Studebaker Speedstar 1910

先日のコンクールデレガンスのエントリー車で一番古いStudebakerSpeedstarはなかなか刺激的でした。

１００年以上経過している車が美しく保存されている点も驚きですが、その時代の様子を色々想像させられます。

１９１０年頃に、どんな車が走っていたのかが先ずわからないので、web上の画像を調べて見ると、大体こんな感じのようです。



おそらくアメリカの路上を走っていたと思えるのが、この手の車のようです。


この年代の車は、まだオープンか幌屋根が全てで、固定屋根の車が出現するのはさらに数年後のようです。

と、いうことはアメリカの都市部では乗用車が結構行き来していたのでしょうから、このスチュードベーカーのようなスポーツカーは、すでにミリオネアクラスが天気の良い週末にでも乗り回す遊び道具のひとつであったのでしょう、か。


この車、詳細を眺めてみると、初期自動車の特色が見えて面白かったです。

フロントのブレーキが無い！


ホイールはスポーク部までウッドでできており、リムはおそらく鉄製でしょうが、スポークとリムが分解できる構造で、リムをはさむ金具をボルトで固定してあります。ブレーキは昔の自転車みたいな細いロッドで引っ張る機械式。


ウッドフロアのシンプルなコクピットにはシフトレバーと３個のペダルがあるので、動かし方の基本は現代のMT車と同じなのでしょうが、ペダルの並び順が今と同じかどうかは甚だあやしく、オーナーに聞いてみないとわかりません。

コクピット左右にある、籠とウッドのボックスは手荷物やツールを入れておくのでしょうか。いずれも時代を感じさて良い雰囲気です。

エンジンキャパシティーも不明だそうで


この車が一体どのくらいのスピードで走れたのかも想像しがたいですが、片道５０kmのドライブでも、かなりの大冒険だったのではないでしょうか。

風雨を直接感じながら乗るという面ではスピダーも同じですが、運転は１００倍ぐらい困難でしょう。
ジェレミー・クラークソンなら、貸してくれるなら東京まで試乗したいと言うかもしれませんが、私はそこまでの蛮勇は持ち合わせていませんので、乗ってみたいとまでは思いませんでしたね(笑)