
カメラを好きではない人にとっては、どうでも良い話の続きですが…
一眼レフカメラを一眼レフカメラたらしめているレンズから入った光をファインダーに導くミラー…
シャッターの音だと思っていたあの「カシャッ」という音が、実はミラーの上下する音だった…
そのミラーが固定されている画期的なカメラが50年以上前にあったと…
このへんまで書いて昨夜はおやすみと…
んで、その後、一眼レフカメラはこぞってこのペリクルミラーを採用したのかと言うと…
そうでもなかった…
ミラーショックをゼロにできるこの方式は、秒間何コマという連写を常用するプロカメラマンにとっては重宝でも、どうしても暗くなってしまうファインダーの見え味は受け入れられなかったのでしょう。
そして、時代はオートフォーカスの時代になり…
こんなのが出た…
EOS RTです。
1987年に発売されたキヤノン初のオートフォーカス機、EOS650の後継機のEOS630にこのペリクルミラーを搭載し、プロ写真家向けに1989年に2万5千台限定で発売されたもので、価格はベースモデルのEOS630の3万円高にとどめ、外見はRTと金文字で書かれている以外は何も変わらない…
かくして、それほどブームになったわけでもなかったはずのEOS RTですが、中古カメラブーム華やかなりし頃に、ライカ同盟の赤瀬川源平氏がRTを手に入れて、そのことを書いたことがきっかけで私の知るところになったのですよ。
ライカに一途な思いを寄せていた私にしてみれば、多少ローライやハッセルブラッドに目移りすることはあっても、キヤノン、それもEOS630なんて全くアウト・オブ・眼中だったのですが、このRTには打ちのめされました。
クルマのエンジンで言えば、吸排気のバルブをなくしちゃったみたいなものですからね。違うか(笑)
36枚撮りのフイルムをあっという間に撮り尽くしてしまうなんて、間違っても自分でやるはずもないのですが、ほら、時速250キロで巡航できると思いながらチンタラ走らせているのと同じですよ。
三台目のライカには手が出なくても、RTなら買えるかなと、会社を休んで開店一番に駆け付けた銀座松屋の中古カメラ市で、RTを探したのですが…
ないのですよこれが(笑)
同じことを考える人がそれだけいたと言うことなのでしょうね。
あっても、プレミアが付いてるのか、ちょっと手を出す気になれない…
チープなプラスチック製で、外見はEOS630そのものなのに…
新車時にはそれほどの価格差があったわけでもない964カレラRSに、今は何千万円もの値段が付いているようなものですね。
普通の人には分かりませんからね。
こんなことになることが最初から分かっていればキヤノンさんももっと作ったかもしれないのですが、それで儲かるのは中古カメラ屋なのであって、キヤノン本体が儲かるわけじゃない。
トヨタ2000GTだって、作るのに手間はかかるし、あまりいいことがないから作るのをやめたのであって、現在1台何億円で取引されていようと、トヨタ自体が儲かるわけじゃない…
そのRT…今でも市場で見つかりますが、他のフイルムカメラと同様、価格はかなりお得に…
ポワ~ン…
おっと、いけない(笑)
Posted at 2020/07/05 10:54:07 | |
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