安倍元首相暗殺事件の容疑者が、犯行の動機としてある宗教団体の名前を挙げているんだそうで、その関連の話題がメディアでもネットでもお盛んです。
その宗教団体との関わりについて一部の政治家や有名人が魔女狩りのようにあることないこと言われてたりしてますが…
まず前提として
理由が何であれ
暴力・テロは許されません
社会がテロリストの要求に応じるかのようにこの問題を騒ぎ始めれば、更なるテロ事件が発生しかねません。テロリストの思う壺です。
犯行の動機として情状酌量の余地があるかどうかは司法で判断すべき問題です。社会がこの事件を利用して特定の宗教団体を責め立てたり、その団体と関係があった者を魔女狩りのように洗い出して批判を浴びせるというのは誤りです。
また、
その宗教団体自体がそもそも異端のカルト教団です。こういう集団は社会から異端視され弾圧されればされるほど益々精鋭化してしまいます。
メディアもネットも面白がって好き勝手な事を書いてますが、その程度の事でへこたれるようなヤワな集団ではありません。
多額の寄進や高額な物品の購入をさせられる件については「消費者問題」として対処すべきでしょう。
亡くなった安倍元首相のみならず、政治家は多少なりとも色々な宗教団体と関係を持っています。宗教団体として一つにまとまった集団であれば、選挙の際に一定数の票を期待できますので当たり前です。
一口に「政教分離」などと語られても、簡単に切り離せる話ではありません。
宗教団体やカルト・セクトと呼ばれる集団と一切の関わりのない政党なんて、一部のミニ政党を除いてほとんどないと思われます。
安倍元首相自身は浄土宗であり、その葬儀も浄土宗の寺院である増上寺で行われました。
また安倍政権時代に「消費者契約法」の改正が行なわれ、悪徳商法に新たな規制がかけられたのも事実です。
政治と宗教との関わり、政教分離の問題は靖國問題でも話題になりますが、簡単な問題ではありません。
合憲か違憲かで騒がれる事が多いかと思いますが、「日本国憲法自体が日本の歴史・文化・伝統に則っているのか?」という「そもそも論」から始めなければなりません。
天皇陛下の「即位の礼」の行事などを見てもわかりますが、皇室行事の多くは神道形式に則ってます。
閣僚の靖國参拝は批判されますが、新年の伊勢神宮参拝を批判する声はあまり聞かれません。
土着の宗教である神道と古代に伝来した仏教、中世に伝来したものの迫害を受けたキリスト教…仏教もキリスト教も細かく分派し、現代においても「新興宗教」として新たな「教団」が誕生し続ける中、政治と宗教の問題は非常に神経質な問題です。
年末にクリスマスを楽しみながら、その後1週間もしないうちに除夜の鐘を聞きながら新年を迎え、神社に出掛けて初詣しておみくじに一喜一憂するという一般的日本人のおめでたい宗教観でも、法的に厳密に運用しようと思うとかなりの難問です。
それはともかく安倍元首相暗殺事件という悲劇をネタに、「魔女狩り」が始まってしまうのは由々しき問題です。
ネット言論はともかく、メディアや政治家はもう少し慎重になるべきと考えます。
Posted at 2022/07/25 20:30:42 | |
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