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九郎田一馬のブログ一覧

2011年02月14日 イイね!

New!試乗記 日産リーフ(LEAF)徹底インプレッション その1

New!試乗記 日産リーフ(LEAF)徹底インプレッション その1さて、今回はいよいよ登場した、日産リーフの試乗記をお届けします。

アイミーヴに続き登場したEV…というと、日産側の人が怒るかもしれません。それほどまでに、今回のリーフに対する日産の気合いの入れようは相当なもの。ハイブリッドでトヨタに大幅に遅れをとった理由も、ゴーンさんのEV推しによるものでしょう。もっとも、フーガのハイブリッドは今までトヨタが積み重ねてきたハイブリッドの歴史をぶっ壊してしまうかもしれないほど、複雑かつ合理的で非常に上手くまとまったものですが…





と、話が逸れました。というわけで今からリーフのインプレッションですが、すでにアイミーヴを3度、100km以上乗っており、最新EVの凄さは実感済み。なので、いわゆる「とっても静かでスムーズ、滑らかな走り…」とまずは誰でも驚くそのカルチャーショックは体験しているので、そういったお決まりの印象は横に置いといて、アイミーヴの試乗記の時のように「ちょっと非日常的じゃないの?」という疑念を抱えつつ、自分はあくまで「自動車として見た時どうなのか」という評価基準の軸をブレさせない、ということを前提にレポートを進めていきたいと思います。



テスト車両は、まだ300kmほどしか走っていない、ホワイトパールの「X」。もう1つ上級グレードの「G」がありますが、このXでも基本的な装備に全く過不足はありません。ルーフスポイラーのソーラーパネルやクルーズコントロールが欲しいのなら「G」ですが、賢いユーザーはほとんどがXを選択するかと思います。





さて、まずはスタイリングですが…登場当初からの個人的な印象、一貫して変わらずに「理解不能」です(苦笑)。いたるところのディティールは未来感を表したかったのでしょうが、なぜこのプロポーションにする必要があったのか。こんなオーソドックスな2ボックスに。事実、後々に記しますが、パッケージング上の「無駄」がいくつも散見されます。まぁこれも、数々の検討と熟慮を重ねて生み出された結果なのでしょうが…個人的には、あの「ジューク」のデザインで中身がEVならば、それはそれは素晴らしく先進的な1台となっていただろうに…と思ってしまいます。デザインだけで言えば、アイミーヴのほうが5000倍はいいですね。



ただ、当初のあのブルーのボディカラーがそのイメージを助長させていたのかもしれません。先日横浜の日産グローバル本社で見たレッドやブラックのリーフは、「まだマシ」な印象でした。この白パールは…やっぱ、ダメですけど^^; とは言え1日乗ってみて、いわゆるブルドックのような「ブサカワ」的愛らしさがある、のかもしれない、と思えてくるようになったりも…。




ボディの3サイズは、4450×1770×1550。ティーダくらいかな?と思っている人も多いようですが、それより1サイズ大きめです。あえてこの大きさで出すのも、おそらくは「北米市場でのベーシックサイズ」を狙ったとも言えますし、プリウスを意識していないはずはありません。


さて、見た目の印象はこのあたりにして、続いてドアを開けてインテリアへ。まず目に飛び込むのが、ホンダ車のような上下2分割のメーター。上部に速度、時間、外気温、左にあるのはエコインジケーター、下は左から時計周りに、バッテリー温度、回生・出力を示すボール型モニター、航続距離。えー何が言いたいかというと、もういろいろな表示がありすぎて、しかも各表示方式がどれもバラバラで、運転中の把握のし易さなんてホントに考えてんの?という印象しか残りませんでした。

ホンダは苦慮してインサイトで「色変化でエコ運転を示す」というアンビエントメーターを作って、これは大変よくできていると思うのですが、やはり初物だからか、リーフはまだまだこのあたりのインターフェイスの工夫が必要かもしれません。というか、人の目線位置によっては見え方が全然違ってしまいかねない、この上下2分割メーターの構造自体、欠陥かもしれませんね。案の定、自分は中央のインフォメーションモニターの下側が見切れてしまう時がよくありました。



その原因の1つとして、ドラポジを合わせている時に驚愕の事実。ステアリング調整はチルトのみ、ホントはテレスコがあればなぁ…と思いながらシートリフターでシート上下調整を…と思いきや、今となっては珍しい、ラチェットではなくダイヤルでの調整。嫌な予感……そうなんです。このリーフ。いまどきシートの高さ調整機能は、全体が持ち上がるタイプではなく、マーチと同じく座面だけがわずかに調整できる、なんとも安っぽくて古臭い方式なのです。これには唖然。

VDC標準はエライ。リア中央ヘッドレストとテレスコが欲を言えば欲しいなぁ…なんて思っていたら、こんなところでコストダウンをしていたとは。インテリアの質感はそこそこ良く感じられていただけに残念。電気自動車は航続距離が短いし、ロングドライブなんて出来ないから、シートポジションの調整なんてどうでもいい…という考えによるものなのか?はっきり言って、EVどうこう全く関係のないところでこんな手抜き、全く持って損というか、もったいないというか。まだプレス試乗会は行われていないとのことですが、誰か指摘する人がいるかどうか。

なるほど、これならアイミーヴよりも安くできるはずです。メーターはインパネまわりにはお金かかってますが(事実、ナビの操作系やエアコンスイッチのタッチは高級感があって質感かなり高し。)その他の部分の内装クオリティは、残念ながら100万円クラス。ティーダ以下、マーチよりややまし、程度です。削れるところは徹底して削ってます。



ちなみにマーチと同じと言えば、これもK12マーチ試乗インプレッションで酷評した、横方向のガラス面積が狭く視認性に難ありの小さなドアミラー(画像はマーチのもの)。リーフは残念ながらこのマーチと同型のドアミラーが採用されてしまっており、案の定車線変更時の後方斜め方向の死角が他車と比べて格段に大きく、危なっかしいったりゃありゃしない。この2点、慣れどうこうで解決できる問題と判断されている?走りや安全性をどういう言う前に、まずこういった基本的な部分をちゃんとする事、それが大切なのでは?もっとも、初期ゴルフⅣや現行E90型3シリーズ前期なんかでも、ドアミラーが小さすぎて危険、という事もありますが。

どうやら気になる一般ユーザーからの指摘はあまりない?しかし、運転し始める前段階として、この2点は個人的に激しく気になりました。細かいところで言えば、リアウインドーのウォッシャーがない、なんてのも。



操作系は画像のように、マウスのようなシフトと、電気式パーキングレバー。見た目を優先してかこういった形状のシフトになったのでしょうが、実際に動かしてみても操作感はまぁまぁ。使いやすいかどうかは微妙なとこですが、ボタン上に「P」ボタンがあり、信号待ちの時はポチっと押せばブレーキ操作から解放されるので便利でした。

ただ、Pボタンを押す時も、そこからDモードにする際にも、後ろのパーキングレバーを操作する時も、その反応がどーも1テンポ、2テンポほど遅れます。おそらくこれは意図的なのでしょうが、少し慣れが必要とされるかもしれません。またこのインパネまわりのピアノブラックの処理は、未来感と高級感が上手くバランスされておりなかなかの雰囲気ですが、ご覧のように乗っているとホコリや指紋、傷がすぐに目立ってしまうのが難点。まだ新車なのにこの状態ですから、長く乗るとどうなるかちょっと心配です。

リアシートは十分なスペースが確保されていて、見た目ではなんだ十分に広いやん!…っと思いますが、実際に座ってみると、なぜかどーも落ち着かない。理由はフロアと座面の高さが不足していて、足をつけると太もも付近が浮かび上がってしまって、スペース的には全く問題ないのですが、どーもしっくり座れない印象。フロントシート下に指先を入れられればもう少しマシなんでしょうが、前途したようにシート高調整の方式があれなのでそれも無理。これはやはりフロア下に電池を積む関係で、パッケージングの苦慮が伺える部分です。ちなみに自分は178cm。小柄な方なら気にならないかもしれません。もっとも、そこまで細かく気にしなければ居住スペースは十分に実用的。ヘッドレストはないものの、中央席も3点ベルトなのは○。



ラゲッジスペース、こちらは積極的に広いと言っていいでしょう。開口部も大きく、深さもたっぷり。シートを倒すととてつもなく大きな段差が残りますが、自転車が積めないじゃないか!という人はセレナを買いましょう(笑)。よほど大きな荷物を積まない限り、大きな問題にはならないと思います。また、ご丁寧にもゴルフバッグ2つの収納方法が説明書には記されていましたが、冬場暖房入れたらフル充電でも100km走れるかどうか、というようなクルマでゴルフに行く人はいるのかどうか^^; あ、近所の打ちっぱなしに行く?なるほどさすが日本基準。

さて、走り出す前からこんな長くなってしまいました(汗)。スイッチをONにして、いざ出発…そこからの走りの印象、カーナビの協調制御、バッテリーの持ち、急速充電、などなどは、次回後編でまた詳しくアップします。今回はこのあたりで。
Posted at 2011/02/14 00:13:03 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日産 | 日記
2011年02月12日 イイね!

オートメッセと、リーフと、あれこれ。

オートメッセと、リーフと、あれこれ。さて、予告通り本日、ツイッターで展開中の「12時間無料レンタルキャンペーン」に当選させて頂いた権利を使わせて頂き、日産のリーフに乗って「大阪オートメッセ」へ行ってきました。


メーカー系はトヨタのみ、タイアメーカーはゼロ(グッドイヤーの袋がもらえない!)、展示規模もかなり小さくなって「これで前売り券2000円の価値はあるのか!?」との前評判でしたが、いやー個人的にはとっても楽しめました(笑)。あのSTIの辰巳さんとお話させてもらえたり、フェラーリ458を筆頭する輸入スーパーカーもいたし、最新のドレスアップトレンドも掴めたし…


と言いつつ、9時に入場して13時に退場(笑)。そして再び、好奇の?目を大量に浴びるのを感じながら、リーフのインプレッションを再開、急速充電でたっぷりと航続距離も確保して…



という矢先に、まさかの出来事が。





片側2車線の直線道路。速度は50キロくらいでしょうか…右側車線を走行中、斜め前方にいるワゴンRが、なぜか突然に進路変更でこちらへ!「危ない!」と思って反射的にフルブレーキ、なんとか回避…と思ったところに、止まりきれなかった後ろのラパンが、リーフのリアにゴツン。



…そうなんです、最新のEV、まだ300kmしか走ってないリーフをお借りしている時に、なんと事故を起こしてしまったのです(汗)


幸い、速度が低かった事もあって、双方ドライバー同乗者に怪我なく、クルマの損傷もバンパーとナンバープレートが少し凹んだ程度。相手の方にも状況が状況だけに、怒るというより同情し合う感じというか…悔しいのは、原因であるワゴンRのナンバーを確認できなかった事(汗

警察にすぐ連絡して事故処理してもらい、意気消沈しつつそのまま返却…。軽微とは言え、新車のリーフを傷モノにしてしまった事実に変わりはなく、申し訳なさで一杯だったのですが、日産レンタカーの方にはとてもご丁寧に、しかも身体の事まで気遣ってくださり、本当にもうすみませんの一言…(涙


せっかくの息抜きのつもりが、とんだ災難日になってしまいましたが、リーフのほうは一応100kmオーバー走る事ができたので、また後日詳細レポートはキッチリと。あとは、今のところ大丈夫だとは思いますが、身体に異変がない事を祈るのみ……


改めて、安全運転への認識を改めた次第であります。自分の戒めのためにも、ここにしっかりと記しておきたいと思います。
Posted at 2011/02/12 23:35:38 | コメント(5) | トラックバック(0) | コラム | 日記
2011年02月12日 イイね!

<コラム> 今後の試乗記予定集(!?)

<コラム> 今後の試乗記予定集(!?)こんばんわ。


就活本格化につき、毎日古今東西駆け巡る日々です。
前回のFJクルーザーのコメントも返信できておらず…今しばしお待ちを!!汗




さて、そんな多忙極める中、
なぜか色々とネタ的にはストックがありまして…笑
それを簡単にご紹介。
いずれこの3本は、
キチンと試乗記にしてまとめたいと思っています。



まずは、新型ヴィッツ。

トップ画像のピンク色のヴィッツは、前回の池袋アムラックスでFJクルーザーに乗った際に同時に借りていた、1.3Fスマートストップ仕様。この時は本当に街中チョイ乗りでしか試せませんでしたが、早くもレンタカーで配車されており、ちょうどクルマを使う機会があったので、溜めていたポイントを使って格安レンタル(笑)。



借りたのは基本のモデルとなる1.0F。最初に借りた客が自分、というまっさらド新車を、馴らしなぞ無視して(爆)、いつものテストコースで一般道の渋滞、高速巡航、ハイペース巡航、ワインディング、たっぷり400km試す事ができました。そのロングランで印象が変わった点、また兄弟車ラクティスの雑感なども混ぜながら、アップしたいと思います。


次に、スバルのステラ。



これはたまたま友人たちとドライブに行く際に一番安い軽クラスで予約を入れたら、こちらもまた走行2000kmのほぼ新車なステラが割り当てられて、狂喜乱舞(言い過ぎw)。ぜひ1度スバル最後の軽の実力は試しておきたかったので、願ったり叶ったりでした。印象を簡単に言っておくと、その期待は裏切られず。いや、走りのクオリティにびっくり。ただ、そのこだわりがあるからこそ軽撤退という悪夢のシナリオも想像できてしまうわけで…このあたりの想いと悲哀を含めて、また試乗記にて。



さて、お次。これはまだ未試乗。というか、明日…正確には、今日、乗る予定です。ついでにこれに乗って大阪で開催される、オートメッセに参加してきます。その車種は、今注目の、これ。



そう、今話題のリーフ。プレス試乗会の前に、たっぷり試せる機会を設ける事ができました。もちろん、たっぷりと言っても、この久々大阪で積雪を記録する猛寒波。条件としては最悪ですが、これも実力を試すのにいい機会となりそうです。幾度と乗って味わい尽くしたアイミーヴの印象の良さを超えられるかどうか。そして日産の意気込みを商品からどう感じ取れるのか?今からとても楽しみ。こちらもたっぷりと詳しく紹介する予定です。



さ、もうこれだけ忙しいと、こういう事やっているのが数少ない娯楽w とりあえず雪が積もらない事を祈りつつ、リーフにワクワクしながら、今夜はこのあたりで。
Posted at 2011/02/12 00:58:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | コラム | 日記
2011年02月01日 イイね!

New!試乗記 トヨタFJクルーザー

New!試乗記 トヨタFJクルーザーさて、忙しさに苛まれて、すっかり月1更新ペースとなってしまいました。苦笑

バイトと就職活動の両立、セミナーや説明会に参加するためにバイトを休み、けどバイトを休めば収入が減り生活も就活の交通費も厳しくなり、けど説明会の予約を早い者勝ちで取りやり繰りするだけでも大変で、そしてバイトもすぐ代わりを見つけなければいけない…という悪循環の中、大学ではテスト期間に突入するという、まさに地獄(笑)の週間をなんとか乗り切りました。幸い単位取得には余裕があるので、留年や卒業できないなんて事にならないのが救い。テスト種目も最小限で済みました。あぁ、過去の自分に感謝。笑

経団連やら色々で就職活動の開始時期を模索しているそうですが、せめてやはり2~3月くらいにしてもらいたいですねぇ…と言いつつ、すでに始まっちゃってる2012卒の自分にはもう関係のない事ですが(苦笑)

さて、大阪在住の自分は、移動という点でまだとても恵まれている方なのですが(大きい規模でだと、東京か大阪、あとは名古屋が会場のメインでしょうか)説明会の予約状況次第では、東京へ足を運ぶ事も多くなってきました。ばびゅんと新幹線で2時間半?いえいえ、そこは予算優先で8時間かけて深夜バス。これが寝れないし狭いしツライ…運転大好き人間としては、自分で500kmちょいをピュッと運転して行く方が楽なんですけどねw

さ、前置きが長くなってしまいました。そういうわけでせっかくの東京行、説明会が終わりバスの時間までかなり余裕があったので、ずっと前から行きたかった池袋のアムラックスへお邪魔しました。目的はヴィッツとFJクルーザーの試乗。現在45分タイムレンタルが無料!という太っ腹な企画を開催中で、ちゃっかりこれに便乗してきました。

で、ヴィッツはまぁのちのちにしまして、今回最大の収穫だったのが、FJクルーザーの思わぬ良さに気付けた事。個人的にはMINIやフィアット500など、クルマとしての出来には共感できるものの、過去へのオマージュを現在のコンプライアンスの中で実現しようとする、ノスタリアズム?の傾向はあまりそう好むものではありませんでした。過去を美化し過ぎる傾向も。「あの頃はよかった」だけでは、技術もデザインも進歩しません。伝統は時として呪縛にもなります。

それに、FJクルーザーの北米デビューは2006年。中身は先代プラドがベースであり、技術的にも大してポイントがあるわけでもありません。むしろ、最新か否かで言えば、間違いなく「古い」1台。というわけで、雰囲気だけのクルマ、ということで舐めきっていたんですね。

…で、実際乗ってみました。結論から言うと、もうなんかすいませんでした。国産も「たまには」こういったプロダクトでクルマ作ってってください。…最初と言ってる事が真逆です(笑)。しかも、たまに?なぜこんな心境になったのか…は、追々。





さて、試乗車はベースモデルのブラック×ホワイトの2トーンカラ―。装備充実の「カラ―パッケージ」や、ビルシュタインサスをもつ「オフロードパッケージ」もありますが、装備的にはこのベースモデルでもなんら不満なし。「デフロック」やら「アクティブトラクションコントロール」やらオプションは豊富で、カタログを眺めるだけでも色々と妄想が…。

そんな中、個人的に「付けなくてもいい」と思えるのがアルミホイール。純正サイズの17インチアルミや、60扁平20インチのアルミも用意されていますが、このクルマには間違いなく「鉄っちんホイール」が一番サマになっていると感じます。70扁平17インチのバカでかい迫力ったらありません。(ちなみに純正17インチは265幅、オプションの20インチだと245幅と20インチのほうが若干幅狭に。最小回転半径はともに6.2mで同一。)



ブラック×ホワイトの鉄っちんホイール姿…いやぁー、カッコいいですね。欲を言えば、こんなにピカピカじゃなくて、いたるところそこらじゅう泥っだらけのほうが、さらに雰囲気が良くなるかもしれませんw。もし自分がオーナーなら洗車なんてせずに、徹底的に汚れさせておいてそのまま放置、なんてのもアリ?事前に「もし乗るなら…」と想像していた仕様そのままバッチリだったので嬉しさ2倍。もちろん、鮮やかなブルーやイエローの展示車もいい雰囲気でした。

さてドアを開けて、運転席に「よじ登り」、ドライビングポジションをとると、目の前に広がる景色は今まで経験したことのないもの。幅はバカでかく、しかし天地方向はとても狭く、ポジション自体は案外足を投げ出すような乗用車的感覚で、けどもアイポイントは尋常じゃなく高い。まるで正方形の箱に閉じ込められたような感覚で運転することとなります。視点の高さは4トントラックと同じ、そしてグラスエリアがトラックの半分以下でスポーツカーのよう、と言えば、なんとなく想像していただけるでしょうか。その証拠に、フロントワイパーは短いブレードの3本拭き。見た目だけの演出でなく、こうでもしないと雨の日は前が見えません。笑



インテリアの質感は…なんて、このFJクルーザーには愚問でしょうか。300万円ちょいという、見た目にしては割安に感じられる分、高級感を味わうところは皆無。しかし、グローブ装着前提で操作性を考えられているおかげで、シフトノブも、エアコンも、各レバー類スイッチ類がとにかくバカみたいにデカく、操作性は極めて良好です。試乗車はブラックなので、内装パネルの色もブラックなので一見地味な印象ですが、ボディカラーとインパネが同色となるので、とくにイエロー・ブルー・レッドはかなり目立ちます。運転中これほどまでに自分のクルマのボディカラーを意識させるクルマはそうありません。運転席からは、だだっ広いボンネットも常に視界に入ります。

ステアリングは思っていたよりも小径でグリップも細く、パッと乗った印象では案外取り回しでのステア操作は楽…なのは錯覚で、全長こそ常識的ながら、このボディ形状と大きさ、そして特殊な視界では取り回し性は国産乗用車最難関の分類に入ります。とりわけただでさえ狭いリアガラス面積をさらに覆うスペアタイアのおかげで、後方視界は最悪。かつてのいすゞ・ヴィークロスを思い出させます。ドアミラーが縦長なおかげで、ミラーtoミラーはなんとiQとほぼ同じ!との触れ込みがありましたが、そのiQのミラーtoミラーの数値自体が、アウディA4よりも大きい事を知る人はそういないでしょう。デカいタイアとオーバーフェンダーで、車幅感覚…とくに幅寄せなどは、相当に神経を使う事は覚悟しておく必要がありそうです。ま、このクルマが気に入った人にはどれも気にならない事でしょうがw



そんなボディな割に、リアシートやラゲッジスペースが案外広くない事も知っておく必要があります。RX-8と同じ方式の観音開きドアも使いやすいとは言い難く、リアシートの足元スペースは、狭いとまでは言わないものの、あまり長時間座りたいとは思えません。ラゲッジもフロアの高さ、その割に低い全高、短めの全長で思ったほどの広さではなし。申し訳程度にハッチガラスが付いていますが、こんな狭くて高い位置だとさして便利でもなんでもありません。苦笑

エンジンは4.0LV6。組み合わされるのは5速ATで、シャシーはフレーム。X-REASもビル足もついていない素の仕様。しかし乗るとさすがトヨタ車というか、荒れた路面や少しスピードを上げた時、コーナー時にモノコックとは違う事を意識させられますが、普通に走ればなんら違和感なし。乗り心地もいたって快適。パートタイム4WDなので街中だと常時FR状態で走らなければいけないのは少し残念ですが、ファッションでこのクルマを乗るユーザーには別にどうでもいいのかもしれません。ブレーキもストッピングパワーはこのクルマには必要十分。ロール・ピッチ・ブレーキング時のノーズダイブの大きさ、コーナリング時の挙動変化の大きさ、高速走行時の緊急回避時のスタビリティうんぬん…このクルマにそのようなオンロードで飛ばした時の云々を言うのは、愚問というところでしょう。のんびりまったりクルージングするには最高です。



エンジンは低速からトルクたっぷり、踏めば上までシュンとキレイに回ってくれます。車重を考えれば、十分にパワフルで余裕ある動力性能と言っていいでしょう。欲を言えば、ちょっと排気音がジェントルすぎるというか、優等生すぎるというか。ここはマフラーなどの排気系チューンでもっとドロドロとした迫力あるサウンドを……それか、むしろディーゼルの方がこのクルマのキャラクターにマッチしているかもしれません。

通信簿的に見れば、項目別で点数をつけると、良いポイントはさしてなく、逆に気になるところを挙げればそれはいくつも出てきます。しかし、なぜかこのクルマ、別に飛ばさずとも、街中を走るだけで、とにかく楽しいんですよね。もう運転しながら笑っちゃうんです。ニヤニヤしながら「良いわー良いわーこれ。」ってドライブが楽しめる。一応評論的に文面を色々書きましたが、正直そんな事、そんな基準はどうでもいい。クルマとしての商品的価値は間違いなく高い。逆に言えば、カイエンやレンジならともかく、今売ってるプラドやランクルになんて、自分は全く興味が湧きません。けど、このFJクルーザーなら、気になる…否、むしろカタログを見ながら「自分が乗るとしたら、あーでこーでこうしてああして、仕様が決まったらここをああいじって…」とついつい妄想が広がってしまう。


それはやはり、クルマ全体が醸し出す「雰囲気」の良さなのでしょう。いわゆる「右脳」タイプのクルマ。もちろん「左脳」部分…メカニカルな面も決して、優先しないというわけではありませんが、結局その部分に関しては、よっぽど工業製品的に突出して優れたレベルのものでないと、購入意欲をそそられないわけです。今のトヨタにそちら方向で訴えてくれるクルマがあるか?残念ながら、片手で数えられるほどしか個人的にはありません。それでも、クルマ好きにとって自分はまだ寛容派なほう。他の方ならトヨタ、否、国産車で欲しいと思えるクルマなんて、ない!という方も多いのでは。

ただ、個人的にそんな状況を嘆いたとしても、それを武器に批判しようとは全く思いません。それは同時に新型ヴィッツに乗り、その「温度差」をもうマトモに感じたから。それは、大衆を狙うのか、それともアウトローを狙うのか、で違ってくるのだと。おそらく普通の感覚をもったユーザーなら、確実にこのFJクルーザーなんて眼中に入らない事でしょう。FJクルーザーの魅力に触れ、トヨタの現在のクルマ作りを批判する自動車ジャーナリストが一部でいるようですが、そんなものはナンセンス。やるならば、それは徹底的に左脳視点で、ダイナミクスや安全性を追求提言すればいい。むしろ個人的には、そう感じた時点で、「あぁ、やっぱクルマ好きって、自分って、世間の価値観からズレてんだなぁ」という事を改めて認識した、そんな感じです。



いやー、つくづくクルマ作りとは奥が深く、そして難しい。もちろんこれは本流じゃありません。メイン車種までこんなぶっ飛んだ事しろ、強烈な魅力をもっと盛り込め、なんて言うのは滅相もありません。パッソだってヴィッツだって、カローラだってヴォクシーだってアルファードだって、どーぞどーぞたくさん作って売ってください。偏差値が優秀ということ、それで良く売れるということ、それはそれは素晴らしい事ですし、資本主義の企業としての基本であります。

けど、けどですね。下から上まで幅広いラインナップをもつメーカーならば、このFJクルーザーの「楽しさ」みたいな感覚を持ち合わせたクルマが、もう少しあってもいいんじゃないですか?バカみたい、無駄こそ正義、そんなはっちゃけたクルマが、もう少しあってもいいんじゃないですか?それでユーザー層がさらに広がれば、儲けもんですよ。だって、「企業」といえども、「『自動車』企業」なんですもの。基本ができれば、応用でちょっとおふざけしてもいいんじゃないですか?トヨタさん。ちょっとだけでもいいから、「夢」を売る仕事、でもあると思うんですよ、クルマって。

あ、そういえば、オートサロンではだいぶ「おふざけ」されてましたね。別に一般の方から白い目で見られても、会社の内部で批判が出ようとも、たまにはいいじゃないですか。僕ら「アウトロー」な人間が、とっても楽しみにしてますよ。ね?トヨタさん。


そうだなぁ…巨大化しすぎて、なのに今じゃ3列シートの北米仕様をそのままもってきたヴァンガードのほうが売れちゃって、全く存在感がなくなっているRAV4を、思いきって最近流行りのアンダー2Lクラスまでダウンサイジングして、ジュークやRAV4、もうすぐ登場するマツダCX-5に対抗するべく、このFJクルーザー風のデザインにして売るなんてどうでしょう?ハマーH2→H3の流れみたく。実際FJとH3が同じ大きさだけども。そうすれば日本でも、いやトヨタさんが苦手とするヨーロッパでも、結構いける、かも?そこんとこ、いかがでしょうか?
Posted at 2011/02/01 00:15:17 | コメント(2) | トラックバック(0) | トヨタ | 日記
2011年01月12日 イイね!

New!試乗記 トヨタマークX

New!試乗記 トヨタマークX遅ればせながら…新年あけましておめでとうございます。






年が明けてからのんびり実家で過ごしたのも束の間、もう危機感を煽る、暗いニュースしかない2012就活生へとすぐさまスイッチを切り替え、パソコンの画面を見ながら…履歴書や自己PRとにらめっこしながら…うーうーと唸っている日々、大学が始まって、テスト期間と就職説明会が混同する大変な時期にまもなく突入…。考えるだけで気が重いですが、そこは息抜きという名のもと、2011デトロイトショーの情報を楽しみにしつつ…笑


という四方山話はさておき、新年1発目の試乗記は、昨年末の「カービューオブザイヤー」の国産車部門でベスト!と推した、マークXのレポートをお届けします。

CR-Z、ポロ、スイフト、BMW5シリーズ、と力作見られる中、なぜマークXなのか?最新のエコカーでもなければ、超絶にアグレッシブな魅力に長けているわけでもありません。なのに何故…。

話は遡る事、一昨年の東京モーターショウ。ここで登場直後のマークX、まだディーラーでもプレスにも試乗会が行われていない中、2.5Lと3.5Lの両方を同時に乗る機会に恵まれました。そう話題のクルマでもなく、大きく期待もすることなく、そして何の先入観もなくパっと乗ったのですが…これが、あれれ?いいなぁ…うーん…ちょっと待て…ひょっとすると、相当いいかも!?というような感じで、やけに印象に残るファーストインプレッションだったのです。スペック上で多く見どころのある、最上級モデルの3.5Lのプレミアムではなく、2.5Lの素モデルが特に…。



以来、ずーっとあの感触の良さがどこかに引っかかっていたのですが、トヨタレンタカーにて「カローラと同じ値段で新型マークXがレンタルできる」というなんとも魅力的!なキャンペーンに乗じて、約700km徹底的に走り込んでテストすることに。そして、あの時の感触の良さを、確信へと変える事になりました。それが昨年の個人的国産車ベストという結論に……

さて、前置きが長くなってしまいました(苦笑)。
テスト車両は廉価版の250G・Fパッケージ。エコカー減税の影響で、街中で見かけるのはほとんどG・リラックスセレクション。というか、売れているのがほぼこのグレードとSパッケージのみ。アルミを履いていないマークXを見かけたら、それは間違いなくレンタカーと見て間違いないでしょう(笑)。



しかしながら、装備的にはこのグレードでも実用上はなんら不満はなし。強いて欲しいならばHIDとアルミホイール、車格を考えればパワーシートや本革巻きステアリングも欲しいなぁ…と思えば、これらの装備は全て売れ筋グレードで揃います(笑)。だからと言ってこのFパッケージに存在価値がないわけでもなく、1つ上のグレードとの価格差は約30万円。決して小さくはありません。

そう、このマークXの価格は238万円。「高級車的装備」は少し貧弱ながら基本装備は十二分、加えて偉いのは先代とは違って、「サイドエアバッグ+VSC」を廉価版だからと言って省略しなかったこと。つまり、2.5Lエンジンと6速ATを搭載した、安全装備に抜かりのない、(世間的には十分に相当な)プレミアムセグメントのFRセダンを、この価格で味わえる。205万円のプリウスショックに影に隠れがちですが、これはとんでもないバーゲンプライス…ましてや、このマークXは国内専用車。そう考えれば、「価格」だけを見てもなかなか存在価値を感じられる1台なのです。



さて、基本はキープコンセプトながら、フェイスはより表情豊かにアグレッシブに。フロントフェンダーはマツダのパクり?いささか消化不良気味ではありますが、それはCADに頼りがちでクレイで検討を重ねない最近のクルマのデザインの悪い傾向…と、こんな話をし始めてしまうとまた脱線してしまうのでこの辺で。個人的にはそんなに嫌いではないものの、もっとスッキリとプレーンにまとめてもいいと思うのですが、このマークXの主査さんはかつてあのヴェロッサの商品企画を手掛けていた事もあったということで、まぁ変に無個性で埋没してしまう危険性とのバランスを考えてしまうと、落とし所は難しいところです。



しかし、1つだけ猛烈に褒めたいのは、先代で始めトヨタだけでなく他メーカーも追随した「バンパー内蔵型マフラー」をやめたこと。オードソックスな丸型左右出しで、デザイン上は退歩かもしれませんが、こちらのほうが絶対に良い!レクサスLS、クラウン、そして最も最悪なのはマジェスタ……「デザインのためのデザイン」でしかなかった、まるで髭剃りの残りのようなダサさから脱却しただけでも、個人的には大いに評価できるポイント。

インテリアは、先代のような奇をてらったポイントがないオーソドックスな仕上がり。コスト自体は相当に低く抑えて仕上げたそうですが、パッと見ではそう思わない「高そうに見える」処理の上手さはトヨタの真骨頂。クラウンやレクサスと差は小さくはありませんが、少なくとも100万円以上の差はインテリアを見る限り感じる事はありません。特にシフトブーツを使ったATシフトノブまわりの処理などはレクサスもかくやの見た目とタッチ。フェイクウッドの上手さもトヨタならでは。そんな中唯一惜しいのは、ドアを閉めた時の音。いかにも鉄板が薄そうなベイーンとした音は、雰囲気の良さを帳消しにしてしまいかねません。これは格下車種以下。個体差?13.000kmしか走っていませんでしたが…。



さて、実際に走り始めます。動き出してまず感じるのは、ステアリングのずっしりとした操舵感。トヨタユーザーからケチつけられそうな感じもしますが、そこはクルマ好きとしてはニンマリ。まずマークXの走りの上で最大の美点がこのステアリングフィール。電動パワステとは思えないナチュラルさ、可変ステアレシオではなくとも、クイックでもダルでもない絶妙なバランスへの落とし所。そしてなんと言っても嬉しいのは、今までのトヨタ車では望めなかった、ステアリングから伝わる路面からのインフォメーション性の高さ。シートとステアリングに伝わる感触が、それぞれ合致しながら走るこの感覚は、「情報遮断=快適な走り」と大いなる誤解で長年セットアップしてきたトヨタの高級セダンからの脱却を意味するものと言えそうです。もちろん、間違っても「ドイツ車に走りが追いついた!」なんてまでの大げさな事は言いませんが(笑)。

もう1つ良いのは乗り心地。走りのポテンシャル自体はゼロクラウンでの改革で劇的に向上したものの、反面乗り心地の部分で失った部分も多くありました。しかしこのマークXはプラットフォームの改良を重ねた上で、ようやく幅広い速度域で快適な乗り心地を実現したと言っていいでしょう。特にウィークポイントだった、リアサスのピョコピョコ感、低い速度域での荒い路面通過時の揺さぶられ感、その時に強く発生するステアリングへのワンダリング…これら悪評が1つ1つ潰されて、このマークXの16インチのセットアップでようやくスッキリとしたナチュラルな走りを実現できた…と言えそうです。少しだけ足元のドタバタ感が目立った時もありましたが、これは唯一鉄っちんホイールを履くためのバネ下重量の影響かも。ちなみに、オプションの235幅の18インチを履くと、シャシーやフロア剛性へのキャパシティがギリギリに感じられる場面が多くなるだけに、繰り返しますがベストマッチは16インチ(テスト車両の装着タイアは、ヨコハマのDNAdb)。見た目とのバランスを考慮しても、せめて17インチで上手くセットアップしたいところです。



2.5Lのエンジンは、今回レギュラー化されてパワーは少し減ったものの、実際乗るとこれで全く不足なし。いや、十分に速いレベルと言っていいでしょう。FRながらトラクションも十分。どことなく味気ないフィーリングに感じるかもしれませんが、それは反面とてもスムーズでシュンと6800回転のレッドゾーンまですっきり回ってしまうからかもしれません。もちろんこれで物足りなければ3.5Lを…となりますが、先ほどにも書いたシャシーのキャパシティを考えても、やはり2.5Lと16インチの組み合わせが、もっともまとまりがよく、もっともマークXという車格に相応しい仕上がりと言えそうです。事実、3.5Lモデルは全く売れていないところを見ても、それは明らか。

惜しいのは、少しリニアさに欠けるスロットルレスポンス。いわゆる「早開き」傾向でないところは評価できるのですが、発進時から徐々にアクセルを開けていく時や、バックする際に微妙な速度コントロールを必要とする時に、どこか「ON」と「OFF」のようなスイッチ的、と言えばいいでしょうか。つながりがどことなく唐突に感じられる時が時々ありました。これは変速ショックが皆無なかわりに、トルコンのスリップが少し多めなATのセッティングも影響しているかもしれません。



あおのATに関しては、積極的に走る時には、ブリッピング機能がないためにシフトダウンがドン臭く感じる時もしばしば。こういった細かいポイントが「旦那仕様」のままなのは、シャシーとステアフィールが大変良くなっただけに、より本格派な味わいを求めるならば、改善していかなければいけないところかもしれません。

もちろんこれは、Dレンジで普通に走っている時には全く気になりません。終始滑らかで快適、変速プログラムの適応性の広さはさすがといったところ。54:46とややフロントヘビーながら、ワインディングを結構なペースで楽しく駆け抜ける事ができたので、浮上したウィークポイントと言うところでしょうか。笑

そして燃費。街乗りで9~10、高速で13~14、エコラン巡航で16前後、700kmトータル走りまわって13km/L弱というのは、1.5トンを超える2.5LのFRセダンとしては望外にいい数値。ECOモードでも過不足なく走れた影響も大きいですが、ハイブリッドだけでなく、ここ数年コンベンショナルなガソリンエンジン車の燃費だってかなり改善した…前回のプリメーラから比べても、それを実感します。

もちろんプリウスや、SAIあたりの燃費には敵いませんが、何もクルマの魅力は燃費だけが全てじゃない…と考えているユーザーも、確実に存在します。月に2000km走る…というような条件でなく、せいぜい年間1万キロ程度…というのであれば、プリウスやSAIなどよりも遥かに優れたドライバビリティと乗り心地を併せ持つマークXに魅力を感じる人は少なくないはず。そしてなにより、238万円で、この確かな走りの実力。そりゃぁ、4気筒でも、Cクラスや3シリーズは確かに良い。ゴルフだって。けど、「輸入車」という存在が、世間一般的にはやはりまだまだ相当ハードルは高い…これはクルマが好きであればあるほど、専門的であればあるほど、それを忘れがちです。「価格」という要素を抜きにした視点で。



例えば世間体であったり、上司との兼ね合いであったり。いまだに「駐車場で目立つから」と言って白やシルバーを選び、「上司が乗っているから」とクラウンよりあえて下のクラスのクルマから選んだり、「営業先や取引先に外車に乗っていくわけにはいかない」等々……そんな人が日本には大勢います。最近では自分の同世代がいきなり中古のセルシオに乗ったりなんかする事もありますが、自動車ヒエラルキーはいまだ根深く存在します。

そういった中で、このいかにも「日本車」的なマークXは、特に日本市場が見捨てられがちな昨今に置いて、肩の力が抜けているというか、「課長」クルマここに極めたり。そういった感じがするんですよね。それは大き過ぎない全幅、でも横幅はこれでもか!とたっぷりなゴルフバッグ対策のラゲッジスペース、FRで小回りが効いて実に街中で運転しやすい…それでいで、クラウンほど和風じゃない。このセグメントのクルマがアメリカや中国を見てどんどん変貌していくのを見て(マークXは中国にも出すでしょうが)、どことなく欧州チックな日本車、こんなガラパゴスならば、喜んで歓迎…そんな気がこのクルマから伝わってきました。

日本大好き、友人からは時に右翼扱い(笑)される自分として、マークXが気に入ったポイントはそこ。これより+100万円以上だしてレクサスISを買わなくとも、十二分に「いいクルマに乗ってる感」と「そう見られてる感」を買う事はできます。こんな見栄や世間体を気にする人にも味わえる1台。プリウス旋風吹き荒れる中でも、そこそこ売れているのを見ても、日本人の堅実さが表れていて嬉しくなります。

男の真ん中でいたいじゃないか。侍X。キャッチコピーのダサさはさておきw、いまとなっては侍的雰囲気はあながち間違いではないかもしれません。そしてバカにするなかれ、性能や味もキチンと仕上がっている。地味、だけど、お勧めの1台です。

Posted at 2011/01/12 22:11:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | トヨタ | 日記

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