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2018年11月30日 イイね!

クロモリ材を使う意味

クロモリ材を使う意味
自転車のスチールフレームの素材には通常の炭素鋼(おそらくS45C相当材)とクロモリ(クロームモリブデン鋼、おそらくSCM435相当)がよく使われます。

で、炭素鋼のフレームは安物としてバカにする人が多いのですが、金属材料や熱処理を勉強してきた私から言わせればそんなことはなく逆で、ほんとにクロモリを必要とし、さらにクロモリの特性を活かして使用できているケースはほとんどないと言えます。

そもそもなぜクロモリを使うのか?という原点から考えてみましょう。おそらく多くの一般の人は「クロモリ=強い材料」という漠然とした認識だと思います。ですがこれは大きな間違いです。クロモリ材であろうが、炭素鋼であろうが「熱処理せずにそのまま使う上では強度も剛性もまったく変わらない」のです。

私は仕事でレーシングカーのパーツも作りますが、一例として過去にGTマシンのアップライト(ハブベアリングハウジングとナックルアームAssy)を作ったときのことを書きます。これは素材はすべてクロモリSCM435で、ハブベアリング部分の旋盤とワイヤーカットで削り出したパーツとサスペンションアーム取り付け部のパイプ構成パーツを溶接して一体化します。
そして溶接後に完成したアップライトAssyを熱処理炉に入れて全体を硬さHRc35程度になるように焼き入れ(この程度の硬さの場合は「調質処理」とも呼びます)し、全体を均一な硬さになるようにするのです。
その理由ですが、溶接しっぱなしでは、溶接部付近は溶接時の過熱と冷却で硬くなるかあるいは逆に軟化してしまい、パーツ全体の硬さが不均一となって弱い部分に応力が集中し、最終的には破壊してしまう危険性があります。また、全体の剛性バランスも素材の硬さにバラツキがあると均等に分散できません。なので、溶接後の熱処理は絶対に必要なのです。

ただし、熱処理後は必ず歪みが出ますので、それを矯正したり精度の必要な部分は最後に機械加工で仕上げるので、非常に手間のかかる(=コストのかかる)工程になります。ですが、ここまでやってはじめてクロモリを使った意味があるのです。

しかし自転車のクロモリフレームってきちんとここまでやってるのでしょうか?ただクロモリ材を使って溶接してそれでおしまいではないでしょうか?それではハッキリ言ってクロモリを使う意味などまったくありません。
さらに言うと仮に熱処理をきちんとしたとしても自転車のフレーム程度の肉厚のものにクロモリを使う意味はありません。
なぜかと言うと、そもそもの話なのですが、クロモリというのはその名の通りクロームやモリブデンといった合金成分が含有されていますが、なぜこうした合金成分が入っているのか意味がわかる人がいますか?こういった合金成分はすべて「焼き入れ性の向上のため」に入っているのです。

焼き入れというのは炭素分が0.25%以上含まれたスチール材を800度以上の温度から急冷することでマルテンサイト組織にして硬くすることなのですが、ここで鍵になるのは急冷するスピードなのです。肉厚が厚くなればなるほど表面はすぐに冷えますが、内部はすぐには冷えません。そうすると炭素分が析出してしまい十分な硬さにならないのです。つまり外皮は硬くなっても内部は柔らかいままということになります。これはこれで部品によっては使いようがあるのですが、ねじれ応力を受ける部品では疲労破壊の原因になるので、外皮から内部までできるだけ均一な硬さにする必要があるのです。
そこで重要な役目を果たすのが合金成分、クロームやモリブデンです。こういった合金成分を適切な量含有させると、多少冷却スピードが落ちても内部の硬さを保つことができるのです。クロームやモリブデンはそういった目的のために入っています。

つまりこれはその部品がある程度の肉厚(具体的には20mm四方くらい)のある場合に有効なことなのです。逆に言うと肉厚が薄いパーツの場合は特殊な合金成分など入っていなくても外皮から内部まで均一に焼きが入るのです。
ここまで書けばわかるように、自転車のフレームのように2mmとか3mm程度の厚みしかないようなパーツにクロモリ材を使ってもハッキリ言って意味などありません。
しかも前述したように溶接後に熱処理炉に入れて調質処理をおこなってこそ意味があることなので、ただ溶接してそのまま完成という手順ならなおさらクロモリのいいとこはまったく活かせていないのです。まさに無駄です。
つまり、スチール材の自転車のフレームの素材は炭素鋼もしくはハイテン鋼で充分なのです。クロモリなど使う必要性はまったくありません。

ではなぜクロモリ材を使うかというとそれはズバリ「商品性向上のため」にすぎません。クロモリを使っていると聞くと「なんだかよくわからないけど強そうな材料でできているんだ」というイメージを客に与えることができますから、たとえば廉価な自転車や他社の炭素鋼フレームの自転車より高級品なんだと宣伝できるわけです。


ちなみにS45Cの「45」というのは炭素含有量が0.45%であることを示し、SCM435の「4」は4種を、「35」は炭素含有量が0.35%であることを表します。
Posted at 2018/11/30 17:14:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2018年11月25日 イイね!

排他的思考と建設的思考

排他的思考と建設的思考世の中で何か問題が起きたときの思考にふた通りあることが多く、それによってその人の頭の良さ、賢さがわかる。

例えば何か問題が起きるとすぐその対象を「規制しろ、取り締まれ、禁止しろ」という排他的、感情的、自分には関係ないことだから要らないみたいなネガティブなことを言う人は思考能力ゼロでハッキリ言ってバカである。

頭の良い人は問題に対処するときにポジティブな思考をするものだ。つまりその問題の対象を排除しようとするのではなく「どうすれば共存できるのか?」という手段を探す。いわゆる建設的な考えである。こういう人こそ頭が良いと言える。

最近で言えば高齢者ドライバーや自転車の交通マナーが良い例だ。ネット上ではほんと「免許取り上げろ」「邪魔だ車道走るな」など感情的でおよそ知性のない発言が多い。「公道」とは「おおやけの道」と書く。そこには様々な車両や歩行者もいる。自分が思い通りに走れないからと遅い車両などをすぐ邪魔などと思考する人間は堪え性が足りない証拠で、それは社会性に乏しい未成熟な思考の証明だ。つまり肉体年齢は大人でも頭脳は子供ということである。そういう人間がいわゆる煽り運転などをするのだろう。まるで「道路は自分のものだ、世の中は自分を中心に回っているんだ」というまことに自分勝手な大人である。
逆に大人の考えをする人はこうした問題に対して「どうしたら共存できるのか、高齢者や自転車を交通社会から排除しないようにするにはどうすればいいか」という思考をするのだ。

車を運転することはもちろん技術は必要だが、それよりも人間としての適性がもっと求められると私は思う。いくらプロレーサー級の腕をもっていても自分勝手な思考をする幼稚な脳みそを持った人間には免許を与えない方がいいのではないだろうか。

自動車教習所では入学するとすぐに適性テスト(視力とかの適性試験ではない)をして自分の性格などからなにに気をつけて運転するべきか判断された結果を渡されるが、この段階で明らかに運転に向いていない性格や社会人として未熟な人を排除すべきだと私は思う。適性検査にその人の「性格、人格」など心理テストや精神テストも加えるべきであろう。すぐに頭に血がのぼる攻撃的な人間に運転免許を与えることはまさに「キチガイに刃物」である。

よく運転の標語で「腕ではなく心で運転する」ということを聞くが、今まさにそれが求められている時代だと思う。
私は車を運転してるときに自分の前に遅い車や危なっかしい自転車がいても心を乱さないために「これは自分自身に与えられた人生の修行なのだ」と自分に言い聞かせて平常心を失わないよう心がけている。これだけでもずいぶんイライラは抑えられるものだ。タイトル画像の山本五十六閣下の言葉が私はとても好きで、何かイラつくようなことがあるとこの言葉を思い出して気を鎮める。

世の中にはいろんな人がいてみな助け合って社会が成り立っているのだ。常に心に余裕を持って運転しよう。
Posted at 2018/11/25 13:04:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2018年11月19日 イイね!

乙女椿の狂い咲き?

乙女椿の狂い咲き?私の家の表庭に乙女椿の木があるのですが、例年はだいたい年明けの2月から3月にかけて花を咲かせるのですが、今年はどうしたことか11月にもかかわらずもういくつか開花しております。


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いわゆる「狂い咲き」ってやつですかね。私の記憶にある限りでは初めてです。
今年の冬は暖冬ということなのでその影響かもしれません。


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これは数年前に撮った写真。八重咲きが見事でしょう。
その年によって花の大きさはまちまちですが、大きく育ったときはほんと綺麗です。


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薄いピンク色も可憐で「乙女椿」という名前がぴったりですね。
Posted at 2018/11/19 13:58:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2018年11月15日 イイね!

医療行為? 芸術?

医療行為? 芸術?
刺青を彫る「彫り師」が医師の資格がないのに施術したことに対し医師免許が必要かどうかを争う裁判で、一審は有罪であったのに二審の高裁では一転して無罪判決が下った件。

これについて様々な意見がありますが、勘違いしてはいけないのはこの判決は決して「無資格で誰でも刺青を彫ってもいい」という意味ではなく「現時点の日本の法律では有罪にできる確固たる法規制がないため無罪にするしかない」ということなのです。つまり「クロにできない以上シロとするしかない」という法治国家の原則に基づいた判断です。

しかしテレビやネットの上ではまるで「刺青を彫るのに資格は不要」みたいな論調で語ってる人ばかりで、中には「刺青はネイルアートやメイクと同じで、芸術やアートのようなものなので当然だ」とアホ丸出しなコメントを言う人までいる。

これについては私ははっきりと反論したい。刺青(タトゥー)はネイルアートなどとは全く違う。ネイルアートやメイキャップは肌や爪の上にただ塗るだけのいわば「ペイント」でしかなく、すぐに落として元どおりにすることができる(ただし薬品アレルギーなどの問題があるのでそれについての知識は必要)。

それに対して刺青は人の体に針を刺し、染料を注入するという「処置」であり、基本的に元に戻すことは困難だ。しかも刺青を入れているところを見たことがある人ならわかるが、刺青を入れる際は出血を伴うのだ。つまり刺青を彫る行為は注射を刺すこととなんら変わりがない「医療行為」なので、彫り師にきちんとした衛生面の知識と技術がなければ感染症などの危険をともなう。もちろん施術する場所も衛生的な規制をクリアしてる場所である必要がある。人の体を傷つける行為である以上、施術した人に健康被害が出れば「傷害罪」が適用される可能性さえあるのだ。
こう書けばネイルアートなどとはまったく異質のものであることがおわかりいただけると思う。ネイルアートはよく駅の地下街で露店のような場所でやっているが刺青はそんなお気楽にできるもんじゃない。刺青はどちらかというとピアスの穴を開ける行為に近いと言える。もしくは美容整形のジャンルだ。

ただ、現時点では日本の法整備が追いついていないことは確かだ。この背景にはそもそも刺青というのはまずカタギの人は入れない、ヤクザなど裏社会の人のものという認識が強いため、今までは放置しても問題なかったからだ。だけど近年はタトゥーなどと呼ばれて海外からの「逆輸入」みたいに今後はファッションのひとつになっていく可能性があり、一般人でも今後は刺青を入れる人が増えていく可能性がある。

そんな中でまだはっきりとした法律がないのはマズイ。なるべく早めに国会で議論をして「準医療行為」という扱いで資格を制定すべきだろう。医師免許ほど厳しくなくてもいいが、最低限の衛生管理が必要なことは書いた通りなので、少なくとも看護師レベルの医療知識は必要であろう。また、施術する場所も個人の開業医レベルの衛生や薬品管理ができることが条件として必要なのではないかと思う。
Posted at 2018/11/15 17:26:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2018年11月04日 イイね!

CREWについて

CREWについて

CREWという乗り合いアプリをご存知でしょうか。
ようはUBERと同じ、一般のドライバーがタクシー同様に客を乗せて目的地まで運ぶサービスです。

でもこれは明らかに白タク行為と実質同じです。 会社側がCREWは白タクではないという根拠は、白タクは乗せた客から「直接」報酬を受けるのに対し、CREWは客からは金を受け取らず基本無報酬で、その後乗せた客からの善意という形の「チップ」を受けるというのが白タク行為には当たらないとしている根拠です。もちろん、ガソリン代や高速代などの経費は別途実費が支払われます。

しかし、これは私に言わせれば単なる論点のすり替えで、実務面を見れば不特定多数の客を目的地まで運ぶという行為は誰がどう見てもタクシーと同じです。人を運ぶというのはトラックで荷物を運ぶのとは違います。「人の命」を運んでいるのです。果たしてこれをやっている人にそういう自覚があるのでしょうか?

もちろん、事故に備えて会社側では保険には入っているらしいですが、人身事故っていうのはただ金の問題だけじゃないってことちゃんと理解しているんでしょうかね。人身事故を起こすと相手によっては誠意を見せろとか長くゴネる人もいて、精神的に追い詰められることもあるんです。私の友人が若い頃にそれで苦労したのを見てますので。

会社側は採用時に面接をはじめとした試験をしているといいますが、世の中ハンドルを握ると人が変わる人もいます。このご時世、ドラレコによって様々な危険運転をするドライバーがいることが映像で見れるようになりましたし、こういう人たちの運転する車に安易に乗ろうなんて考えられない。本業のタクシードライバーでさえ危なっかしい人もいるというのに、それ以下の人が運転する車に命を預けられますか?

それに基本無報酬というのも実に恐ろしいことです。仕事の基本として「報酬を得ない仕事には責任感が欠如する」というのがあります。ようするに善意や自己満足といったボランティア感覚で人の命を運ぶなんてとんでもない。人の命を運ぶならきちんと相応の対価を受けなきゃいけません。そうしないと責任が生まれない。つまりそれがタクシーなのです。タクシーが高いのはその辺の「万が一」の際の安全に対する対価なのですから。

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↑仕事というのはまさにこういうこと。ガキの遊び感覚で人の命を預かるなんて私にはできない。


それに運転技術についても普通の一種免許ではなく最低でも普通二種免許保持者でなければこういった「旅客業務」させてはいけません。運転代行でさえ今は二種免許が必要なのに、CREWのようなサービスが二種免許なしでもOKなんて筋が通りません。

以上のようにこのCREWというのは明らかに法的な抜け穴を利用してるとしか言えませんので、このへんについて法改正を急ぐべきです。この際に難しいのは、個人が善意でおこなういわゆるヒッチハイクとどのように分けるかがいちばんのポイントになるでしょう。こうした業者はこの盲点を突いてきますからね。

規制緩和はけっこうなことですが、それと引き換えに安全を犠牲にしてはいけません。
Posted at 2018/11/04 10:30:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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「@fa60t TT100懐かしい〜。30年以上前にモンキーで使ってました!当時は定番でした。」
何シテル?   11/08 18:06
はるなすです。はじめに、海苔でスシ飯とサーモンをやさしく巻いて…ちくしょう!だいなしにしやがった。お前はいつもそうだ。このスシはお前の人生そのものだ。お前はいつ...
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