作業2日目~
今日はバルブステムオイルシールの交換にチャレンジしてみました
バルブ周りの構造図です
画像は借り物で2JZではありません
番号で説明すると
18番がバルブ
31番がバルブガイド
34番がバルブスプリング
42番がバルブリフター
40番がカムシャフト
となります
バルブガイドの一番上に付いているものが、今回交換するオイルシールです
またバルブスプリングの一番上に付いているものはリテーナーです
カムを外してバルブリフターを外すとバルブが見えてきます
真ん中の白く見える丸いのはバルブの一番上側です
赤矢印の先にあるコッターという楔でバルブスプリングを縮めた状態で固定しています
このコッターを外すとリテーナーとバルブが分離するので、スプリングを取り出しバルブのみの状態にすることができます
コッターはこんな感じの小さいものです
全てを取り外すとこのような状態になります
ちょっと黒くなってて見にくいですが、矢印の先がオイルシールです
バルブのシャフトから吸気や排気にオイルが垂れないようにシールしています
これがダメになると、いわゆるオイル下がりの状態になります
こちらは外したオイルシールです
左が外したもの、右が新品です
穴の径が広がったままなのがわかると思います
当然ゴム部分も硬化しているので、シールの役目は弱くなっています
2JZでは10万キロを越えるとダメになってくることが多いようです
しばらくエンジンをかけなくて、始動したときのみ白煙が上がるような場合は、このシールがダメになっている可能性が高いです
本来この作業はエンジンのヘッドを取り外して行います
バルブスプリングを縮めるためには燃焼室側から押さえないといけないからです
またヘッド装着状態でコッターを外してしまうと、バルブが燃焼室に落下してしまうので、そうなるとオーバーホールしかありません
どちらにしてもヘッドを外すとなればタービンも外さなければならないので、その工賃たるや覚悟が必要な金額になります
そこで最近はヘッドを外さずにやる方法が出てきました
プラグ穴からコンプレッサーで空気を送り込み、その圧力でバルブが下がってこないように維持します
元々燃焼室は圧縮させて爆発してますから密閉はいいです
そこを逆手に利用した感じですね
しかしウチにはコンプレッサーなどありません
というわけで最も原始的な方法でバルブを落下しないように支えます
ピストンを下死点近くまで下げてナイロンロープを大量投入
そしてクランクを回してピストンを上げてくれば、下から物理的にバルブを支えることが出来ます
今回はこの方法で行いました
それでもコッターを外してまた戻すには更にスペシャルツールが必要です

ハスコーという会社から専用の工具が出ているそうです
このように使うそうです
でも次はいつ使うかも分からない工具を買うのは勿体ないので、ネットにあった代用工具を作成します
まずは20ミリの塩ビ管を用意
中には物を落とした時に使う伸縮の強力マグネットが仕込んであります
これでハスコーの工具とほとんど同じ原理のものが出来上がります
全部で千円もしませんねw
詳しいやり方はハスコーの説明書を読んでいただいたほうが分かりやすいと思いますが、これをリテーナーに当てて叩けば磁石で吸着して取り外すことができます
この外しの方はけっこう簡単に上手くいきました
外れたコッターがどこかへ飛んでいくこともありませんでした
でもこれは磁石の強さ次第なので、強力なものを用意したほうがいいですね
問題は戻しの方です
先ほどの工具では戻せないので、また別の形のものを用意します
これもハスコーの工具と同じ原理です
ネットに書いてあった方法で何回かやりましたが上手くハマりませんでした
ちょっと写真がピンボケで申し訳ないですが、17ミリのソケットに少し出っ張るぐらいでゴムホースを入れています
このゴムホースで仮に入れてあるコッター押しておいて、叩いてスプリングが縮んだ瞬間にコッターを押し込んでしまおうという方法です
これが何回やっても上手くいかず、しまいにはコッターを飛ばしてなくしてしまいました(笑)
もう焦りすぎて一気に脱力でしたね
笑いしか出ません
夕方には部品共販に駆け込んで、さっそくコッターを発注してきました
というわけで、もうローダーを呼ぶことで頭がいっぱいでしたが、なんとか試行錯誤を重ねて辿り着いた失敗しない方法です
スプリングの上にくるリテーナーにコッター2個を仮に入れておいて、上をウレタンスポンジで塞ぎます
このスポンジはたまたま持ってたものですが、裏には粘着シートが付いているので、完全に密閉された状態になります
これで叩き損ねても飛んでいくことがありません
このウレタンスポンジの上から先ほどのゴムホースを仕込んだソケットで叩くと、見事に一発でハマりました
たまに片側しか入らないときもありますが、その時はそのままもう一発叩けば入ります
この方法にしてからはまったく問題なく戻せました
こんなことをやる人は数少ないと思いますが、参考にしてください
手持ち品で作ったので、こちらの工具はタダです
というわけで、今日出来たのは1番と3番の8個のシール交換のみ(笑)
まったく作業が進みません
でも方法は見つかったので気が楽になりました
一時は自分の技量を越えすぎたことをやってしまったと後悔だらけでしたからね
とりあえず次回もオイルシール交換を進めていきたいと思います
ただ6番シリンダーですが、この方法では上からボディが被さっているため作業が難しそうです
また自分の持ってるオイルシール抜きは長さがあるため、これもスペース的に厳しそうです
やれるかもしれないけど、やってみてダメだった時のリスクもあるので、今回は6番は見送ろうかと考えています
それでも5番までやってあれば、少しはオイル下がりも軽減されるんじゃないかと考えています

こういう専門の工具を買えば6番シリンダーのような狭いスペースでも作業できるんですけどね
しかしこのプーラーで25000円、 先ほど登場したコッター用ツールは50000円です
どう考えても素人が買うツールの値段ではありません
それだったら頼んだほうが安いですしね(^_^;)
クランクシャフトに付いている回り止めストッパー
青い方がタイミングプーリー用で、赤い方がクランクプーリー用です
上から見ても分かるぐらい隙間が出来ていて、ズレて叩かれていたのが分かります
この矢印のストッパーを抜いたのがこちら
だいぶ叩かれて摩耗していました
おそらく音を出していたのはこの部分だと思われます
本来はクランクのボルトで締め付けられてズレることなどないんですが、緩んでいたのでこうなってしまいました
幸いにも裏と表で摩耗している場所が段違いなので、ひっくり返せば使えそうです
今思うと部品共販に行ったときに頼んでおけばよかったんですが、忘れてしまったので再使用する予定です
考えてる時間、物を探してる時間が予想以上に多く、結果として2日目はこれしか進みませんでした
まだまだ先が長いです
すでに筋肉痛で気分が乗り切らなかったのもありますかねw
次回は夜勤明けでバルブステムオイルシールを終わらせて、その次でタイベルの戻しに入りたいと思っています
ここまで来たら、投げ出さず頑張りたいと思います
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