キャトルに対する10月のヒストリックカーのもう一台がこれ、1953年フィアット1100フルア・クーペ。
1953年に発表されたフィアット1100ベルリーナは非常に優れた小型セダンで、それをベースに使ったスポーツカーが50年代のイタリアから数多く出現したのですが、これはそのひとつ、ピエトロ・フルアがデザイン&製作したスチール製ボディを架装した小量生産のスポーツクーペであります。
個人的な印象を正直に書くと、異様に大きいエアインテークが目につくフロントスタイルは少々スポーツカーらしさに欠けると思うのですが、ドアを開いてコクピットに収まってみたら驚きました。
どうですこの結晶塗装を施したダッシュボードやメーターあるいはスイッチ類の、まるでフェラーリのコクピットかと錯覚するようなゴージャスで凝ったデザインと造り。ピエトロ・フルアというデザイナーは、インテリアの造作に丹精を込めた人物だったのではないかと想像した次第であります。
スポーツカーとしてはやや長めのこのプロポーションから想像するに、シャシーはフィアット1100用をほぼそのまま使っていると思われますが、後にフルアがデザインすることになるボルボP1800を彷彿とさせるルーフラインやテールエンドを持つリアスタイルは、なかなか魅力的だといえます。
よくチューンされた1.1リッター直4による意外や活発なドライビング感覚その他に興味のある読者諸兄は、今月26日発売の『GENROQ』12月号、「VINTAGE IMPRESSION」のページをよろしく!
Posted at 2012/10/26 13:11:36 | |
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