もう20日が経過して記憶が薄れつつありますが,先日試乗したルノー・トゥインゴGTの試乗レポートなぞ書いてみようと思います.
試乗モデルはオレンジ色のツーペダルEDCモデル.
愛嬌がある中にも精悍さが感じられる外観は,ノーマルモデルのトゥインゴと同様ですね.
カラーリングがGT専用なのですが,オレンジにせよグレーにせよ,ラインはもう少し控えめの方が個人的には好みです.
では乗り込んでみましょうか.
おや?,
ここでいきなり残念ポイント発覚.
ドアハンドルがフラップを手前に引くタイプです.
ドアハンドルはグリップをしっかり握るタイプの方が,絶対に力が入ります.
ドア自体が小さいのでそれほど力を入れる必要は無いとの判断なのかもしれませんが,風が強いときや,万が一のボディが歪んだときや水没してしまったときなど,力を入れてしっかり握れるに越したことはありません.
小さいクルマでも大きなクルマと同様の思想を持つといわれている欧州車にしては,ちょっぴり残念です.
気を取り直して,室内へ.
床面が高いこともあり,高い視線は運転時のストレス軽減には効果がありそうです.
座席はフランス車伝統の少し沈んだところで身体を支えてくれるタイプですが,通常モデルに比べてかなり硬めなので身体の沈みこみ量も控えめで,今回試せなかったタイトな連続ワインディングや高速コーナリングでの挙動が興味あるところです.
シートに腰を落ち着け,ドライビングポジションを合わせるところで,再び残念ポイントが.
ステアリングの調整が,チルト,つまり上下方向のみ可能なのです.
つまり前後調整はシートのみで行うことになりますが,人間の身体サイズは千差万別,調整の余地は多い方が良いに決まっています.
クルマに身体を合わせるという発想は,相手が命を預けるものだけに,厳禁でしょう.
でも次のポイントは,個人的には大歓迎な部分です.
エンジンに火を入れる(この表現,好きだなぁ)のに,鍵穴にキーを差し込み,クイッとひねる.
クルマの運転という非日常への切替に,この儀式は欠かせません.
フランス車に電子機器は極力取り入れてほしくないというのが,本音ですが
アイドリング時から,二本出しマフラーからは,0.9Lにしては力強い排気音が聞こえます.
ただ,三気筒エンジンから二本出しって,結構マニアックなことしてるんですね.
昔,スズキのバイクに三気筒四本出しなんてモデルもありましたが,双方とも名前が「GT」っていうのも奇妙な一致です.
それでは,走り出しましょう.
そっとアクセルを踏む分にはノーマルモデルと差異は感じられませんが,少し強めに踏み込むと...
おったまげー!(笑
軽量ボディに十分すぎるトルクがあいまって,背中を思いっきり蹴飛ばされた気分.
あ,RRなので当然か
何がすごいって,このスピードに乗った状態でも,ステアリングを切るとしっかりと回頭してくれるところ.
ノーマルモデルでは,ある程度の速度になるとステアリングの操作に車の頭がダイレクトに追従しなくなる傾向が感じられた(これがRRの特性?)のですが,この不安定さがまったく感じられません.
荷重は相当な割合で後輪にかかっているはずですが,前輪がしっかりと路面を捉えている感覚でした.
これは安心してアクセルが踏めますね!(喜
ただ,ここで第三の残念ポイントも
ブレーキの踏み始めの領域での効き具合が,弱いように思えたのです.
これは僕のテクニック不足に起因することは間違いないのですが,制動の微妙なアクセントを付けるのが苦手に感じました.
ただし,しっかり踏み込めばまったく何の問題も無く,減速できます.
後輪ブレーキがドラムタイプなのに不満を持つ方もいらっしゃるでしょうが,これでもまったく問題は無いため,不要なコストはかけないというルノーの明確なメッセージを感じました.
回転計が無いことを危惧する意見もありますが,実際問題としてツーペダルモデルでは不要かもしれません.
ただ,逆にMTの場合は必須のように思えるのですが,このあたりのメーカーの見解を聞いてみたいものです.
今回は普通の市街地試乗だったので,高速道路での挙動が不明ですが,今回の試乗で見た限りは,子育てが終わった老夫婦が二人でのんびり国内ドライブを楽しむには,身の丈にあった最適なクルマに思えました.
ところで,MTモデルとEDCモデルのどちらを選ぶと聞かれたら,
断然,MTモデルでしょう.
だってシフトノブが,
↓ EDC
↓ 5MT
EDCモデルのシフトノブのデザイン,もう少しなんとかならないものでしょうかね.
Posted at 2018/05/26 17:30:21 | |
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