
<phooto=Shunichi Uchida>
ACCR=Alpine Classic Car Rallyを取材していたフォトグラファー、内田さんご夫妻から提供された写真のなかに興味深いショットがあったので、facebookに続いてこっちにもアップしてみましょう。
それが上の写真、ラリー最終日のヒルクライムにナビゲーターを下ろして挑む356B 1600Sの姿。スタート直後、上りがきつくなる右タイトベンドに向けてステアリングを切り始めたところですが、外側前輪の165HR15ミシュランXASがコーナリングの横Gに負けて、歪んでいるところにご注目!
続いて外側後輪に目をやると、こちらも前輪同様にXASが歪みつつ、キャンバーがポジティヴ気味になっているのが分かるでしょうか。ターンインのきっかけを与えるべくスロットルを軽く緩めたことで荷重が前輪に移った結果、リアが浮き気味になってキャンバーがポジになったわけです。
これは上の次の瞬間のカットで、きつい上りに対応するべく今度はスロットルを踏み込んでいるのでボディのリアがぐっと下がり、後輪がリアフェンダーに埋まり込んでいるのが分かります。一方、前輪の向きからは、踏んでいる限り基本アンダーステア気味なわが356Bのキャラが伺えます。
スロットルのオンオフやブレーキングによってボディ後半部が比較的簡単に上下動し、それによって後輪の対地キャンバーその他が明確に変化するので、356は向きを変え易いのだと思います。
ただしそういった操作を適度に、しかもスムーズにやらないと、昔からよく伝え聞くように、356はクルリとスピンすることになるのだと思いますね、幸い僕は未だ一度も経験していませんが。(笑)
続いてこれは、先ほどの右タイトベンドをクリアした後、比較的緩い上りのレフトハンダーを2速全開で加速していく356Bの斜めリアビューですが、助手席にもヘルメットが見えることから分かるように、実はこの写真、まだナビゲータと2人乗りしていたプラクティスにおけるショットであります。
それはともかくとして、ここでもぐっとテールの下がった姿勢と後輪のネガティヴキャンバーにご注目あれ。決してパワフルとはいえない356が、限られたパワーを余すところなく路面に伝えて坂を駆け上る後輪荷重“命”、トラクション“命”のキャラが、この写真にも表れているように思います。
Posted at 2012/12/08 17:15:54 | |
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