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先日、13代目となるV37型スカイラインが国内デビューした。

僕自身はGT-Rと縁が切れたV35型以降、
正直スカイラインにはあまり関心がないのだが
この車について、今でも忘れられないエピソードがある。

かれこれ10年くらい前になってしまったが、
射水市・海王丸パークの中にある公営のラジコンサーキットが
多数のタミヤR/Cカーファンで賑わっていた頃。
そこに集まってくるの仲間の一人に、
日産スカイラインをこよなく愛する、Ｋ原君という青年がいた。

スカイラインに憧れ、スカイラインのことならなんでも知っている。
そんな彼なので、もちろんRCカーにつけるボディも、R32、R33、LM、R34…と
常に歴代スカイラインなのである。

しかし彼がサーキットに乗り付ける愛車は、黒の180SX。

綺麗に磨かれ愛着を感じさせるものの、彼のこだわりからすると少なからずギャップがある。
そんな彼に、ある日友人の一人が聞いた。

「ねえねえカッちゃん(Ｋ原くんの愛称）、カッちゃん、

　…そんなにスカイラインが好きなのになんでスカイラインに乗らないの？」

その問いに、彼は笑顔でこう答えたのだった

「だって、"憧れの車"に乗っちゃったら、"憧れ"　じゃなくなっちゃうじゃないですか～」


―――なるほど―――

それは意外な、しかしそこにいるもの全てを納得させる深い言葉だった。

・・・時は流れ
今では海王丸を訪ねる頻度もめっきり減った。Ｋ原君の消息も知らない。
ただ、「スカイライン」という名前を聞くたび、彼のその言葉を思い出す。

今も、スカイラインはＫ原くんの"憧れ"でいるのだろうか。