分解編に続いて、いよいよ修理編です。
絞り制御ユニットの修理はネット上で探すことができる「馬蹄形金具にハンダを盛って、通常の位置よりもほんの少し位置をずらす(磁石から位置を遠ざける)」というものがありますが「位置をずらすだけなら他のアプローチでもよいだろう」と勝手に判断して他のやり方になっています。
ハンダでやるの面倒くさいし、何より簡単に元に戻せない手法は何も理解できていない自分には危険と判断しました。
あと、自分は貼りもの好きです^^;
さて、分解編でお目見えした絞り制御ユニットはねじ1本で止まっているだけですので、これを外せば外れます。
ただユニットは頼りな~い線で本体とつながっていますので慎重に。
外した状態がこんな感じで、矢印部の「基板と馬蹄形金具のクリアランスを少し広げる」ってのが目的になるみたい。(=馬蹄形金具の初期位置をずらす)
馬蹄形金具は磁石でユニット(コイル)内部に引き込まれた状態ですので、長穴に棒でも突っ込んで引き抜きます。
かなり小さいので手でつまんで抜くのは難しいかも。
主役の登場。
馬蹄形金具と、別アプローチ案のスペーサーです。
スペーサーは非磁性体で、ある程度の厚みを持った板を切ったものですね。
どこかのお店の会員証を切って作りました(笑)
馬蹄形金具を抜いた後のコイル側はこんな感じで、
先ほどのスペーサーを貼るとこんな感じ。
そいつを組み込んで、動作確認。
カバーを外した状態でレンズ付けてバッテリー付けてシャッターを切ります。
ここ、メチャ慎重に。
ここまでの作業もそうですが、ストロボ関係の回路に触れると感電するようですので、特にバッテリー近くにあるデカいコンデンサーには注意しましょう。
(とは言っても自分も分かっているわけではありませんのであてになりません^^;)
カッッシャ!
カシャ!
カッッシャ!
ん?何かおかしい。
カバーとか着けてないとこんな音なのかな?
映るのは映るようになってるし、やりすぎると真っ白な絵になっちゃうってことだけどそうもなってない。
絵だけ見ると改善しているように見えるけど、シャッター音がどうにもしっくりこない。
これはとりあえず元に戻して、通常の音を聞くしかない。ってことでスペーサーを外した初期状態に戻して、再度動作確認します。
カシャ!
カシャ!
カシャ!
明らかにさっきとは違うシャッター音。
あーやっぱりさっきの状態はおかしかったんだ、というのがこの検証でわかりました。
ん?
っつーか絵もちゃんとしてんだけど!?
初期状態に戻したなら撮影した絵は真っ暗になってないとおかしいのに・・・
やっぱり一度馬蹄形金具をコイルの中から出してしまうだけで、症状は改善してしまうようです。
こいつは対策の効果の判別が難しいですね・・・
ここでしばらく考えます。
というのも、そもそもの狙い値がよく分からない上に、狙い値が間違っていた場合に発生する副作用も分かっていません。
シャッター音のように分かりやすい物であれば判断もできますが、例えば通常であればISO100になるものがISO200になってしまう、な~んて微妙なものであればきっと、というか絶対自分には判断ができません。
つまり、この後スペーサー厚を調整していくにしても、OK/NGの判断ができないのではないか?という状態になってしまいました。
(もちろん自分がメカニズムを理解していないからに他なりませんが)
で、最終的には
「部品間にあるガタを有利な方向に寄せて組む」
という手法で行こうと判断しました。
何度か組みバラシして気が付いたのは、ユニットを本体から外した状態と組み込んだ状態では、馬蹄形金具と基板のクリアランスがわずかに異なっている可能性がある、ということです。
本体にはねじ固定位置の隣に位置決め形状があります。
また馬蹄形金具の方は金属ピンが入ります。
これがすんなり入んないんですよね。
で、こんな感じでイメージしました。
こうなってんじゃね?
組み込み状態の写真を見ても、イメージと合っていると思います。
位置決め部にも金属シャフト部にも、部品間のガタは存在します。
そのガタを逆向きに発生させることで、当初の目的である基板と馬蹄形金具の隙間を広げる手段としようと考えました。
コイル側は上に寄せてねじ止め、馬蹄形金具の方は両面テープ(図中黄色)を貼ってそれぞれのクリアランスを、通常組み込み時とは逆方向にします。
組み込んで動作確認。
カッッシャ!
カシャ!
カッッシャ!
あれ?
これでもやりすぎってこと?
結構寸法にシビアなようです。
で結局、馬蹄形金具の両面テープも剥がして「コイル部の上寄せ」だけにしました。
こんなんで寸法変わんの?って思うかもしれませんが、寄せ止めしたもののねじを緩めると結構移動しますよ。
んで、組み込んでの動作確認でも特にシャッター音は問題なし。
このやり方なら設計値からの著しい寸法乖離も無いし、自分的にはかなり安心感があります。
もちろん対策効果がなければ意味が無いわけですが、普通に組みなおしただけでも既に直ってしまっていたので、この対策が効果的なのかはわからなくなってしまいました。。。
ただ、変な動作はしてません。
というわけで、イマイチな対策報告ブログになってしまいましたが、寸法調整は結構微妙なようですので、このやり方で直るのであれば悪い手法ではないのかなと思います。(
もちろんこれで直ると言える状況ではありませんが)
また不具合が発生したら報告ブログを書こうと思いますが、そん時はどうやって直そうかなぁ。
黒死病は、馬蹄状金具が帯磁してしまうことが原因と言われていますので、消磁の方法でも勉強しておきますかね・・・
とりあえずですが、長男謹製のおさかな(名前はスシロー)もキレイに撮影できるようになりました^^
2019/12/27追記
約2か月経過しましたが再発していません。
実は組みなおしただけの状態では1日で再発しましたので、とりあえず直ってると言って良い状態だと思います。
2020/4/15追記
卒園/入学式にも活躍できてます。
いい感じです♪
2020/11/7追記
一年経ちました。
運動会もバッチリ!
再発してません!
2021/8/20追記
久々に引っ張り出して試したら、残念ながら1ショット目で再発が確認できました。
2ショット目で直りましたが、しばらくするとまた症状が悪化してくるんでしょうか。
面倒だな。。。
寄せ止めだから、寒暖差を何度か経験すると位置が戻ってきちゃうのかも。
2021/9/23追記
再修理で復活。
2年おきの定期イベントになっちゃうのかな?
PENTAX K-S2 黒死病の修理(再修理編)
2022/9/16追記
再発までの期間が短い。
完全に消磁して、さらに消磁できたことをちゃんと確認してから組まないと短期間で再発するかもですね。
PENTAX K-S2 黒死病の修理 最終章!(予定。。。)
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Posted at
2019/11/04 22:48:34