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2009年08月17日

GMから消えた、ポンティアックといふブランドについて。

GMから消えた、ポンティアックといふブランドについて。 同業者の多くが似たような状況じゃないかと推測しますが、26日発売の雑誌の原稿執筆が昨夜終わったので、前から気になっていたことを書いてみようと思います。

それは、昨今のGM破産&再生問題にからんでGMが手放したブランド、ポンティアックについて。

近年、GMアメリカが持っていた乗用車ブランドは、いわゆる高級なものから順に並べて、キャデラック、ビュイック、オールズモビル、ポンティアック、シヴォレーの5つでした。

つまりポンティアックって、下から2番目だったわけですね、高級な度合いでいうと。

でもその代わりポンティアック、縮めて “ポンティ” はGM内でシヴォレーと並ぶスポーティイメージの強いブランドと位置づけられていて、コルヴェットのように象徴的なスポーツカーこそ持っていなかったものの、スポーティなモデルがけっこうあったのであります。

しかも60年代のポンティアックには、「ルマン」だとか「GTO」だとか、ヨーロッパのモーターレーシングの香りのする車名を与えられたモデルがあったのも特徴的なことのひとつで、なにやら内部に好き者がいるに違いない雰囲気が、ぷんぷんしていたのでした。

そのポンティアックが1960年秋に世に出した「テンペスト」というクルマ、皆さんご存知でしょうか?

写真の4ドアセダンの他に、ステーションワゴン、2ドアハードトップ、それにコンバーチブルからなる合計4種類のボディを持ったこのクルマ、ポンティアック独特の2分割グリルを別にすれば、見た目はわりと普通の60年代前半のアメ車なんですが、実はその内側のメカニズムが猛烈凝っていたのであります。

これはサブコンパクトという、当時のアメ車としては小さい部類のクルマだったんですが、エンジンがV8の他に直4も選べて、ガソリンを食わない、なんて謳っていたのが、アメリカ人の誰も燃費のことなんか気にしていなかった60年代当時としては、まずユニークでした。

でも、もっと凄いのがそのサスペンションと駆動系で、ほとんどのアメ車の後輪がリーフスプリングのリジッドアクスルだった時代に、コイルを使った独立リアサスペンションを奢っていたのに加えて、MTとATの両方あったギアボックスがリアに搭載されて、逸早く “トランスアクスル” を採用していたのだから驚きます。

つまり、当時はまだヨーロッパでもごく一部の独創的な高価格車しか使っていなかった高度なメカニズムを、惜しげもなく搭載していたのでありますよ、このテンペスト!

おそらくGMにはほとんど利益をもたらさなかったんじゃないかと想像できるこの凝ったメカニズム、いったい誰が採用したのかと思ったら、そこには実に驚きの人物がいたのでした。

当時、GMポンティアック・ディビィジョンのチーフデザイナー=主任設計者だった人物の名は、ジョン・デローリアン。

そう、後に独り立ちしてデローリアン・スポーツカーを生み出すかの有名な “カーガイ” が、テンペストの生みの親だったんですね。

ま、このテンペスの存在もあって、僕は数あるGMのブランドのなかでもポンティアックに特別の感情を抱いていたのですが、なんと早々に系列から外されるとは・・・。

自動車の世界、もちろんその未来も大いに興味深いですが、過去を振り返ってみるのもけっこう面白い、という話でした。
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Posted at 2009/08/17 19:37:36

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この記事へのコメント

2009年8月17日 20:15

げっそりポンティアック消えるのは淋しい限りです


今でこそ、イタリアカブレの自分ですが、、クルマを好きになった頃の憧れはGMブランドでした
コルベットは未だに上位にありますし、カマロと並び人気を2分していたトランザムの迫力・あのボンネットのファイヤーバードは忘れられませんあせあせ(飛び散る汗)

いつの日か復活すると良いですね・・・
2009年8月17日 20:27
ポンティアックの名前は知っていましたが、そんなに凝ったクルマを出していたのは知りませんでした。
勉強になりました。
独創性があるのなら、独立したほうが伸びたりしますよね。
2009年8月17日 20:35
他のサイトに投稿した文面ですが、書いた本人(ワタシ)だから、2重投稿になってしまったって構いませんよね。

でも問題が発生して困らせても、いけないので句読点などを変えときましょうね・・・。

ボンネビル、グランプリ、カタリナ、ル・マン、テンペストそれからファイアバードのトランザムetc.…。

アメリカ車がイチバン輝いて見えていた1960年代に、カーキチ(とっくの昔に死語?)になったキッカケがポンティアックでした。

あの時代のフルサイズのポンテのコークボトル・ライン。あのサイズのアメリカ車だからこそなし得たデザイン?!

憧れでした?!

2010年でそのブランドも消滅するとの報道。寂しいですよねぇ。

映画にも出てきていたっけね。

『ミス・アメリカ、パリを駆ける』とかのタイトルだった?
40年以上も前の話し。記憶がアイマイ。

アメリカ車の認知度(こんな言葉ないかな?)が極端に低いわが国で、更にマイナーなポンティアック。こうした投稿をしてみても、通じるひと、少ないんでしょうね……
2009年8月17日 20:44
↑のパートⅡ

やはりジェネレーション・ギャップが出るんですね?!
ワタシなどはやはりフルサイズのポンテがいちばん好きです。

特に1961年頃のボンネビルとかグランプリかなあ。

いまの首相官邸のある向い側に日英自動車というのが当時あって、自転車でよく行ってはショールームの外から何時間もガラスにおでこをくっつけて眺めていましたっけ。

若い方たちには、ファイアバードなどの方がポピュラーなんですね。

ナイト・ライダーもファイアバードでしたね。
あれって「ナイト2000」という名前だったんですか?

あの頃のファイアバードはかなり大型化していたのですよね。

フォードのマスタング(最初のころはムスタングって言ってませんでしたっけ?)に成功に、GMがカマロとファイアバードをぶつけ、クライスラーは何でしたっけ、ダッジとプリムスで対抗馬を出したんじゃなかったかな。

もう忘れちゃいましたよ。

本家のフォードもマーキュリーの「クーガー」がやはり同じ畑の“ポニー・カー”とかのジャンルではなかったとちがいます?

そんなスペシャルティの流れが、やがて欧州、そして日本にも到達して、ヨーロッパ・フォードの「カプリ」、日本では「セリカ」「三菱ギャランGTO」のちのちの「ホンダ・プレリュ-ド」にまでつづいたんと違いますか?!

それから二玄社(CGやNAVIを刊行している出版社)から、「19□○年のアメリカ車」とかいうサイズはB5くらいのタテ見開きというのですか、そんな本が当時出ていましたよね。何十年と手元に置いておいたのですが、いまはもう・・・
2009年8月17日 21:54
なるほど~!!
ハ~、デロリアンですかぁ、そんな時代に納得ですな!

非常に興味深いお話です!有難うございます!!

私の父がアメ車ばかり乗っていた頃、ポンティアックといえば「ファイアーバード・トランザム」ですよ、ボンネットの「火の鳥」はお約束、「トランザム7000」のバート・レイノルズもお約束(笑)

旧き良き「強く大きなアメ車」の思い出が、どんどん安っぽくなって行く様で寂しい限りです・・・。
2009年8月17日 22:28
僕の両親は、僕が産まれる前にポンティアックでアメリカ横断をしたのだそうです。どのモデルかは言っていませんでしたが、時期的にはこの頃でした。ひょっとすると、このモデルだったのかも知れません。そんなに凝ったクルマ造りをするメーカーだったのですか…。メカ好きだった父らしいなと、思いました。
ところで、このクルマの顔つきは、ホンダの1300クーペに似ていますね。偶然でしょうか?
2009年8月17日 23:41
私の行った大学の英語の教授はグランプリで大陸横断したと授業で言ってました。
まさか ↑

ポンティアックといえば思い出すのはビーチボーイズとモンキーズ?
2009年8月18日 0:59
70年代前半のファイヤーバード・エスプリ、F400、トランザムの3態。トランザムのデカールも捨てがたいがF400のエアスクープ!?が一番カッコ良かったな~
2009年8月18日 7:37
飾り羽の被り物の横向くインディアン(今はネイティブアメリカンと言わないといけないのでしょうか)がマークのポンティアック、子供の頃はポインティアックと呼んでいました(汗)。
テンペスト好きだった、でもそんな凝った内容を持っていたとは!
一番好きなブランドでした。
その中でも好きだったのはボネビル、エンジンスペックを食い入るように見入ったものです。
2009年8月18日 14:08
そうなんですか……
消えましたか。僕は最近のポンティアックしか知らなかったからそのような前衛的なモデルが存在してただなんて。
未来もよいけど過去……ですがいま現在、車好きといわれる僕達には過去の事柄の方が輝いて思えるのは単なるノスタルジィなのでしょうか?(≧∀≦)?


2009年8月18日 18:11
はじめまして。
いつも楽しく匠さんのブログを拝見させて頂いています。

私の愛車は、1992年式ポンティアック・ボンネビルSE。

ご存知の方はおれるでしょうか?・・・と聞きたいくらいのド・ド・マイナーカーです。

今回、GMからポンティアック・ブランドが消えるというニュースを聞いて、
なんか悲しくなった、ポンティアック乗りの一人です。

でも!
匠さんが、ポンティアックのことに触れてくださり、
どうしてもコメントさせて頂きたく思いました。

来月は、車検です。
まだまだ、大切にボンネビルのハンドルを握ります。
2009年8月19日 6:48
考えてみれば・・・、
タッカー、デロリアンなど(きっと知られて無いだけで他にも沢山いるんんでしょう)
アメリカ自動車産業の「技術や質」を向上させたかもしれない革新的な人材を、当時の経営者の保身の為ことごとく潰してきた結果が、
見るも無残な現状のビッグ3にしてしまったわけですな・・・・・。
2009年8月21日 17:40
はるか前、バブル期によくあった「フェイカー」
ベースがポンティアックが多かったような気がします

ポルシェ959やフェラーリテスタロッサとのね

モーターショーで見た気がします

有名なブランドが消えるのはやっぱり寂しいです
2009年8月25日 6:37
匠兄と同じく、Pontiacブランドの消滅は寂しい限りです。

小職、約25年前にアリゾナ州のGM DPG (Desert Proving Ground) なる広大なテストコースに車両テストのために滞在したことがありますが、通勤と普段のアシとしてGMから借りていたのがPontiacのフルサイズワゴンでした。

車名は忘れてしまいましたが、1984年当時で3速コラムA/T,スピードメーターは体温計のような赤いラインが横にヒューっと伸びる形式のシロモノでした。
サスペンションはフワフワ,ステアリングはスカスカなのですが、アリゾナの片田舎を走るには実に具合良く、出張中に取得したアリゾナ州の運転免許証と共に今でも良い想い出であります。

匠兄のブログで久々に古き良き“ポニャック (これが初めは聞き取れない・・・)”のことを思い出しました。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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