野良猫ゴロー

毎晩という訳でもないけど、それなりに続いている山神様の夜のジョギング。
そのジョギングのモチベーションを支えてきたのは、野良猫。
１年半ほど前からジョギングルートの空き家に１匹の猫が棲んでいるのに気が
ついた。
推定１歳半くらいの若い♂のキジトラ。
いつの頃からかこちらが鳴きまねをすると、姿をみせるようになった。
ただし、少し近づくとチビのくせに「フー！」っと唸り声をあげて威嚇して
くる。
無責任に餌をあげるのは、いけないこととは思いながらも愛らしさに負けて
ハンペンを少しだけ投げ与えると警戒しながらも空腹に耐えきれない様子で
食べ出した。
それから彼は毎晩同じ時刻に同じ場所で待つようになり、体に触れることも
許し、さらには抱き上げても大人しく身をまかすようにさえなり、僕らは
彼を「ゴロー」と名付けた。
そして昨年しばらくの間、姿を見ないと思ったら立派な雄猫に成長した彼が
美しい黒トラの妻と可愛い３匹の仔猫を連れて現れた。
その付近には、毎晩決まって餌を与える人がおり、子供達も充分に栄養が
摂れているようだったが、その行為に批判的な人達もいるようだった。
安易な餌やりが、野良猫の繁殖の原因となるとの批判は当然のことだが、正直
彼が家庭を持てたことを嬉しく思った。
しかし、それから年末までに彼の妻と２匹の子供は車に轢かれ、彼と最後まで
一緒にいた残る１匹の仔猫も行方不明となってしまった。
家族を失った彼は以前にも増して僕達に親密さを示す様になったが、逆に僕達
としてはもうこれ以上無責任に彼を可愛がり続けることが辛くなってしまった。
そして、彼を家族にすることを決心し、２日の夜、いつもように待っていた彼
に首輪を掛けて家に連れ帰った。
自由を奪われたゴローは、凄まじい怒りの形相で２日間飲まず食わずだったが、
少しづつ元の信頼関係を取り戻してきたようだ。
これからは、我が家は二人と一匹。
どんな暮らしになるだろう・・・。

俺をこんなところに閉じ込めやがって・・・・。


あ～、自由が欲しい。


ハンスト。


そんなことでだまされねえぞ！


や、やめろ・・・あ、あああ気持ちいい～。


もう、野良猫なんかやってられねぇ～ｚｚｚｚｚｚ。