こんばんは、銀匙です。
えー・・
今回ご紹介するレンズは滅法高いもんでございます。
私にとってのオールドレンズってのは(ライカを除き)
単焦点でMFだから不便だけど写りはすげぇ良い。で、お安い。
だったものですから、いささか定義から外れるんですよね。
ともあれ。
このレンズはですね、
そもそもリコーがGR1という名の高級コンパクト(フィルム)カメラを
こさえたわけです。
それを売ってみたら結構評判が良かった。
それで嬉しくなったリコーさんは
「よし、それならライカLマウント版も作ってみるか!」
というわけで、
1997年にたった1回だけ
3000本(黒1000本銀2000本)ぽっきりだけ
ライカLマウント版のレンズとして
売ったわけです。
詳細は
この辺りを見るといいです。
それから19年過ぎたわけですが、今なお店頭ではめっちゃ高いです。
大体ファインダー付きのセットなら普通に11万はします。
ええ。
じゅういちまん、です。
幾ら限定レンズでも11万はないわーと思ってたんですね。
いや、FE1635とかα7Ⅱとか買ってるじゃねーかと言われたらその通りです。
いつの間にか高い物にも手を出すようになっていましたね(遠い目)
しかもFE1635なんて残念感半端なかったですし。
あと、それこそF6とはいえ、Lマウントの名品であるオリオン15(28mmF6)を既に持っているわけです。
こいつは小型軽量、α7で色被りもせずヘリコイドマウントと併用すれば寄りまくれる。
フルサイズ28mmとして求めたいものはみんな持ってるレンズです。
ただ、店頭でGRを見かける度にちくちくしたものはあったわけです。
で。
私のところに来てくれたレンズは、ファインダーがありません。
外箱も説明書もありませんし、フード内側にはスレがありました。
でも、レンズはクリアで、絞りもヘリコイドも正常で、およそ7万でした。
確かにファインダー抜きの買取価格は5万弱ですから、ファインダレスなら
6万少々で店頭に出る事もあるのかもしれません。
しかし、私はファインダレスで売ってるの見たことがありません。
私はα7ⅡかNEX6につけるのでファインダなんて要りません。
ファインダの為に4万値引いてくれるならそれでいい。
ちなみにファインダの買取値なんて1万円にもなりません。
色々な意味で私にはちょうど良かったわけです。
それにしても、リコーさんは相当気合を入れて作ったんだと思います。
例えばフード。
岩みたいに硬くて重いです。
フードだけで42gもある。
私がいつも使ってるアルミ製メタルフードが12gですからね・・
ずっしりきます。
で、早速持ち出して1枚。
・・・げげっ。
マゼンタ被りが出てるじゃないの。
それにやたら色のりが濃いなぁ・・うーん。
GRに対する憧れとか払ったお金とかの大きさから、そのガックリ具合がいつになく深刻です。
というわけで2枚目はモノクロにしてみます。
ほっほー!
ほっほーう!
いいねいいね、これはいいね。諧調凄いね!
ピントあってるところの解像度が半端じゃないね!
気分的にもちょっと持ち直しました。
ただ、そうするとこの子はモノクロオンリーか?
ちょっと小雨が降ってきたので車の中に避難。
あれ、このショットだと被ってないなぁ・・うーん・・
そうそう。
GRはLマウントレンズとしては短い70cmまで寄る事が出来ます。
ただ、私は例によってヘリコイド付きのマウントアダプターを使ってα7Ⅱにつけているので、最短20㎝まで寄れます。
GRD4の1cmには勝てませんが、このくらいは運転席に座ったまま楽勝です。
雨が止んだのでもうちょっとだけということで再び外に。
モノクロでもう少し撮ってみます。
やっぱりモノクロだと周辺減光で済むねぇ・・
マゼンタ被りがなきゃねぇ・・
そんなことをつらつら思いながら帰途につきます。
帰宅後、α7Ⅱのパラメータを見てると、使っていたのがクリエイティブスタイルのランドスケープだったのですが、彩度を上げる設定にしてたことに気づきました。
そりゃ色乗りが濃いわけです。
ただ、マゼンタ被りは本当に厄介な奴なので、ちゃんと調べてみました。
すると、α7Ⅱの場合はクリエイティブスタイルをニュートラルにすると、カラーでも被りにくい(多分被らない)所までいけそうだという事になりました。
比較してみます。
クリエイティブスタイル:ランドスケープ
クリエイティブスタイル:ニュートラル
ちなみにモノクロ
同じリコーのXR28mmF2.8はマゼンタ被りを起こさなかったので油断してましたが、まぁ向こうは一眼用でこっちはライカL用ですからねぇ・・フランジバック問題がもろにでてしまったようです。
ただ、XR28はもとより、一眼レンズでは一番信頼しているOM28mmF3.5より鋭いピントピークを有しているのは驚きでした。
凄いレンズには違いありません。
あぁ、もちろんFE28のようにEマウント専用レンズなのに周辺が明らかに流れてるといった評価以前の問題はありません。
Aマウントの28mmF2をLA-EA4経由でα7Ⅱにつけた方が流れないって、どんだけ電子補正頼りの設計してるんだかね・・純正Eはほんとろくでなし・・
それはそうと。
総論として、GRは凄いレンズですがORIONほど柔軟ではありません。
難点としては彩度を上げる設定をした時にマゼンタ被りが起きやすいという事。
ただ、ズミクロン並みの解像度の高さで、2420万画素の受光部が求めるレベルをクリアしていますから、ORIONより絵はピシッとします。
推奨としてはモノクロですが、ニュートラルなどの低彩度モードであればカラーでも行けるんじゃないかなと思います。
なによりα7Ⅱにつけるとそれはそれは格好良いし、F2.8はぎゅっと寄れば大きくぼけます。ヘリコイド付きマウントアダプターは必須です。
せっかくうちに来てくれたのでこっちの良い所も探してみますよ。
とはいえ、ORIONは格好いいし軽いしマゼンタ被り起こしませんしGRより安いというわけで、やはりライカLマウント広角レンズの王者はORION15だねーという結論は現時点では変わりませんでした。
あぁ、エルマリートとかヘクトールは値段がスーパー過ぎますし、コンディションのまともな玉も今となってはね・・
追伸:
ORION15いつの間に値上がりしてたの?
オークションとか店の価格見たら8万とか9万とか・・ないわー
おいらは4万で買ったし、4~5万ならベストって思ってますが、ロシアンレンズに8万はないです。
製造年代でのリスクとか考えればORION15に8万出すくらいならGRで良いと思う。6でも高い。
3~4万位の安いの見っけたら考えてみてねってことにしておいてください。
3万が安いかといわれると、「ライカLマウントとしては」って事になりますけどね。
OM28mmF3.5とか1万円持ってれば選び放題だしね・・
いやぁ、びっくりしたので思わず追記してしまいました。
ではでは。