2018年1月12日にユーフォに出会ってから、丸3年が経ちました。
「響け!ユーフォニアム」という作品自体は2015年4月から放送開始でしたので、出遅れの部類に入るのですが、その分を取り返そうと作品を楽しんでいます。
そういう事で、TV1期1話を改めて見直しました。
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《次女であるが故の生き方をしてきた久美子》
主人公の黄前久美子は、父:母・姉がいる4人家族です。
姉は大学生で、家を出て東京の大学に通っています。
久美子は、姉が吹奏楽(トロンボーン)をしていた事に憧れ、小学4年生の時から楽器を始めました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
周りの仲間の担当楽器はどんどん決まっていきましたが、久美子は自分からやりたい事を言い出せず、最後に残った「ユーフォニアム」を先生にそそのかされて勧められて担当することになります。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
シリーズ演出の山田尚子さんは、「この作品のポイントは久美子が妹である事である」と語っています。
妹は、姉の背中を見て育ちます。
姉が色々やらかして親に怒られるのを見て育ち、自分は同じ轍を踏まないように生きてきました。
姉は自分がやりたいことを怒られながらもやっていくのに対し、妹は慎重に、あまり自己主張しないで周りに合わせ、無難に生きていく道を選んできた…久美子はそういう子です。
「響け!ユーフォニアム」という作品は、妹である久美子のそういう性格が根底にあって話が進んでいきます。
久美子は北中学へ進学し、吹奏楽部に入りました。
楽器経験者という事で1年生ながらコンクールメンバーに選ばれました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
しかし一方で、久美子を可愛がってくれていた3年生の先輩がメンバーから外れてしまいます。
この日以来、先輩が卒業するまで、毎日ずっと久美子に辛く当たるようになり、久美子の心に深い傷を負わせてしまいます。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
更に、中学最後のコンクールで久美子の吹奏楽部は金賞(ダメ金)を受賞します。
久美子が「(ダメ金で)よかった」と思っていた一方、隣にいて泣いて悔しがる高坂麗奈に対し「本気で全国に行けると思ったの?」と言ってしまいます。
久美子はそのまっすぐな麗奈の目を見て麗奈の思いを悟りますが、自分が軽い気持ちでいたことに罪悪感を持ち、久美子の心の中に暗い影を残してしまいます。
そういった中学の時の色んな事をリセットしたかったという想い(セーラー服が着たかった)から、知っている子が少ない北宇治高校へ進学します。
(久美子の北中学からは、殆どの吹奏楽部員が南宇治高校へ進学しました)
《久美子は何故、吹奏楽部入部を再び選んだのか?》
これと言って何かの目標や目的も無く、
なんとなく入った吹奏楽部。なんとなく続けてきたユーフォニアム。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
高校に入ってもその点に関して何か変化があったわけではありません。
でも、吹奏楽が嫌いというわけでもありません。
在校生による新入生歓迎演奏にも耳を傾けていますし、
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
何より楽器経験者の同級生・川島緑輝(みどりですぅ~)にも初対面で「ユーフォっぽい」と言われてしまうほど、(本人は気付いていませんが)久美子にはユーフォニアムが身に染みついています。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
同級の葉月とみどりに誘われて吹奏楽部へ見学しに行きますが、そこで高坂麗奈を見かける事となります。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
帰り道、久美子は吹奏楽部へ入ろうか迷っていました。
「ちょっと考える」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
久美子ベンチで考え事をしていると、幼馴染の秀一が来ます。
しかし、久美子は秀一をスルー。
「しゃべってくんなブース」って中学の時に秀一から言われたので従っていると久美子。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
秀一も久美子と同じ中学で吹奏楽部(ホルン)でした。
北宇治も一緒の高校になったようで(久美子を追いかけた…?)、吹奏楽部に入ろうと思っているらしい。
秀一「おまえ、どうするの?」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
「入ろうと思ってたけど、やめることにした」と久美子。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
特段の理由も無くなんとなく続けてきた吹奏楽という事に加え、麗奈に対するあの時の罪悪感が蘇り、更に秀一が吹奏楽部へ入ると聞き若干反抗心が芽生え(このあたり、青春ですね)、色々な想いが絡み合って吹奏楽部への入部はしないと一度は決めます。
家に帰り、吹奏楽部へ入ろうかどうしようか考えていました。
飲み物を少し残して飲み込み切らないあたりが久美子の心理を表しています。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
自分の部屋に戻り、中学の時の麗奈の涙を思い出していました。
中学の吹奏楽部の時は、決して手を抜いていたわけではありません。
それなりに一生懸命練習していました。楽譜にはたくさん書き込みもあります。
※北中学がダメ金だった理由は「全員が本気で全国に行こうと思ってなかった」からです。しかしこの時点では久美子も含め殆どの部員が気付いていません。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
コンクールも一生懸命、演奏しました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
吹き終わった後の達成感もありました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
中学時代は色々あったけれど、吹奏楽もそう悪くない。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
久美子は思い返していたのかもしれません。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
翌朝、久美子は牛乳を一気に飲み干します。
少しずつ、吹奏楽部に”入ってもいいかな?”と思い始めていたと思います。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
とはいえ、通学中も教室に入ってからも揺らぐ久美子(マッチカット)。
気が付くと、目の前にとんでもない光景が。
楽器も決まってないのにマウスピースを買っちゃった葉月が一生懸命音を鳴らそうとしています。
でも鳴らし方を知りません。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
みどりに「どうやって鳴らすんですか?」と尋ねられます。
久美子は、自身が楽器を始めた頃に、大好きなお姉ちゃんに教えてもらったシーンを思い出します。
久美子の表情を見たみどり「久美子ちゃん、吹部、一緒に入りませんか?」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
最後はみどりと葉月に背中を押された形になりましたが、吹奏楽部入部を決意した久美子。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
悪い過去に引き摺られ避けて生きるより、良かった思い出を胸に前を向いて行った方が良い人生が送れる確率は高くなりますから。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
みどりは察しが良い子ですから、きっと久美子にあった過去の何かを感じ取ったのかもしれません。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
みどりについては、石原監督が先日コメントを出していますので、別記事でその事に触れたいと思います。
久美子が何故、吹奏楽部に入ったのか?という点は自分の中でもあやふやなままでしたので、今回すこしばかり整理してみました。
(いつもの事ながら、何かあればしれっと改訂しますけど)
TV見直し企画、シリーズ化しようかな?…需要ありませんね。
でも、それでもいいんです。自分の為にメモとしてブログ書いてますから(笑)