何か月か前に手に入れたのですが、
ニコンのフラグシップ フィルムカメラであった「F5」を買いました。
2つ前のF3を使っていましたが、Gタイプレンズである200mmF2Gを通った光をフィルムにあててみたいなと思って買いました。
最初は、いまだに人気のあるニコンF100という上級機を狙っていたのですが、信頼性の観点から最上級機であるF5にしました。
F5は今でいうD5、D6のような完全プロ機でしたが、値段が30万弱ということで、プロだけでなくハイアマチュアの趣味写真家にも愛用されていたそうです。
むしろD850に近い存在だったのかもしれません。
フィルムカメラということで、当然ながら背面に液晶画面などはありません。
しかし、”カスタムボタン”と”コマンドダイヤル”の操作によってさまざまなカスタム機能を割り当てることが可能です。
たとえば、シャッター半押しでAFを作動させるか、フォーカス優先かシャッター優先、フィルム装填時の動作、など24項目の設定ができます。
フィルムの撮影で24項目も設定することがあるというのにも驚かされるのですが。
このカメラにはたくさんのダイヤルやボタンが備わっていますが、はっきり言って
Dfよりも操作が簡単です(笑)
このカメラの素晴らしいところは、基本的な事さえ分かっていれば誰にでもフィルム写真が撮れるところです。
AFレンズを使ってピントを合わせ、シャッターボタンを押してシャッターを切る。これだけです。
難しい露出の設定やフィルムの送り操作はすべてF5がやってくれます。
スマホやデジカメで簡単に写真が撮れる現代において、フィルムカメラでフィルム写真を撮るということは難しいことです。
しかしこのF5(F100やF6も)に限って言えばフィルムは簡単です。
これは、F5のわかりやすいデザイン、そして露出・測距の検出精度の高さの賜物です。
このすばらしいカメラを、いつか使いたいと思っていたのです。
(本当はF6こそ最高の憧れですが、さすがに値段的に手がでませんでした)
F5の凄いところはあらゆるレビューをみれば大体わかるのですが、個人的に気に入ったところがありまして、それはボディ内AFモーターの力強さです。
上の写真は50mmF1.8のDタイプとGタイプです。
Gタイプはレンズ内にモーターが入っているので「ウミャ~~」と音を立ててAFが作動するのですが、Dタイプはボディ内のモーターでレンズ内のゼンマイを回す仕組みです。
このボディ内AFモーターがかなり強力で、「ガッ」と音を立てて一瞬でピントが合います!
しかもピントが迷うこともなく、一発で狙い通りのところに合わせに行きます。
ボディ内AFが一番熟成された時代のカメラなんだと実感できるのです。
今年に入ってから集まってきたGタイプニッコール。
もちろんメインはデジタルですが、このレンズをそのままフィルムカメラで使えるということに感動です。
(こうやって並べてみると、85~135mmの穴を埋めたくなってしまう!)
で、もうフィルム3本ほど撮ってみたわけですが、とにかく失敗写真がありません。
私の不意で縦位置シャッターボタンを押してしまって5枚ほど無駄打ちしてしまったカットがありますが、それ以外は露出の失敗もAFの失敗もほとんどありませんでした。
ということで初使いはブルーボネット。
3月初旬にD5500で撮ったときに、同時にF5でも撮っていました。
これは最初に撮った一枚です。
Gタイプの50mmF1.8で撮りました。
F3とF5で、同じフジカラー100フィルムを使って撮ったなら同じ写真が撮れる、はずなんですが、実際は微妙に違った描写になる気がします。
これは露出の正確さ、幕速、フィルム投影面の平面度などが関係してくると思います。
F5のほうがやはり描写が精巧な気がします。
赤色が飛んでいません。
F3の時よりも自然な画になっているような気がします。
たぶん現像後の調整がやりやすいのではないかなと思うのですが。
不思議な形の木がありました。
まるでデジタル化したみたいな枝です。
調べてみると、カミソリという木のようです。
植物って本当にいろいろなことができるのですね。すばらしい!
一つのネモフィラを狙いました。
ちょっとざわついた背景ですが、ネモフィラの生きる環境をリアルに撮りました。
次は(たぶん)トキナー90mmマクロに変えて撮っていきました。
ブロックの隙間から生えた草を狙い撃ち。
フィルムもデジタルもマクロの被写界深度が浅いのは同じです。
大きな木に咲いた花に寄ってみました。
ネガフィルムでもこれだけ精密な描写をするのですね。
見事なラナンキュラス。
美しい花ですがF5の写りもなかなか見事です。
そして、家に帰ってからは肝心の200mmF2Gとの組み合わせで何枚か撮ってみました。
大きなボケを活かしてビオラを撮ってみました。
ネガフィルムでこんな画が出てくるとは流石です。
最短撮影距離でアリッサムの一つを撮ってみました。
200mmは意外と寄れるレンズで、小指よりも小さいようなアリッサムの花もこの大きさに写ります。
同じくワクレナグサも撮ってみました。前にフラワーパークで買った花です。
これも花が浮かび上がったかのような面白い写りです。
マクロレンズで近寄って撮ったのとは少し違った感じに撮れます。
フジカラー100のフィルムで試し撮りしました。
結果すべてのコマが正確に撮れていました。
絞り優先、露出補正ゼロで撮っていたので、このF5の露出計やシャッターユニットなどが正常に作動しているということがわかりました。
このカメラを買ったことで、絞り環のないGタイプレンズを使えるようになりました。
以前はF3で使えるようにと、絞り環のあるDタイプを集めていましたが、これでGタイプも集められるようになりました。
色々なレンズでフィルム写真を楽しんでいきたいと思います。