普段、アストロアーツ製の天文シミュレーションソフト「アストロナビゲータ11」を使っているのですが、この天文ソフト対応の追加恒星データ「USNO-A2.0星表」が割引販売していたのでポチりました。
「USNO-A2.0星表」というのは、アメリカ海軍天文台が各天文台からデータを集め、恒星カタログとしてまとめたものです。
アメリカ海軍天文台は、今から188年前の1832年に作られたアメリカで最も古い天文台で、元々はアメリカ海軍の航海を安全に行う為の、太陽や月の位置を予測する正確な暦と海図を作成する為に創設され、その後位置天文学の発展に貢献しました。
夜空に輝く星は、1つ1つ違った色や明るさで輝いています。
その明るさを”等級”という単位で表す事にしました。
基準となる星は、七夕の織姫星で有名な、こと座の「ベガ」です。
ステラナビゲータ11/株式会社アストロアーツ
このベガの見掛けの明るさを0等級とし、2.5倍明るくなる毎に1等級ずつ数字が少なくなり、逆に2.5倍暗くなる毎に1等級ずつ数字が大きくなるように定義しました。
※ベガを0等級とするはずでしたが、その後補正が入り、実際には+0.03等級という事になっています。
ちなみに、太陽の明るさが-26.7等級、満月が-12.7等級、宵の明星・明けの明星(金星)は-4等級になります。 ※現在、夜明け前の東の空にメチャクチャ明るい星が見えると思いますが、それが金星で-4等級です。
我々が夜空を見上げた時に見える星で、一番暗いものは6等級です。
キャンプに行った時に見える天の川は、どんなに暗くても6等級までの星しか見えていません。
それでは、各等級ごとにどれだけの数の星があるのか、見てみます。
このように、暗い星ほど数が増えていきます。
我々が肉眼で見える星は1~6等級までの合計約8,600個です。
これは全天での数ですので、一度に見える数はこの半分の約4,300個という事になります。
天文シミュレーションソフト「アストロナビゲータ11」では、17等級までの暗い星 約1.35億個のデータが入っています。
今回の恒星カタログを導入する事で、20等級までの526,280,881個が追加されます。
ここまでの暗さは、一般の人が所持している天体望遠鏡を使っても見えません。
プロの研究機関やハイアマチュア天文家が大型望遠鏡を使って写真撮影した時に、やっと姿を現すレベルです。
アマチュア天文家のうち、小惑星ハンターやコメットハンターがこのレベルの星データを必要とします。 ※小惑星(コメット)ハンター:これまでに発見されていない、新しい小惑星(彗星)を探している人たち。
という事で、私レベルではこんなデータは全く必要無いのですが、今回データが3,500円で手に入るのと、天文シミュレーターをいじくっていて、非常に暗い星まで見えると楽しいかも?という自己満足で買いました。
後日パッケージが届いたら、インストールして試してみます。
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余談ですが、シミュレーションソフトで冥王星に行ってきました。
地球からの距離48~54億kmです(公転軌道が楕円の為、変動します)。
南方向に、冥王星の衛星「カロン」がいます。時間を進めても同じような位置にずっと見えています。
西の方には、地球を含む太陽系の惑星たちが勢ぞろいしています。冥王星からでは、全ての惑星は内惑星(内側の軌道を公転する)になります。
ステラナビゲータ11/株式会社アストロアーツ
Posted at 2020/08/31 00:47:34 | |
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