いわゆる8ナンバー車などの特装車の特集です。8ナンバーではない架装・特装車両もこちらで紹介させていただきます。タイトルは言いたかっただけです。今回は県費で配備された警察車両特集です。警察車両(パトカー)は警察庁によって調達(国費配備)されている車両が大多数を占めていますが、管轄エリアや用途によって国費配備車両だけでは賄えない場合は各都道府県の予算(都道府県費)で補われます。今回は静岡県下にて使用されている警察車両特集です。※一部画像は過去掲載分となっており、現在では廃車になっている車輌も存在します。
まずは国費でも導入されている車種からです。トヨタ13代目(200系)クラウンのパトカーは2010年度より国費で配備されていましたが、一部車両は県費配備車両となっています。画像は高速道路交通警察隊に配備された交通取締用四輪車で、撮影時は駅伝大会で規制解除車を担当していました。
国費配備車ではリアトレイにパトサインという格納式のLED式電光掲示板を装備しており、トランクリッドには県警名を表記している事が多いですが、県費配備車ではパトサインが非装備でトランクリッドの警察名表記が省略されています(一部例外あり)。
国費では2016年度より無線警ら車として配備されているトヨタ14代目(210系)クラウンをベースにした警ら用パトカー。エンジンは4GR-FSE(V型6気筒NA)の2500cc車で、ロイヤルサルーンの外観となっています。国費配備車(画像後ろ側)では昇降式赤色灯を装備していますが、県費では昇降機非装備となっています。
主警光灯は国費配備車と同じ小糸製作所LED110型で、リアバンパーのPOLICE表記やトランクリッドの県警表記も記載されています。基本的には昇降機を国費配備車両から外しただけのような外観ですが、国費配備車と異なりプライバシーガラスも非装備となっています。
この昇降機非装備の210系クラウン警ら車は県外でも一部の県にて県費で導入がされていますが、これは過去にレガシィB4(NA車)やブルーバードシルフィが導入されていた無線警ら車の枠じゃないかと思われます。
こちらの車両は高速隊で使用されているトヨタ210系クラウンの交通取締用四輪車(反転式赤色灯)で、シルバーメタリックのクラウンアスリートSをベースにした交通覆面車両です。国費では2016年度より配備されていますが、こちらの車両はそれ以前に県費にて配備された覆面パトカーとなっている通称48君です。
こちらはスバル4代目(BL型)レガシィB4ベースの交通取締用四輪車。国費では後期型の車両が2006年度より高速Ⅱ型として配備されていますが、こちらは前期型をベースにしており2005年度に配備されています。国費配備の高速Ⅱ型ではターボ車の2.0GTをベースにしていますが、県費のこちらはNA車をベースにしており、前面赤色灯の形状や位置も異なっています。
NA車ベースのレガシィB4は後継である5代目(BM型)後期型レガシィB4をベースにした車両も存在しており、こちらは無線警ら車として県費配備されました。国費配備車は2012年度より後期型の無線警ら車が配備されており、昇降式赤色灯を装備していますが、県費配備のこちらでは先述のクラウン同様に非装備となっています。
国費配備車の前面赤色灯はグリル部に丸型ハロゲン式とパトライトのLED補助赤色灯LP3-M1-Rの2種類が存在しますが、県費配備車のこちらはバンパー部ナンバー横にパトライトLED式補助赤色灯のLPS-M1-Rを装備しています。
県費配備のこちらは市販ボディカラーのクリスタルブラック・シリカをベースに白色を塗装している関係で、トランクリッドの塗り分けが国費配備車よりも黒の面積が多くなっています。国費では他にも前期後期共に交通用の車両も存在しています。
国費では1988年から2001年度の間、交通取締用四輪車として配備されてきた日産7代目(Y31型)セドリックの交通用パトカー。画像の車両は1999年度に交通取締用四輪車として配備された後期最終型で、電動格納式メッキドアミラー車となっています。
トランクリッドの県警表記は省略されており、ルーフ上には高速隊配属時のコールサイン対空表記が記載されています。主警光灯はパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)を装備しています。
現在は所轄署交通課で使用されているセドリックですが、先述の通り元々は高速隊で使われていた車両で、ボンネット上には高速隊時代に装備していたバグガードの取り付け跡が残っています。
こちらは2001年度に県費配備された車両で、上記の車両よりも少しだけ新しいY31セドリックをベースにした交通取締用四輪車です。上記車両同様にメッキドアミラーにブーメラン型赤色灯の組み合わせとなっています。
こちらは高速隊では使用されていないので、対空表記はありません。当初サイレンアンプはパトライトSAP-500を装備していたと思われますが、何らかの理由で最新のSAP-520に載せ替えられています。
こちらは小型警ら車としても2006年度より国費配備されているスズキ初代ソリオのパトカー(ミニパト)です。国費配備車と基本仕様は同じですが、国費配備車がホワイトをベースに下半分をブラックで塗装しているのに対し、県費配備車はブラックをベースにホワイトで塗装しています。その関係でドアミラーやドアハンドルは黒色となっています。
こちらはスズキ3代目ソリオをベースにした小型警ら車で、国費配備車両は2018年度より後期型をベースにした車両が配備されていますが、県費ではそれ以前に前期型をベースにした車両が配備されており、神奈川県警察にも県費導入されています。
こちらも国費配備車ではバックドア部に県警名表記が入りますが、県費配備車では省略されています。ドアバイザーも国費配備車では非装着でしたが、県費配備車には装着されています(一部の車両は装着)。
主警光灯は国費県費共にパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)を採用していますが、国費配備車の赤色灯配線は基台を通して処理されており、県費配備車の赤色灯配線は基台を介さずに直接通されています。
こちらの車は取締や警らを行う為の車両ではありませんが、本記事で紹介します。トヨタ5代目(200系)前期型ハイエースのコミューターをベースにした車両で、被疑者を警察署から裁判所へ護送する護送車です。
主警光灯はパトライトエアロソニック(AJPシリーズ)をルーフ上に装備しており、助手席側スライドドアには「かんぬき(閂)」と呼ばれている打掛式の掛金が取り付けられています。
後部ドアにも丸棒ラッチ式のかんぬきが取り付けられており、ハイマウントランプ上部にはバックカメラを装備しています。前期型のハイエースは県費のみですが、2017年度には国費で200系後期型ハイエースをベースにした車両が配備されています。
続いて国費では配備されていない車種です。こちらは2006年度に小型警ら車として県費配備された日産3代目(K12型)中期型マーチのミニパトです。県内では2002年度より前期型をベースにした車両が入っており、後期型まで含めて全国的に県費で配備されているようです。
画像の2006年配備車両の主警光灯はパトライトエアロソニック(AJCシリーズ)を装備していますが、2003年度配備車は警光灯がエアロブーメランとなっているようです。
2012年度には日産4代目(K13型)前期型マーチをベースにした小型警ら車も県費配備されており、主警光灯はパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)となっています。
後期型をベースにした車両も県費配備されており、画像の車両は2014年度に配備された車両のようです。後期型のマーチをベースにしたミニパトも全国的に県費配備された車両が多数存在するようです。
こちらはマツダ3代目(DE型)デミオをベースにした小型警ら車です。デミオをベースにしたミニパトは県外でも割と多くの都道府県にて採用されているようで、デミオは歴代通してどこかしらの県でミニパトとして採用されている車種でもあります。
他県に配備されているDEデミオベースの小型警ら車に装備されている主警光灯はパトライトエアロブーメランをBピラー前寄りに装備されていますが、こちらの車両は小糸製作所のLED110型がBピラー後ろ寄りに装備されています。
DEデミオベースのミニパトは赤色灯の位置が上記のBピラー後ろ寄りの車両の他に、配備年度の違いで他県警と同じBピラー前寄りに装備されている車両も存在しています。
2005年度に県費配備された三菱コルトをベースにした小型警ら車。県外でも少数ではありますが、コルトをベースにした小型警ら車が県費で配備されているようです。
2006年に山間部を管轄する交番及び駐在所用の小型警ら車として県費配備されたダイハツ前期型ビーゴをベースにしたミニパトです。ビーゴはフルタイム4WD車かつ、コンパクトなボディのミニパトとなっており、山間部の隘路にいても不法投棄の警戒パトロール等を行なえます。
バックドア部にはスペアタイヤを搭載しており、スペアタイヤカバーはハードタイプで、ボディカラーに準じたものとなっています。交番等で使用される小型警ら車には無線機を搭載していない事が多いですが、この車両は装備しており、無線用アンテナを後部に装備しています。
ルーフ上の主警光灯はパトライトエアロソニック(AJCシリーズ)で、軽自動車ベースのミニパト等で採用されている回転式ユニットが左右1灯ずつ、ドライバユニット(スピーカー)が1個搭載タイプです。
こちらは連番車です。県外では後期型ビーゴをベースにした車両が栃木県警察と岐阜県警察に県費配備されている他、兄弟車のトヨタラッシュをベースにした車両が宮城県警察、山梨県警察、兵庫県警察に県費配備されています。
2005年度に配備されたスズキ5代目(DA64V)エブリイバンをベースにした小型警ら車。県内の小型警ら車は交番や駐在所で使用される車両であっても、コンパクトカー等の小型自動車を採用する事が多いので、軽自動車をベースにした車両は珍しいです。
主警光灯はパトライトエアロソニック(AJシリーズ)を装備しており、県外では警視庁が交通ミニパトとしてDA64Vと後継のDA17Vを都費配備しています。警視庁配備車両は純正フォグランプを装備していますが、県費のこちらでは非装備となっています。
2020年度にはスズキソリオに対抗してダイハツが製造売しているトールワゴンのトヨタルーミーをベースにした小型警ら車が配備されました。2020年配備車両は車両は前期型となっており、前期型をベースにした車両は県外には存在しないようです。
2021年度には後期型のルーミーをベースにした車両が県費配備され、旭日章がステッカータイプに変更となりました。車格的にはソリオと同じなので、パイロン等の資機材積載量はそんなに変わらないんじゃないかと思われます。
主警光灯は前期後期共にパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)となっており、加速性能の優劣等は不明ですが、赤色灯はあくまで夜に煌めくイルミネーションで、サイレンアンプもお飾りで緊急走行はしないのであまり関係ないと思われます。ソリオ同様にバックドアの県警表記は省略されており、後期型のルーミーのミニパトは石川県警察にも県費配備されているようです。
2015年度には日産3代目(T33型)ティアナをベースにした無線警ら車が自動車警ら隊用に4台県費配備され、前面赤色灯はバンパー部ナンバー横にウィレン製のLED点滅灯LIN3BRを装備しています。
リアのエンブレム類は外されており、主警光灯はパトライトのエアロブーメラン(AXシリーズ)を装備しており、昇降機は非装備となっていますが、栃木や埼玉では昇降機を装備する車両も県費配備されているようです。
こちらのパトカーのベースはドア内側を見ての通り、ボディカラーがダイヤモンドブラックの車両となっています。県外では岡山や埼玉、茨城、愛知にてL33ティアナをベースにした車両が県費配備されています。
2009年度に自動車警ら隊用に県費配備された日産2代目(G11型)ブルーバードシルフィをベースにした無線警ら車。県内では2011年度に所轄署用に2次配備されており、主警光灯がLED式のエアロブーメランになった他、塗り分けや前面赤色灯の点滅パターンも変更されています。県外では滋賀県警察と新潟県警察に県費配備されていたようです。
2012年には交通取締用四輪車としてスバル4代目(GJ系)前期型インプレッサG4をベースにした車両が県費配備されました。前面赤色灯は上記のティアナ同様にバンパー部ナンバー横にウィレン製のLED点滅灯LIN3BRを装備しています。
主警光灯はパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)を装備しており、車内には矢崎総業製のストップメーターを装備しています。県外には前期型が山形県警察に、後期型は青森県警察、山形県警察、新潟県警察に採用されている他、県内には2009年度にインプレッサアネシスをベースにした交通取締用四輪車も県費配備されています。
2002年度に交通取締用四輪車として配備されたスバル3代目(BE型)後期型レガシィB4。前面赤色灯は消防車等で使われている大型の丸型ハロゲン式のもので、グリル部に装備されています。国費では配備されていないBE型レガシィをベースにしたパトカーですが、県外では青森県でも県費配備されていたようです。
画像は県中部に配備された車両で、決して配備台数は多くありませんが、県東部に配備されていた車両が観光地の交番に配備されていたこともあり、割と有名なご当地パトカーとなっています。
画像の車両も撮影時点で配備から約20年経っていましたが、県西部の交番で使用されていました。記事編集中に該当警察署をストリートビューで見ると、赤色灯を外された状態で署の敷地内に置かれていた事から既に廃車になっているものと思われます。
2007年度に交通取締用四輪車として配備されたホンダ7代目後期型アコードのパトカーで、前面赤色灯はバンパー部ナンバー横に角型のハロゲン式のものを装備しています。
主警光灯はパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)を採用しています。アテンザをベースにしたパトカーは県外では7代目前期型の車両が新潟県警察にて使用されているようです。
交通取締用四輪車として県費配備されたマツダ初代(GG型)前期型アテンザのパトカー。前面赤色灯は上記のアコードと同型と思われますが、こちらはバンパー内部に設置されています。
主警光灯はこちらもパトライトエアロブーメランを装備しており、画像の車両は撮影時期的にはスタッドレスの時期ではありませんが、ブリジストンのバルミナシリーズを履いています。
上記車両と連番の車両が同じ署に配備されていますが、こちらの車両は黒鉄ホイールに純正ホイールキャップを装備しています。画像の車両はどちらも2004年に配備された車両ですが、2003年に配備された車両も存在しています。
他県警ではGG後期型アテンザをベースにした車両が宮城県警察に配備されているようで、2代目アテンザをベースにした車両も宮城に県費配備されいるようです。
トヨタアリオンといえば捜査用の覆面パトカーとして国費で配備されている車種ですが、2013年度と2014年度に交通取締用四輪車と無線警ら車としてトヨタ2代目(260系)中期型アリオンをベースにしたパトカーが県費配備されました。
サイレンアンプはパトライトSAP-500BKを使用しており、交通取締用に配備されているので車内には矢崎総業製のストップメーターを装備しています(未確認ですが無線警ら車には非装備?)。
前面赤色灯はバンパー部ナンバー横にパトライト社製LPS-M1-Rを装備していますが、一部の配備車両は使用中の故障(点滅不良等)の関係か、同社のLP3-M1-Rに変更されています。
県外では初代アリオンをベースにした車両が広島県警察に配備されていますが、2代目アリオンをベースにした白黒パトカーは他には無いようです。ただし皇宮警察で使用されている無線警ら車には黒一色のものが採用されているようです。県内にはルーフ上に速度測定用のレーザー照射装置を搭載したレーザーパトカーも採用されています。
2010年度に県費で配備されたトヨタ2代目(260系)中期型プレミオパトカー。赤色灯は小糸製作所LED110型を採用しており、前面赤色灯は画像ではわかりにくいですが、グリル内にLED式のものを装備しています。
アリオン同様に交通取締用車と無線警ら車して配備されており、車内にストップメーターを装備しています。他県警では初代をベースにした車両が佐賀県警察に寄贈されているようですが、県外に2代目をベースにした車両は存在しないようです。
最後は2004年度に県費で配備されたトヨタ初代(60系)前期型イストをベースにした小型警ら車で、主警光灯はパトライトエアロブーメラン(AXシリーズ)を装備しています。
県外では2代目イストをベースにした小型警ら車が宮城県警察に県費配備されており、プラットフォームを共有する初代ヴィッツのパトカーが岡山県警察と石川県警察に配備されていたようですが、初代イストは県内だけだったようです。
今回は以上です。
メニューはこちら