来週末の響け!ユーフォニアム1期の一気上映を控え、自分の中で整理したい事を書いてみます。
トランペット3年生香織先輩と1年生麗奈のソロパート争いで、まだ完全に咀嚼しきれていない事があるのですが、現時点での自分的な解釈のメモです。
※2020.08.09 再考察しました。⇒ こちら
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宇治文化センター大ホールで行われた二人のソロパートオーディション、その戦いの前に香織先輩と晴香部長が二人で話をします。
晴香「ねぇ 前から聞こうと思ってたんだけど どうしてあすかなの?」
それに対し香織は(自分を見透かしている気がする)あすかの一歩先を行って驚かせたい と言う。
この晴香が言う「面倒くさいね」の意味をどう捉えたら良いのか、ずっと考えていました。
そもそも香織が再オーディション希望で手を上げた時、何を思っていたのでしょう?麗奈からソロをもぎ取ってやろうと思っていたのでしょうか?それとも、最初から自分がソロに選ばれなかった事に整理をつけるつもりだけで手を上げたのでしょうか?
優子の中の人、トランペットの経験を持つ山岡ゆりさんが「トランペット奏者は目立ちたい、自己主張が強いテンション高い人が多い気がする。香織は表には出さないけれど家ではすごいと思う。トランペットやってるくらいだから」と話をしていました。
これまで香織先輩は他を優先させてきました。しかし3年生の香織は今年で最後。"最後はソロを吹きたい”とトランペット奏者魂が出たのかもしれません。しかし今年の北宇治は今までとは違い、全国大会進出を真剣に目指しています。自分より上手い麗奈が吹くべきだとも思っているはずです。香織先輩の中のやさしさと、自分を優先する心の葛藤がありました。なので、オーディションで麗奈が選ばれた現実を受け止め「これで良かったんだ。こうあるべきだった」と必死で納得しようとしていました。
ところが、再オーディションが行われる事になり再びチャンスが巡ってきました。
ソロパートを練習する香織。
香織「どう?」 あすか「いいんじゃないの?」
あすかは、はぐらかします。
香織「じゃあ聞き方変える。あすかは、どっちが適任だと思う?」
香織はあすかに背中を押してもらいたかったのでしょうね。でもあすかはそうしなかった。香織の中で、自分を押し切る事を断念した瞬間だと思います。
再オーディション前、晴香は聞きます。「どうしてあすかなの?」
香織は晴香に言います。「どうしてだろう よくわからないけど…なんか見透かされてるような気がするんだよね。私が思ってること 何でも。」「だから あすかを驚かせたい。あすかが思ってる私の一歩先を本物の私が行きたい…のかな」
香織は、自分で振り上げた拳を下ろす形となってしまうのだが、そんな心を誤魔化そうとする香織に気遣って、晴香は「面倒くさいね」と言った。
という解釈をしました。
再オーディションのステージで麗奈とぶつかった香織は、本当の自分を思い出す事が出来て「ソロは高坂さんが吹くべきだと思います」と言います。
香織先輩と麗奈の新たな関係が構築された瞬間でもあります。
それを見ていた優子は、かつて香織先輩との関係を思い出し、
涙が溢れます。
また、優子には香織先輩の”心の鏡”という要素があり、香織先輩の心の中を映し代弁することがあります。ここで優子が泣いたのは香織先輩の心の奥底にあるものだとも言えると思います。
オーディションの結果に対しての不満をぶち撒け麗奈に食って掛かった時も、香織先輩の心の奥底にある醜いものまでを優子が映し出してしまったので「やめて!!」と叫んだんだと思います。
オーディション・ソロパート争いの話は、音響監督の鶴岡さんが「香織先輩に贔屓をした。視聴者が香織先輩に感情移入するようなあざとい劇伴を付けた」と語っていますが、私もどちらかと言うと香織先輩贔屓かもしれません。
以上、メモでした。
今の所このように捉えていますが、色々な意見を聞いたり新たな発見があったりしたら、随時更新していきたいと思います。
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Posted at 2019/02/28 00:23:38 | |
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