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2013年12月02日 イイね!

ホンダ・フィットハイブリッド試乗レポート

ホンダ・フィットハイブリッド試乗レポート









~最高の燃費を手に入れた革新的フィット~

今回はフィットの中でも特に人気の高いハイブリッドモデルに試乗しました。アコード同様エンジンを発電機にした新たなハイブリッドシステムで、非常に優れた燃費性能を手にした新たなるフィットはどんな車に仕上がっているのか。日本でもトップクラスの人気を誇るフィットハイブリッドに迫りました。

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◆試乗車情報◆

車種:フィットハイブリッド
グレード:HYBRID・Lパッケージ
排気量:1300cc
ミッション:7DCT
車両重量:1130㎏

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◆エクステリアデザイン◆

今回試乗したフィットハイブリッドは旧型とは全く違ったデザインに様変わりし、新たなホンダ顔になりました。従来同様、色とりどりのカラーバリエーションは全9色が設定されており、イメージカラーの鮮やかなビビッドスカイブルー・パールや新色のアトラクトイエロー・パールから、落ち着いたライトベージュ・メタリックなど、たいていの人の好みをカバーしています。フロントは今までのコンパクトカー市場にはない新鮮味のあるデザインが採用され、個性が強いフロントマスクになっています。ハイブリッドモデルの中間グレードにあたるLパッケージではヘッドライトにLEDが採用されていて、先進性も感じられます。全体的なフォルムは初代からの流れを汲むフィットらしいラインですが、フロントとリアのデザインが刷新され、旧型とは全く違う雰囲気になりました。シンプルな旧型と比べると、アクの強い個性的なデザインになったと言えます。

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◆インテリアデザイン◆


内装はコンパクトカーとしては珍しく、質感向上を狙ったソフトパッドが助手席側のグローブボックス上部に設けられています。さすがに高級車の質感には及ばないものの、コンパクトカーとしては十分健闘しています。それから目を引くのがハイブリッド専用のシフトレバーです。プリウスのように、通常はセンターポジションにレバーが位置し、操作時にバックギアやDポジションに移動させるタイプになっています。通常のガソリンモデルと差別化している点は評価できます。エアコン操作部はタッチパネル式で先進性は感じられますが、指紋などが目立つため、綺麗に維持するためにはこまめな拭き取りが必要になります。メーターは以前からハイブリッド車に採用されているアンビエントメーターで、メーター内の間接照明でエコドライブかどうかの判定をリアルタイムで確認することができます。ブルーがベースの白文字メーターは視認性にも優れています。総じてインテリアはコンパクトカーとしては平均以上の仕上がりになっています。

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◆動力性能◆

動力に関しては、システムが従来のフィットハイブリッドとは全く別物になりました。エンジンは基本は発電機として使い、モーターで走行し、必要に応じてエンジンがアシストに入ったり、エンジンのみで動いたりと、燃費最優先で細かなセッティングがなされています。複雑なセッティングですが、運転していても違和感を感じることはありません。ただし、小さい排気量でシームレスな加速をするため、パワフルさを感じにくい印象です。また、瞬発力という面ではやや劣る感じがあります。しかしながら、それを差し引いても有り余るくらい非常に優れた燃費性能がこのフィットハイブリッドの持ち味です。従来、30㎞/l以上走るようなハイブリッドカーでは、重苦しい加速で多少なりとも我慢をしいられることがありましたが、フィットハイブリッドでは市街地走行でもほとんどそのようなことはありません。十分許容範囲の走行性能になっています。

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◆ステアリング・足回り◆

ステアリングフィール、足回りともにごくごく普通のコンパクトカーです。少なくとも試乗レベルでは何一つ特徴も感じなければ違和感も感じない自然なものです。これは言い換えれば、万人ウケする乗り味ということになります。フィットの立ち位置を考えるとこれはこれで100点といえると思います。

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◆居住性・静粛性◆

居住性は初代から定評のあるフィットなので、当然新しくなったフィットでもそれは踏襲されています。前席、後席、荷室、頭上スペース、どれもコンパクトカーとしては平均以上のレベルです。しかし、静粛性は、新しいハイブリッドシステムのまだ未熟な部分が出てしまっています。モーターの電気的な音が室内に入ってきます。これはエンジン音とは違い、お世辞にも良い音とは言えません。アコードハイブリッド同様、これは改善の余地がまだまだ残されています。

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◆総評◆

国内のコンパクトカーを牽引するフィットですが、燃費と価格のバランスが重要視されるコンパクトカーとしてはニーズに十分対応しています。非常に高いコストパフォーマンスと、優れた燃費性能はこのクラスでは大きなウリになっています。総合的なバランスという意味でも高いポテンシャルを持ち合わせています。ただし、女性の多いマーケット層でもあるコンパクトカーにおいて、アクの強いデザインとピンク系カラーを無くしたことが、女性ウケという面では旧型よりも劣る部分ではないかと思われます。この辺りは特別仕様車などで対応してくるのか今後の動向に注目です。

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◆5段階評価◆

エクステリア:★★
インテリア:★★★★
動力性能:★★★
足回り:★★★
静粛性:★★
コストパフォーマンス:★★★★
Posted at 2013/12/02 21:35:49 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗レポート | クルマ
2013年12月01日 イイね!

ホンダ・フィットRS試乗レポート

ホンダ・フィットRS試乗レポート









~フィットらしくないフィットRS~

今回は大人気フィットの中では最も通好みであろう、RSグレードのMTという車両を試乗しました。モデルチェンジでさらにフィットらしからぬ攻撃的なフロントマスクになり、試乗車は専用カラーのサンセットオレンジⅡということで、車に詳しくない人が見たら完全にフィットには見えないという、新たなフィットRSの試乗記を下記に載せました。

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◆試乗車情報◆

車種:フィット
グレード:RS
排気量:1500cc
ミッション:6MT
車両重量:1050㎏

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◆エクステリアデザイン◆

今回試乗したフィットRSも通常のフィット同様、モデルチェンジでエクステリアデザインが大幅に刷新されました。サイドのラインにはフィットらしさが残ったものの、フロントマスク、リアスタイルともに旧型のイメージはもうありません。旧型のような誰にでも受け入れられる定番デザインと比べ、新型は完全に好みの分かれるデザインになりました。ただRSに限っては、新型のフロントマスクの方がスポーティーというコンセプトに合っている印象です。LEDポジションライトがフォグランプベゼル内に装備されている点は新鮮味が感じられて、良い意味でフィットらしくない意外性があります。リアのデザインはシンプルながらも、テールランプ部を個性的な形状にすることで独自性を出しています。特にこのテールランプは、このクラスにしては珍しく、ボディ側とリアハッチ側の2つに分けられていて、価格競争の激しいコンパクトカークラスとしては、かなり手の込んだデザインと言えます。

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◆インテリアデザイン◆


内装もエクステリア同様、デザインこそ大きく変わりましたが、質感、内装カラー、雰囲気という面ではフィットらしさが感じられます。旧型と最も大きい違いは、エアコン操作部がタッチパネル仕様になった点です。新型オデッセイにも装備され、これから主流になるであろう装備がフィットにも搭載されたかたちです。全体的な質感は150万円クラスのコンパクトカーといったレベルに収まっていて、今回のモデルチェンジは質感の向上というよりは、デザイン変更がメインという感じです。そしてRSに限ってのことですが、RSにはオレンジステッチの専用シートが設定されるのですが、いまいちブルー発色のメーターと合っていない感じです。プッシュタイプのスタートボタンも赤色なので、全体的にオレンジ系統の色が強いにもかかわらず、メーターは通常の1500ccタイプと同様ブルー発光になっています。視認性などの問題やコスト面などの問題があるのかもしれませんが、その色使い一つのために、チグハグな印象が残りました。この辺りはRSでなければシートにオレンジステッチが入らないので感じない部分ですので、RS限定でのウィークポイントということになります。

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◆動力性能◆

エンジンですが、今回のフィットからSOHCではなく、新たにDOHC仕様のエンジンに変わっています。その気になるエンジンですが、中速域を最も得意とするエンジンというのが今回の試乗の印象です。MTとの相性もあるのかどうかは定かではありませんが、0~40㎞/hの間ではやや力強さに欠けるものとなっています。しかしそれ以降の中速域では再加速も含め、コンパクトカーとしてはなかなかのトルクを感じさせるものになっています。小さい排気量の車ほど中速域での再加速を苦手とする車が多い中、この辺りは十分合格点のエンジンと言えます。それから、今回の試乗車はMTでしたが、このMTのシフトの操作性が旧型のMTとはかなり違うものになっています。旧型で感じられたグニャっとした操作感はほぼ無くなり、カチっとハマるシフトになっています。表現としてはアナログな操作感から、機械的なデジタルのような操作感になった印象です。誰にでも扱いやすい操作性に改良されています。MTに慣れている人なら、初めて運転しても、シフトを入れ間違えることはまずないと思われます。クラッチの奥行きはかなり浅く、軽い力で踏み込めます。これもコンパクトカーとして、MT入門と考えれば妥当なセッティングです。シフト、クラッチとも扱いやすいセッティングで、フィットに最適な操作性という点は評価できます。

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◆ステアリング・足回り◆

ステアリングフィールはそれほど旧型と比べ、変わった印象はありませんでした。いわゆるコンパクトカーのスポーツグレードらしい、ある程度キビキビとしたステアリングフィールです。操舵感は軽すぎるというほどではありませんが、重いというほどでもありません。ヴィッツRSよりは軽めです。足回りに関しては、まだ煮詰まっていないというのが感想です。硬い足回りと一言で言っても、路面の凹凸を軽快に捌く嫌味の無い硬さと、路面の凹凸を突き上げるように拾うタイプとがありますが、フィットRSは後者の方にあたります。これが結果として乗り心地、乗り味を悪くしています。日産ノートのライダーのどっしりした足回りと比べてしまうと、まだまだ完成度という点では未熟な部分が感じられました。

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◆居住性・静粛性◆

居住性は多方面から高評価を得ているフィットとあって、このクラスとしては優れた室内空間を誇ります。乗車する際も自然に座ることができます。シートに関しては、質感、座り心地は価格相応、クラス相応といった具合です。静粛性は、やや雑音が室内に入ってくる印象です。こちらは乗り心地と静粛性が良くも悪くもリンクしてしまっている感じです。

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◆総評◆

それぞれ美味しい部分だけを寄せ集めて良いトコ取りしたイメージの強いフィットですが、RSはスポーツタイプとして設定してあるだけあって、万能タイプではなく、やはりスポーツ志向の人向けというのがよく伝わってくる車でした。価格もフィットとしては180万円とかなり高価な部類に入るため、誰にでも“買い”かと言われると、当然そうではないグレードになります。上記のように、バランスの良い量販グレードではないので、良い所も悪い所も理解した上で、それでもRSがいいという人が選ぶグレードです。デザインは旧型RSよりもRSらしさが出ているので、デザインが気に入った場合とMTを選びたいという人にはRSもアリだと思います。数あるフィットのグレードの中でも、最も個性的なグレードがこのRSです。

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◆5段階評価◆

エクステリア:★★★
インテリア:★★★
動力性能:★★★
足回り:★★
静粛性:★★
コストパフォーマンス:★★
Posted at 2013/12/01 19:33:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗レポート | クルマ
2013年12月01日 イイね!

トヨタ・マークX試乗レポート

トヨタ・マークX試乗レポート









~トヨタのスポーツセダンの代表格~

今回は今では希少なFRのスポーツセダンであるマークXに試乗しました。スポーツセダンとはいえ、トヨタらしい高級感もそなえ、コアな層からまだまだ根強い人気を誇るマークX、そして、その最大の特徴でもあるV6エンジンに特に着目しながら試乗しました。

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◆試乗車情報◆

車種:トヨタ・マークX
グレード:250G
排気量:2500cc
ミッション:6AT
車両重量:1510㎏

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◆エクステリアデザイン◆

今回試乗したのは6気筒2500ccエンジン搭載で250Gグレードというスタンダードなモデルでした。上級グレードと比較してしまうと、少々プレミアム感は劣りますが、端整なフロントマスクはなかなかの存在感があります。特にフロントグリルとヘッドライトの形状が非常に練られたデザインとなっていて、高級感とスポーティーさのバランスが絶妙です。しかしながら、フロントのデザインが良いばかりに、サイドとリアの普通すぎるデザインが全体のバランスを崩しているのが残念な部分。特にリアウインドの後ろが急にストンと落ち込むデザインが悪い意味でセダンらしさを助長してしまっていて、このあたりがもう少し流線的なデザインになるとスポーツセダンとしてもっと若々しいデザインになるはずです。Bピラーより前の部分は非常に良いデザインなので、リアのデザインが何とも惜しい点です。

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◆インテリアデザイン◆


内装のデザインは、メーターこそスポーティーな独立4眼タイプですが、それ以外はスポーティーというよりかは、高級な雰囲気を醸し出しているデザインになっています。インテリアパネルはグレードによって木目調だったり、幾何学模様パネルだったり様々ですが、この車には幾何学模様のインテリアパネルが最もしっくりくる印象です。全体的な内装のデザインは落ち着いたものになっています。

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◆動力性能◆

今回の試乗車はV6タイプの2500ccエンジンでしたが、こちらは非常に素晴らしいエンジンになっています。6ATとの相性も良く、ATの繋ぎ目を全く感じさせないシームレスかつスムーズな加速で、フロントマスク同様、スポーティーさと高級感の両方を感じられます。エンジン音も雑味が全くなく、音量、音質ともに優れています。動力面も音もどちらも高いレベルで、官能的なスポーツセダンらしいエンジンです。これほど優れたエンジンということで、一つだけ付け加えるとしたら、MTの設定が無いことが非常に残念な点です。これでMTの設定があれば文句無しです。

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◆ステアリング・足回り◆

ステアリングフィール、足回りは共にいわゆる典型的なセダンの味付けです。これといってスポーティーな雰囲気はありません。市街地走行のレベルでは後輪駆動というのも強く感じるものではありませんでした。この辺りは無難にトヨタらしい味付けでまとめられた車です。エンジン性能が非常に良いだけに、こちらはやや物足りない感じも否めません。雑な言い方をすると中途半端ですが、それゆえに、好みが分かれるということはなく、誰にでも扱いやすい乗り味だと思います。

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◆居住性・静粛性◆

居住性はとりわけゆったり感があるわけではなく、サイズ相応のセダンといったところです。大人4人が長距離を乗っても特に不満は感じない室内空間になっています。静粛性はかなり高いレベルに仕上げられていて、適度にV6エンジンの音が入り、それ以外の余計なロードノイズなどはあまり入ってきません。こちらは高級スポーツセダンという表現に合った静粛性と言えます。

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◆総評◆

マークXは一言で言うならば、非常に良い部分と悪い部分がはっきりしていて、わかりやすい車というのが今回試乗した感想です。エンジン性能は非常に優れていて、フロントのデザインも“チョイ悪”的エッセンスがあり、スポーツセダンとしての魅了十分です。静粛性も同じ価格帯の車と比べて優秀です。あとは、リアのデザインにもう少しスポーティーさが加われば、第一印象はかなりのレベルになります。悪い部分は、燃費性能。これは他のトヨタ車の環境性能がかなり向上してしまっているため、どうしても目立ってしまいます。クラウンやカムリやSAIの数値を見てしまうと、やや乗り遅れた感じがしてしまいます。ただこちらはモデルチェンジ等があれば改善されることでしょう。もう一つどうしても気になった点が、ドアの開閉音で、これだけ完成度の高い車で、なおかつ、そこそこの車格のあるセダンであるにもかかわらず、なぜこの音になってしまったのか、というのが疑問です。全体的に良い車に仕上げられているのですが、ドアの開け閉めで、一気に車格のイメージが狂ってしまいます。これは非常にもったいない点です。良い車だけに、そういう所が目立ってしまうわけです。逆に言えば、悪いところはそれくらいとも言えます。総じて完成度の高い高級スポーツセダンでした。

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◆5段階評価◆

エクステリア:★★★
インテリア:★★★
動力性能:★★★★
足回り:★★
静粛性:★★★★
コストパフォーマンス:★★★
Posted at 2013/12/01 14:14:46 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗レポート | クルマ
2013年11月29日 イイね!

トヨタ・クラウンアスリートハイブリッド試乗レポート

トヨタ・クラウンアスリートハイブリッド試乗レポート









~新たなフロントグリルを手に入れたアスリート~

今回はトヨタのフラッグシップモデルであるクラウンのアスリートシリーズを試乗しました。その名の通り、クラウンの中でも若々しいフロントマスクですが、きちんとクラウンのオーラを纏うアスリート。そのアスリートから燃費も良好なハイブリッドモデルについてレポートしていきます。

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◆試乗車情報◆

車種:トヨタ・クラウン
グレード:アスリート(ハイブリッド)
排気量:2500cc
ミッション:CVT
車両重量:1630㎏

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◆エクステリアデザイン◆

今回試乗したのはクラウンアスリートのハイブリッドモデルで、特別塗装色のプレシャスブラックパールの車両でした。フロントはロイヤルとは全く違うデザインのグリルで、このグリルがアスリートの一番の特徴になっています。ロイヤルの落ち着いたイメージとは似ても似つかぬ迫力あるものになっています。大胆な形状ですが、違和感は全くなく、フロントに引き締まった印象を与えています。サイドやリアのデザインは他のクラウンシリーズとほぼ同じです。プレシャスブラックパールは、塗料の粒子を平らに整列させ、立体感を際立たせる塗装とのことですが、余程の車好きのレベルではなければ、トヨタのブラックマイカと区別がつきません。プレシャスブラックパールの方が近くで見るとラメの輝きが強いですが、遠くからではその違いもわかりません。

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◆インテリアデザイン◆


内装のデザインは基本的にロイヤルと同じです。ロイヤルには合っている雰囲気ですが、アスリートとなると、やや物足りないというか、スポーティーさに欠ける感じが否めません。大胆なフロントと違って、内装は落ち着いたものとなっています。質感は価格に見合ったレベルです。アスリートを名乗るのであれば、もう少し尖った雰囲気であってもいいと思いました。

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◆動力性能◆

今回の試乗車はハイブリッドモデルなので2500ccのエンジンとハイブリッドモーターという組み合わせの動力源になります。基本的にこちらもロイヤルハイブリッドと同じですが、ロイヤルに比べて足回りがやや固めにセッティングされているせいか、走り出しに感じる重苦しさが、ロイヤルよりは感じにくい印象です。ただし0~30㎞/hまでの出足はやはり思い描くイメージよりワンテンポ遅れてついてくる感じです。よく言えば重厚感がある、悪く言えば初速からの瞬発力に欠けるといったイメージです。ただし、2500ccエンジンとトルクのあるモーターとの組み合わせなので、中速域以降からはスムーズかつシームレスな伸びやかな加速力を発揮します。市街地走行で不満はまず感じることのない動力性能です。

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◆ステアリング・足回り◆

足回りはロイヤルとは違うアスリート専用のものになっています。今回はそのアスリート専用で「いなし」を謳う足回りに着目して試乗しました。結論から言うと、「いなし」とは違うイメージを受けました。そもそも「いなす」とは、「相手の攻撃をかわす」という意味で、ここで言う攻撃とは、路面の凹凸や、峠道の急カーブのようなものです。「いなし」と言うには安定感のある硬さと、障害をヒラリと交わす絶妙な柔らかさの共存が必要になってきます。このアスリートにはある程度の硬さがあり、柔らかさという部分もあるのですが、「いなす」という観点から見ると、やや硬さが強く出てしまっている印象です。このあたりは人によって表現が変わってくる部分ですが、「いなし」という言葉が似合うのはアスリートではなく、ロイヤルの足回りだと思いました。硬いとどうしても高級感を感じにくくなってしまいますが、アスリートは高級感と硬さをうまく融合させた足回りという表現がしっくりくるものになっています。

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◆居住性・静粛性◆

運転席に座るとサイズ相応の広さを感じます。窮屈さは全くありません。シートの座り心地は悪くはないものの、高級セダンというカテゴリを踏まえると、やや物足りなさを感じます。ホールド感が突出しているとか、心地よい柔らかさに秀でているとか、突出した部分・特徴があるわけではなく、良くも悪くも上々な座り心地です。ただ言い換えれば悪い部分を感じさせない点や、誰が乗ってもそれなりの質感を感じられる座り心地にしているあたりが、ソツの無い車作りをするトヨタ車を感じさせます。

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◆総評◆

クラウンロイヤルにスポーティーさをプラスアルファしたイメージのアスリートですが実際はどうだったかというと、確かにロイヤルよりはスポーティーさはUPしています。それと引きかえにプレミアムな乗り味はそれ以上にダウンしてしまってるのが残念なところです。クラウン“らしさ”を堪能するならアスリートよりもロイヤル、というのが今回乗り比べた率直な感想です。ただロイヤルよりも若々しいデザインが欲しいのであればアスリートも選択肢の一つになると思います。ロイヤルとはデザインと足回りが主な違いになるので、どちらが良いかは選ぶ側の完全な好みになります。

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◆5段階評価◆

エクステリア:★★★
インテリア:★★★★
動力性能:★★★
足回り:★★★
静粛性:★★★
コストパフォーマンス:★★
Posted at 2013/11/29 19:59:10 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗レポート | クルマ
2013年11月18日 イイね!

ホンダ・アコードハイブリッド試乗レポート

ホンダ・アコードハイブリッド試乗レポート









~ホンダの新たなハイブリッドの刺客~

今回はホンダの新世代ハイブリッドシステムを搭載するアコードハイブリッドに試乗しました。レジェンド、インスパイアの廃止により、実質ホンダのフラッグシップセダンとなったアコードハイブリッドは、従来のホンダのハイブリッドシステムではなく、完全に新しいシステムを導入しています。大きなセダンボディでありながら非常に低燃費で、高級車にふさわしい性能を手に入れたアコードハイブリッドについてレポートしていきます。

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◆試乗車情報◆

車種:ホンダ・アコードハイブリッド
グレード:EX
排気量:2000cc
ミッション:2モーター
車両重量:1630㎏

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◆エクステリアデザイン◆

今回試乗したのは2つあるグレードのうちEXと呼ばれる上級グレードです。ただし、衝突軽減ブレーキなどの安全装備の有無による差異で、エクステリアはほぼ同じデザインになっています。“ほぼ”というのは、厳密には上級グレードは衝突軽減ブレーキなどの安全装備のために、フロントエンブレム内にレーダーが搭載されているため、エンブレム部分に若干違いがあります。そしてフロントマスクには、ホンダのハイブリッドカーらしくクリアブルーレンズがデザインされたフロントグリルが真ん中に鎮座しています。四角形の片側2灯式のLEDロービームやLEDポジションランプなど、ヘッドライトも先進性を感じさせるものとなっています。先進性を感じさせるフロントデザインに対し、リアは残念ながら先進性や個性の感じられない平凡なものというのが感想です。もう少しフロントのような手の込んだデザインや形状を個人的には望みます。平凡になりやすいセダンタイプだからこそ、デザインには隅々まで力を入れてほしいところです。また、高級セダンとはいえ、似たようなカラーばかり5色というカラーバリエーションも残念な部分。原色系カラーとは言わないものの、オデッセイのようなダーク系のワインレッドやネイビーブルーなど、もう少しお洒落感があるといいのではないかと思います。そういう意味ではオジサン色の強いセダンになってしまっています。また、“反り”と“削ぎ”をテーマにデザインされたという全体的なボディラインですが、実物を見ても正直そこまでのインパクトは感じることができませんでした。典型的なセダンの域に収まってしまっている印象です。新たなハイブリッドシステムを積んだ以上、もっと先進性の感じられるダイナミックなボディラインにしてもよかったのではないかと思いました。なお、試乗した車両はプレミアムスパークルブラックパールという

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◆インテリアデザイン◆


インテリアですが、こちらは非常に先進性の高いデザインになっています。特に、中心にあるナビからシフトにかけてのセンターインパネ部は、ナビとオーディオ操作部が別々に分かれており、その間にエアコンの操作スイッチがある複雑なつくりとなっています。この辺りは賛否両論わかれるデザインですが、デザインとしては高いレベルといえます。しかしながら、アコードハイブリッドのユーザー層を考えた場合、50代以上の男性がメインターゲットになると思われますが、そうなってくると、この複雑な操作部が逆に使いづらいものになる可能性があります。各所に点在する木目調パネルも明るすぎず暗すぎず、茶木目と黒木目の中間のような色合いで、風合いがあります。ソフトパッドの内張りも広範囲に使われていて、触れても高級感を感じることのできる車内になっています。ただし、こうなってくると残念なのがメーター部。先進性は感じられるものの、ブルーやグリーンを多用した高級感の無いメーターで、この部分だけ浮いている印象があります。その点を除けば高いレベルでまとめられたインテリアといえます。

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◆動力性能◆

このアコードハイブリッド、従来のハイブリッドカーとは全く違うシステムを積む車になっています。エンジンは基本的に動力を伝えるものではなく、発電機として使用します。エンジンを回して発電したエネルギーでモーターを駆動させ、それをタイヤへと伝える新しいホンダのハイブリッドシステムです。その実力ですが、エンジンを動力源とする通常の車とは違い、どの速度域からも変わらない加速力があります。しかし最大トルク31.3kgf・mという数値ほどのものは感じません。それでも街乗りでは十分すぎるシームレスでパワフルな加速は体感できます。敏捷性や瞬発力といったタイプではなく、パワフル、トルクフルというタイプの走りがアコードハイブリッドの特徴です。

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◆ステアリング・足回り◆

ステアリングはやや軽めで、特段印象に残るものではありません。運転しているという感覚は希薄です。足回りも普通で、硬いか柔らかいかと言われれば柔らかいかなという程度で、ややロールのあるセダンとしては普通の仕上がりです。高級感という意味ではもう少し吸い付くような足の方がこの車には似合うイメージです。

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◆居住性・静粛性◆

居住性は特大サイズのボディということで、ゆったり感のある車内になっています。シートは大きめで、しっかりとしたやや硬めのものとなっています。そのため、小柄な人にはあまりホールド感が感じられません。この辺りもユーザー層を考えたつくりということなのでしょう。逆に大柄な人にはしっくりくるシートになっていると思います。静粛性ですが、こちらは車格を考えると残念ながらまだ改善の余地があると言わざるえないレベルです。発電機として使用しているエンジンの音と、モーターのうなる音が車内に入ってきます。どちらの音も心地よい音ではなく、モーターの音は、電気自動車などでも感じられるモーター特有の耳障りな周波数の音です。フロントガラスは遮音ガラス採用とのことですが、そのような臭い物にフタをするような改善策ではなく、モーターそのもの、根本的な部分を改善してほしいと思います。

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◆総評◆

ホンダの新しいハイブリッドシステムを搭載する第1弾として登場したアコードハイブリッドですが、高級セダンとしては十分合格点を与えられる車になっています。また、プレミアムな車格を誇りながら、非常に低燃費で高い環境性能を達成している点も好感が持てます。しかしながら、高級車まで格上げされたアコードゆえに、オーディオレス仕様が選べないのが難点。オーディオ性能などに凝る人には逆に扱いにくい仕様となっています。ただこのクラスのセダンを選ぶ人は純正ナビを選ぶ人も多いので、それほど気にするものでもないのかもしれません。一定以上の年齢層から支持されるセダンというのが新しいアコードです。

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◆5段階評価◆

エクステリア:★★
インテリア:★★★★
動力性能:★★★★
足回り:★★
静粛性:★★
コストパフォーマンス:★★★
Posted at 2013/11/18 20:10:21 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗レポート | クルマ

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