そこでピストン冷却のためにRB26エンジンのようにピストン裏にオイルジェットを追加してピストンクーラーを製作することになり、オイルの吐出量も今まで以上に増やす必要があるので、私のほうで従来の大容量オイルポンプを上回る吐出量のさらに多いスペシャルオイルポンプを製作しました。
そして再度谷田部アタックをおこない、見事に240km/hオーバーの「軽自動車最速」の記録を打ち立てました。
このときのパワーはたしかTD-04タービンで190馬力オーバーだったと記憶しています。
↑ちなみにそのあとKカースポーツの黄色いカプチーノがそれを僅かに超える242km/hを出しましたが、この車は4気筒F6Bエンジンをベースに排気量アップした「870cc」エンジンでした。
それに対して緑整備センターのカプチーノのF6Aエンジンはオーバーサイズやボアアップ一切なしの657cc、つまり「純粋な軽自動車の排気量のまま」での記録なのです。
その後、このF6A最高速プロジェクトはさらに記録を伸ばすため250km/hオーバーを狙おうということになりました。
そのため車体はより空気抵抗が小さく最高速に有利なスズキのキャラ(AZ-1の姉妹車)でおこなうことになりました。
当時、軽自動車のノーマル車の最高速ではAZ-1がいちばん速く、広報車とはいえフルノーマル、スピードリミッターカットのみで187km/hオーバーの公式記録があります。
そしてこのキャラに積むF6Aエンジンについてはカプチーノとは大きくチューニングの方向性を変えることに。
カプチーノはミッションが商用車のキャリィと基本同じで駆動系が頑丈なのでトルク重視で回転数は10000rpm以下で抑え(ファイナル比のハイギアード化とタイヤ外径を大きくした)たチューニングでいけたのですが、キャラは駆動系の強度の余裕がなく大トルクを受け止められません。
そのためトルクではなく回転数を上げる方向でいくことになりました。
そこで高回転化のネックになるのはF6AエンジンのHLA、つまり油圧ラッシュアジャスターの存在です。こいつが常時10000rpmを超える領域で使うと伸縮が追いつかずカムプロファイルに正確なバルブ駆動ができないばかりか、最悪は固着してしまうのです。なのでラッシュアジャスターを廃止してソリッド化する必要がありました。
↑そして私が依頼を受けて設計製作したのがF6Aツインカム専用のラッシュキラーユニットです。タペットクリアランスはスクリュー式で調整します。
ただF6Aというエンジンはヘッドカバー側にカムシフトがついているため、カムシャフトをつけたままではバルブクリアランスの計測ができないのでカムカバーのサイド面にバルブクリアランス測定のためのシックネスゲージを差し込むための穴を空けて、クリアランス調整後は蓋をするという構造にしました。
↑これがそのエンジンです。
ヘッドカバーの横に蓋が並んでいるのが分かると思います。
このエンジンはTD-05タービンと組み合わせて240馬力ほどのパワーを出すことができシルバーのキャラの車体に積んでいざ谷田部アタックへと向かいます。
↑そして最高速アタックをしました。
時速200キロオーバーまでは順調でしたがここで思わぬ弱点が露呈することに!
たしかにキャラ(AZ-1)のボディ形状は空気抵抗が少ないのですが、ミッドシップであることが裏目に出てしまい、200km/h以上でフロントが浮き上がってきてコントロール不能になりあまりにも危険であると判断してアタックは中止となってしまいました。
フロントのダウンフォースを稼ぐ空力的な改良を施せばいけたのでしょうけど、もう時間的にも資金的にも余裕がありませんでした。
結局この最高速プロジェクトはそのまま終了してその後谷田部テストコースもなくなってしまいました。
後の祭りではありますが、そのままカプチーノでやっていれば堅実に記録更新できたのかもしれません…
ちなみにこのラッシュキラーユニット一式はエンジン2基分製作しましたが、プロジェクト終了後は大阪のほうのチューニングショップに譲渡されたと聞いています。その後の行方は不明です。今でもどこかで使われているかもしれません。
まぁ、そんな思い出話です。
ですがこんなこともあって個人的にはF6Aツインカムエンジンにはちょっと愛着というか親近感みたいなものはあります。
アルトワークスが納車された日の夜に近所を走った際のYouTube動画です。
1994年式、F6Aツインカムターボ4WDのCS22Sです。もちろん5速MTでパワステなし、パワーウインドウもABSもありません。
車齢32歳、走行距離は15万キロオーバーのご老体です。
納車時の車検整備で油脂類すべて交換済み、細部まで点検してありますが、やっぱり最後は自分で確認しないと安心できないのでおいおいやっていきます。
↑タイミングベルトは12万6千キロ時に交換してありますのでしばらくは大丈夫でしょう。
↑基本的に塗装はオリジナルのようですが、やっぱ32歳のご老体ですからね、あちこち錆びが出ています。ちなみに修復歴「あり」です。
ただ気になるフロア下や足回りは年式のわりには錆びは少なくもちろん穴空きもありません。
ちなみにヘッドライトはLEDバルブ(メーカー未確認)がついています。この状態で車検通っています。
↑エンジンはフルノーマルですが、あちこちアルミテープが貼ってあったりアーシングケーブルが目立ちます。前のオーナーはこの手のものが好きだったのでしょう。
このへんは少しずつ外すか整理していきます。
エアクリーナーはHKSパワーフロー(150φ)がついています(純正エアクリーナーケースも付属品として車に積まれていました)。
↑マフラーはフロントパイプは純正の触媒つき、リアピースはapexiのボンバー3マフラーがついています。このマフラー、見た目に反して音はかなり静かで深夜の住宅街でも気をつかうことなく走れます。もちろんそのまま車検も通ります。これも純正マフラーが車に積まれていました。
↑なぜかフューエルリッドは未塗装のものがついています。これは自分で車体色のオリンポスホワイトに塗ろうと思っています。
本日午後に納車されてまだまだチェックしきれてない箇所も多いけど、致命的な問題はなさそうです。ただちょっと見ただけでも直したい箇所は多いのでこの先いろいろ手間がかかる予感がします。
まぁ、それを楽しめればいいかなと考えていますけどね。
※なんかブログに写真貼るとなぜか6枚までしか正常に貼れないんですよね。
ほんとはもっと写真貼りたいんですがそうすると保存時に「文字数がオーバーしてる」とか警告が出てしまいます。
みなさんのブログ見るともっとたくさん写真貼られているのでなんか私のやり方が間違っているのでしょうかね。

ヤフオクにちょっと面白いトリシティ125/155専用のアルミホイールが出品されています。
トリシティ125/155の標準の前輪タイヤサイズは90/80-14ですが、私はさほど気にしてはいないのですが、人によってはこれが見た目はやや細くて頼りないようにも見えるようです。
たしかに300に比べればやや貧弱に見えるかもしれません。
そこでもう少し太いタイヤで迫力を出したいというのがこのアルミホイールです。
このホイールに120サイズのタイヤを履かせることで見た目の迫力を増すことができるわけです。
ただ当然ですがタイヤが重くなりますので運動性能や軽快さは落ちます。
つまり「性能を取るか、見た目を取るか」というわけです。
なおこのホイールはオフセットを大きくしているのでスペーサー不要でそのままワイドトレッド(480mm)になるので4輪普通免許仕様専用となります。
ちなみにこのホイールを開発、発売した「TRIX」というお店は以前は「グロースター羽田店」という名称で東京の大田区にあるのですが、実は私のトリシティはこのお店で購入しました。
このお店は3輪バイクを扱う歴史が長く、まだトリシティが発売前のピアッジオMP3の時代からワイドトレッド仕様を販売していてトリシティ発売後も他店よりも剛性の高いワイドトレッドキットを開発していてそのノウハウや実績は非常に豊富です。
私がトリシティを購入するためにお店に行ったときも前輪に軽自動車用のタイヤを履かせたトリシティがあったりして以前からトリシティの「太足化」をなんとかカタチにしたいとトライ&エラーをしていたようです。
そしてこのオリジナルアルミホイールの開発に至ったということです。
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