
先週の走行会で高回転高負荷側もそれなりになったので、低回転低負荷側をもう少し詰めるのに燃料噴射位置の見直しをしてみようかと。
GTOの時は触れなかったので、先ずは理屈と実例を調査。
理屈としては以下の2つがあるみたい。
①:インテークバルブが開く前に燃料を噴射してしまう
②:インテークバルブが開いているタイミングで燃料を噴射する
それぞれ簡単に説明すると、
①はEFIの基本的な考え方で、燃焼時に熱せられたバルブに燃料を噴射することで燃料の気化を促進する。デメリットとしてはポートやバルブ壁面に燃料が残る可能性があり、その場合シリンダへ液的状態で垂れていくためA/Fが乱れる可能性がある。
②はキャブ的な考え方で、空気の流れに燃料を乗せる事で空気と燃料の混合を促進するとともに、燃料で空気を冷却することで充填効率UPを狙う。デメリットは燃料が十分に気化する前にシリンダ内へ流入するので、燃料がシリンダ壁面へ付着してオイルを希釈したり、未燃HCが増加する可能性がある。また、吸気中に燃料を噴くと空気の流れが乱されて吸気効率が上がらないという話も。
多分、インジェクタがシングルホールの古い車は①が基本で、霧化性能の高いマルチホールインジェクタを使ってる新しめの車は②でもいいのかもしれない。最近の車両は直噴が多いから、また考え方が違うんだろうけど。(ディーゼルも直噴だけど、基本的に噴射位置=燃焼位置だから、これとも違うんだろうな)
ということで、エボはセパレート噴射だけど昔ながらのシングルホールインジェクタなので、①を採用した方が良さげかな?
実際にLINK ECUのフォーラムでも「エボ8で噴射位置500度が一番調子がいい」って書き込みもあったし。
ただ、同じくLINK ECUのフォーラムに「ちゃんとエンジンが回れば噴射時期は大して問題にならない」や「アイドルなどの低回転低負荷域位でしか変化が出ない」って話もあったけども。。
確かに、今の噴射終了位置は排気バルブ閉位置付近(図の赤線位)で、上から下まで普通に回っているので設定値変更するのに神経質になる必要はなさそう。
とりあえず、インテークバルブ開位置をベースにしてある程度の気化時間を確保した噴射位置をザックリ計算してタイミングマップに入れてみた。まずはこれでどんな感じか通勤で様子見。
ただ、このままだとMIVECでバルタイが変わった時に追従できないのと、噴射量が増えた時に前サイクルの吸気工程に噴射が食い込んでいくので、その辺を何とかしたい。具体的には噴射開始位置が前サイクルの吸気バルブ閉位置に達したら噴射終了位置を後退させていくようにしたい。
全域の噴射期間データがあれば噴射量に関する値は事前計算でタイミングマップ値に落とし込めるんだけど、エンジンベンチが無いと中々難しい。バルタイは水温でも変化するので、こっちは素直にマップ値に落とし込むのは困難。
なので、この辺の瞬時値から噴射タイミングをECU内で演算させる為に色々追加で調査中。
本当は水温と噴射量で燃料の気化時間も変数化するのが良いんだろうけど、ガソリンの温度に対する気化時間変化の良い資料が出てこない。。
というか、出てきても論文ばっかりで難しいでござる。。。
良い情報知ってる人がいたら教えて欲しい。
Posted at 2023/12/03 00:52:36 | |
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