10月に乗ったヒストリックカーのひとつはルノーの小型大衆車キャトル、それも1961年にデビューしたキャトルの最も初期のモデルである1962年R4L=ルノー4Lというヴィンテッジな一台でした。
フランス本国で1992年まで、モロッコとスロベニアでは94年まで造られ、累計813万台余りも生産されたというルノー・キャトルは、4ドア+テールゲートを持つ簡潔極まるこのボディのスタイリングを一度も変えなかったのですが、その生涯をつうじて数回だけ変更したのがグリルを中心とするフロントスタイルで、この62年型の顔つきこそデビュー直後のオリジナルのフェイスなのでした。
簡潔なのはエクステリアだけでなく、インテリアも同様で、特にこの初期型はこのとおり。747cc直4と組み合わせられた3段MTを、ダッシュから生えるシフトレバーの押し引きで操作するのです。
シートはライバルのシトロエン2CVと同じくハンモック型ですが、座り心地はなかなか良好でした。
現車が実走行距離3万6000km強というコンディションのいいクルマだったことも幸いして、サスペンションの柔らかさとストロークの長さを連想させるプロフィールのとおり乗り心地はすこぶるソフトかつフラットで快適、しかも747ccエンジンと3段MTの組み合わせによる動力性能も都内の流れに乗るのに不足なく、癒しに満ちたそのドライビング感覚にすっかり魅了されたのでありました。
実は1970年代後半、ヨーロッパ出張に出るたびにキャトルが欲しくなっていたという話を含むキャトルとカングーの新旧対比リポートは、今月26日発売の『LE VOLANT』12月号に掲載です!
Posted at 2012/10/25 12:35:34 | |
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