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イイね!
2020年10月08日

追記あり 伊仏の設計思想の違いを堪能 タイベル調整とムル冬支度

自動運転にハイブリッド、オーディオだ、LEDだ、インチアップだという
昨今の所謂車好きの皆さんの関心事からかけ離れており、
誰も読んでいないかもしれないが、
タイミングベルトの調整について考察を続ける。


2年前、走行5万キロ時に中古車屋でベルト交換された状態で
先月納車された我が家の206SW。納車時の走行距離は7万km。



納車時のタイミングベルトのテンションが強すぎて、
それによりアイドラプーリのベアリングが潰れてしまったのではないか
ということを述べた。

「では、整備解説書通りの張力にしてみたら如何だろうか?」と考え、
今朝調整してみた。



GEDC0732c
GEDC0732c posted by (C)factoryosaru


プジョー謹製の整備解説書では、「エンジンが冷えているときに」
テンショナの指示針が、切り欠きのところに来るべし!と、明記されている。
実際そのとおりにしてみた。

また、エンジンが暖まると、ブロックやヘッドが熱膨張するので、
自ずとベルト張力も高まり、調整前の冷間時のときのような
ベルトテンションとなることがわかった。




GEDC0732
GEDC0732 posted by (C)factoryosaru



comparison
comparison posted by (C)factoryosaru




ちなみに、フィアットやアルファだと、ベルト張力に関して
具体的な指示は何もなく、常識的にと考えて、
冷間時に針が真ん中あたりを指すように
セッティングすると、エンジン始動直後から
ベアリングの異音が発生。
実際には、かなり緩めにセッティングして、
エンジンが完全に温まっても、指示針が中央を超えない
(出来れば下から1/3くらいに留める)程度に調整
しなければならず、熟練を要する。

これと比較すると、プジョーのほうが誰にでもわかりやすい
具体的な指示があり、親切であるように感じる。





さて、整備解説書通りにセッティングし直したタイミングベルトで
エンジンを始動してみよう。







整備解説書通りの調整すると、
冷間時の異音は解消。

しかし、暖機運転後はベルトのテンションが
納車時の状態に近くなり、
異音が発生する。



prev_warm
prev_warm posted by (C)factoryosaru


元の状態だと、エンジンが暖まったときは、
オレンジのあたりを指していたのではないか?
テンショナ台座の長四角の穴は張力調整代の最大値で
其処にほど近い!!!


ベルトの取り回しを鑑みると、時計回りのクランクシャフトプーリ
の一つ手前が、アイドラプーリである。
また、バルブスプリングを押し下げる力によりカムシャフトプーリには
ベルトの進行方向と逆方向の力が断続的に発生し、これによる影響を
最も受けるのも、同プーリである。




ちなみに、プジョーRFNエンジンでは、
給排気カムスプロケットとクランクプーリの3箇所に位置決めの穴があり、
そこに棒を差し込むことで、簡単にベルト交換ができるようになっている。
この方式では、ベルトテンショナの張り/緩め具合によって、若干の
バルブタイミングの狂いが生じる。(実用上問題ない)
プジョーは歴史的に旧植民地の発展途上国等に多数デリバリー
されており、容易に整備できるよう考えられているのかもしれない。
(国産車によくある「合いマーク」によるバルタイ調整と同様)







こんな感じで、屋外で気楽にタイベル交換。
整備環境がよくないところでも、らくらく整備!
タフなクルマである。






いっぽう、フィアット・アルファ系では、
レージングエンジン並にバルブタイミングが狂わないことに拘っており、
タペットカバーを開いたうえで、カムシャフト本体を精密な
治具で固定し、カムシャフトとカムスプロケットを固定しているボルトを
少し緩めた状態でテンションを調整することで、テンションの掛け具合による
テンショナプーリの位置の違いやベルトの伸び等の影響を皆無にするように工夫されている。(*)
イタリア車の超絶気持ちいい、繊細でダイナミックなエンジンの吹け上がりは、
この辺が影響しているのだろう。しかもきちんと運転すれば、非常に低燃費。


(*)カムシャフトとカムスプロケットを固定しているボルトを緩めると、スプロケットが前後5°くらい回転できる「遊び」が設けられている。テンショナを調整すると、スプロケットが僅かに回転するが、カムシャフトは一切動かない。そこまでこだわるのがイタリア車。

(追記1) 2020年10月10日 プジョーの整備解説書Haynesを読み込んでいたら、上記固定方法だと、バルブタイミングの狂いが生じる場合も承知しており、その場合は、吸気カムのスプロケットを治具で固定した状態で、クランクシャフトスプロケット固定ネジを緩めて、スプロケットのみをずらして調整するようになっている。調整箇所が1箇所で済むのは合理的だ。もっとも、プジョーの場合、3箇所の固定用治具の精度がテキトーで結構グラグラ。そもそもアバウトな作りなので、神経質になったところで仕方ないというのが実情だ。走った感じだと、プジョーのエンジンもなかなか味わいのある回り方をするし、運転していて楽しいエンジンだ。


(追記2) プジョーのRFNエンジンのタイベル交換では、フィアット・アルファ系と比較して・・・
1,ダイレクトイグニッションコイルの取り外しが必要ない
2,TDCを求める必要がない (スパークプラグすら外さなくてよい)
3,タペットカバーを開けなくて良い
4,スプロケットの調整箇所は1箇所(上手く行けば、やらなくても良い)
単にベルトを掛けかえるだけ?
非常にシンプルに感じる。


(追記3)プジョーのRFNエンジンは、中低速トルク重視のなんの変哲もない2litre
DOHC16Vエンジンだ。可変吸気管や可変バルブタイミング機構もなく、シンプルそのもの。ハイオクガソリンでレッドゾーン6500rpm、最高出力138psという、カタログスペックオタクなら小馬鹿にするような低出力エンジンだ。
「可変なんちゃら」といった余計なギミックが付いていないので、過渡領域での吹け上がりが実に自然で扱いやすく、気持ち良いエンジンだ。しかもトルクは20kg-m近く出ており、日常生活の中で、「高回転・高出力の同一排気量」のクルマよりずっと速く走れる。これは、車体が小さくて軽いことに依るところもあるが、クルマはトルクで走るということがよく分かる。
*リンク先は「からけん」さんの記事です。








ということで、純正値でテンションかけても、暖まったら異音が発生。
アイドラプーリのベアリングが壊滅的状態であることが分かった。
タイミングベルト一式は全交換はすでに決定しているのだが、
自らが納得したうえで次へ進めたいものだ。









その後は、フロントサスのサビのひどい部分を塗装。


GEDC0739
GEDC0739 posted by (C)factoryosaru


ある程度錆落とししたら、おなじみのサビキラー。






ファクトリーお猿の車両は、サスペンションのボルトナットは
カバー付きが標準。


GEDC0741
GEDC0741 posted by (C)factoryosaru


これで、雪国を走り回る車両でも、固着を免れられる。
次ココを弄るのは必ず自分。
少しずつ自分仕様に♪






あわせてムルティプラの冬タイヤ交換。
ガレージにプジョーが入庫しているので、
屋外作業だ。



GEDC0748
GEDC0748 posted by (C)factoryosaru


札幌の原風景。
いたって普通、よくある景色。





タイヤ交換、早すぎないか?
実は、ムルティプラのリアサスが大変なことに・・・


GEDC0746
GEDC0746 posted by (C)factoryosaru


サブフレーム(メンバー)が腐って、
バンプラバーが落っこちている。





現在まだ大丈夫そうだが、コイルスプリングや、
ショックアブソーバの受け部分が腐食すると非常に
危険なので、メンバーごと交換をすることに。

ただ、目下タイベル関連の部品入庫待ちで
もう少し時間が掛かりそうなプジョーがリフトアップ中であること、
また、ベルトを外した状態により、更に作業時間を要することになる可能性も鑑みると、
ムルティプラは秘密基地に預けてプロに作業してもらうことにした。
サブフレームを外した状態で下回りのペイントも依頼できるし・・・




リアサスのサブフレームに取り付けていた亜鉛プレートの撤去


GEDC0745
GEDC0745 posted by (C)factoryosaru


後塗りのアンダーコートは、容易に剥がれる。
メーカー製の塗装の下にサビが広がる。
酷い、酷すぎる・・・





ホイールハウス内のボディパネル断端の
塗装が浮き、サビが発生している。


GEDC0752
GEDC0752 posted by (C)factoryosaru


このような場所は、サビキラー+塗装を
行っても、塗料の乗りがわるくすぐサビが再発する。


最近はNoxudolのあわせ技を採用。
剥がれかけた塗装とサビたパネルの間に750を含浸させ水分を置換する。
その上から永遠に固まらず、柔らかい状態が持続するワックス系の防錆塗装剤300の塗膜を
乗せる。
300は塗装のチッピングが無いのが特徴で、多少塗膜に傷が付いても、周囲から塗膜が伸びて
治癒するらしい。従来型の厚塗りアンダコートでは、早晩割れ目が
発生し、そこからミルフィーユ状のサビが塗膜の下で広がるのを
しばしば目にしている。その可能性が低くなるようだ。

同社の推奨する中古車のサビ進行抑制プロトコルで、
サビを落としきれない構造物、パネルの合わせ目等に
有効とされているが、効果はいかに・・・





ブログ一覧 | プジョー206バン | 日記
Posted at 2020/10/08 23:47:21

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この記事へのコメント

2020年10月9日 0:09
こんばんは。
今日たまたま友人と、“技術の無い整備業者”の話をしていたところです。
ベルトテンションのかけ過ぎなど、聞きかじりの初心者の様相ですね。
(オルタネーターダメにした2CV乗り複数あり)
工具セットを買って、とりあえずラジエターホースのバンドをグリグリ締めてみましたの類と一緒でしょう。(;。;)

ムルティプラのリヤショックの付け根あたり、構造的に錆びやすいですね。
知人のムルはサビで擱座しました。
(兵庫県北部の日本海側の雪の多いところです)

アンダーコートについては、知人の博物館展示のレストアをしていた塗装屋に、「絶対にやめてくれ、余計にサビが深く進むから。それで錆びても面倒は見ないよ」と言われました。
「どうしても塗りたいんなら普通のつや消し黒でやってくれ」とも。

さて、自分のムルもタイヤ交換時にチェックしておかなくちゃ。(^Д^)
コメントへの返答
2020年10月9日 8:18
正規ディーラでも、入庫するたびに壊してくれる有り難い店舗もあったりしますし、所謂プロショップを謳ってるトコロも然り。事前に評判をリサーチし、確実に自分には出来ないことをやってくれるところにしか作業を依頼しません。
もしかして、自称プロで整備してる人間で、本職になるまで車いじり(機械いじり)したことない人間とか居るんかな?と思わせられます。

ムルティプラのサブフレームは本当に錆びやすいですね。今度は本州から部品が来るので、ノックスドールでワックス分を満たすようにしておきます。

アンダーコートに関する知見、ありがとうございます。私も薄々感じており、プジョーでは施工しない予定です。こまめな洗車と、パネル合わせ目や、突端部のノックスドール塗布、亜鉛板の設置で経過見ます。

兵庫県でもそのような地域があるんですね?全国的に、事故防止の観点から、融雪剤をばら撒くようになってきているとも聞きますので、古いクルマの維持管理は大変ですね。
2020年10月9日 13:01
やはりイタ車は、拘りの設計が見て取れますね。
それに伴う整備性を考えると、エンスー派か否かではっきり分かれますね(笑)
↑ アンダーコートは、駄目ですか。 勉強になります。
コメントへの返答
2020年10月9日 21:58
生まれて初めてやったタイベル交換作業がツインスパークだったので、基本すらわからないのに大変な思いをしました(笑)プジョーは、初心者にはうってつけですね。
ダイレクトイグニッションの撤去要らず、TDC求める必要ナシ、プラグも外さない、タペットカバーも開かないし、カムスプロケットを緩めたりもしない。フィアット、アルファの治具は、作業の正確性を増すために、プジョーの治具は誰でも簡単に作業できるようにするため。
そんな違いを見せつけられました。
設計者の思想を垣間見ることができて、有意義なひとときを過ごせました。
アンダーコートは、破れたり剥がれたりしなければ良いのですが、あり得ませんね。純正工場で吹き付けてあるものは、密着しているからいいのですが、後吹きのなんてね。
スチームクリーナで処理しましたとか、ホント気休め。
すぐ剥がれますよ。剥がれたトコロが破けてそこからミルフィーユです。
2020年10月9日 21:35
読んでますよ~!(^^)

タイミングベルトひとつとっても「お国柄」というものがあるんですね。
それはすなわちクルマの「味」にも直結するのかも。
私は幸い信頼できる工場を数件知っているからいいのですが、看板だけのプロショップなんてのは怖いですね。そういう類の工場やショップは、最後には「いや~外車はね~」で済ませようとしますからね。

ところで・・・
アルファV6のタイベル交換なんて、やってみたいとは思いませんか?(^^)
コメントへの返答
2020年10月9日 21:48
ありがとうございます!

現在プジョーのHaynesを熟読中で、アルファとの違いを猿並みの脳みそフル回転で理解しようと奮闘しているところです。

言ってみれば、アルファ・フィアットのエンジンは技術者の理想論を量産車にぶち込んだといった感じ。プジョーは合理的でプロトコルがシンプル。実に愉快です。

信頼できるトコロ、道内だと、あそことあそことあそこくらいですね(笑)幅広く輸入中古車(新車もネ(爆))扱ってるところはどうにも・・・

V6って、興味あるけど、
それこそエンジン下ろすんじゃないですか???


プロフィール

「15年10万Kmでタイミングベルト交換 http://cvw.jp/b/398935/48592665/
何シテル?   08/11 01:16
アルファ145、ムルティプラ、プジョー206SW乗りのお猿です。 広島県生まれ東京育ち。 物心ついた頃からクルマ好き。 大学卒業に合わせて、 満員電...
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